WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 西岡利晃(日本・帝拳ジム) 戦績:40戦33勝20KO4敗3分 |
挑戦者 | ジョニー・ゴンサレス(メキシコ) 戦績:46戦40勝34KO6敗 |
試合内容
WBC世界スーパーバンタム級チャンピオンの西岡利晃選手が、メキシコ出身の強打者、ジョニー・ゴンサレスの地元に乗り込んで、2度目の防衛戦を行います。ただでさえ難しいと言われる海外防衛に加えて、対戦相手は2階級制覇を目指すジョニー・ゴンサレス。しかも、開催地はボクシング王国のメキシコです。完全アウェイの状態で、日本が誇る「孤高の天才」はチャンピオンベルトを守ることができるでしょうか?
試合は1ラウンドから衝撃の展開でスタート。左フックを得意とするジョニー・ゴンサレスに対して、チャンピオンの西岡利晃選手は普段より右ガードを高く構えて、小刻みに頭の位置を変えながら戦っています。地元の大声援を受けて戦うジョニー・ゴンサレスを調子に乗せないように「得意のパンチを封じ込めよう」という作戦のようです。
「ゴンサレスが戦いづらそうだよ、さすが西岡選手。ゴンサレスの長いリーチと長いモミアゲを封じ込めちゃえ」と興奮気味に応援していると、1ラウンド2分すぎ、西岡利晃選手が距離を詰めてパンチを打ち終わった直後、ジョニー・ゴンサレスが左フックからコンパクトな右ストレートで反撃!このパンチが西岡利晃選手の顔面をとらえ、ダウンを奪われてしまいます。
「ぎょえー!」と思わず絶叫する管理人。深追いしたところにパンチをもらってしまいましたが、西岡利晃選手の足元を観る限り、それほどダメージは深くない気がします。ちょっとホッとする管理人。「さあ、勝負はこれからだよ」と一段と応援に力が入ります。
2ラウンドは、距離を詰めてパンチを打ち込もうとするジョニー・ゴンサレスに対して、西岡利晃選手が右ジャブとフットワークを使って距離を取り、入ってくるところへ左ストレートのカウンターを狙う展開で始まります。
開始直後には、西岡利晃選手の左ストレートがジョニー・ゴンサレスのアゴをとらえ、一気に勝負を決めたいジョニー・ゴンサレスに「これ以上近づいたら、カウンターが飛んでくるよ」と思わせながら、上手くダメージ回復をはかります。
そして、迎えた3ラウンド。「孤高の天才」が日本ボクシング史に残る快挙を達成します。ラウンド開始直後から左ジャブを突きながら、ペースを取り戻そうとするジョニー・ゴンサレスに対して、西岡利晃選手は丁寧にパンチを外し、反撃のチャンスをうかがいます。そして、ジョニー・ゴンサレスの攻撃が止まった2分すぎ、思いっきり踏み込んで渾身の左ストレート!
西岡利晃選手のベストショットをまともにもらってしまったジョニー・ゴンサレスは、そのまま後ろへ倒れ、満員の会場が静まり返ります。「よいしょ!これは決まったんじゃない?」と思わずソファーから立ちあがる管理人。
執念をみせるジョニー・ゴンサレスはなんとかダウンから立ちあがりますが、足元がおぼつかず、試合続行不可能。西岡利晃選手が劇的な逆転KO勝ちで、2度目のタイトル防衛に成功しました。なお、日本人の世界チャンピオンが海外防衛に成功したのは、24年ぶりだそうです。
いやー、素晴らしい試合でした!ジョニー・ゴンサレスに勝ったことで、今後は西岡利晃選手に挑戦を表明するボクサーが増えるかもしれませんね。西岡利晃選手のアンダーカードで登場したランキング1位の「元2階級制覇チャンピオン、ラファエル・マルケスとラスベガスで防衛戦」なんてことになると、ものすごく盛り上がりそうです。
西岡利晃選手の海外防衛成功が、日本ボクシング界にもたらす功績は、時間が経てば経つほど、大きくなると思います。改めて、西岡利晃選手に大きな拍手です!「日本にこんな強い世界チャンピオンがいる」ということを世界中に発信した素晴らしい試合でした。
試合結果
試合結果 | 西岡利晃選手が3ラウンド逆転KO勝ちで2度目の防衛に成功。日本人チャンピオンの海外防衛成功は24年ぶり。 |