WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | ウンベルト・ソト(メキシコ) 戦績:57戦47勝30KO7敗2分1無効試合 |
挑戦者 | ベノワ・ゴード(カナダ) 戦績:21戦20勝7KO1敗 |
試合内容
メキシコ出身のタフな強打者、ウンベルト・ソトが、カナダ出身のテクニシャン、ベノワ・ゴードを迎えたWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチです。正反対の特徴を持つボクサー同士の戦いですね。スーパーフェザー級と言えば、帝拳ジムに所属する次世代のスーパースター、ホルヘ・リナレスがWBAチャンピオンに君臨する階級なので、ホルヘ・リナレスのライバルになるボクサー対決という見方もできそうです。
試合は序盤からチャンピオンのウンベルト・ソトがプレッシャーをかける予想通りの展開。左ジャブとフェイントで様子を見ながら、スピード豊かなベノワ・ゴードを上手くロープに追い詰めます。すると、開始30秒、ロープを使って回り込もうとするベノワ・ゴードに対して、チャンピオンのウンベルト・ソトがロングの左フックを顔面にクリーンヒットさせて、ダウンを奪います。
「うわ、いきなりのダウンだ。派手に倒れたけど、ダメージはどうだろう?」と開始早々のダウンに驚く管理人。足を使ってかく乱しようとしたベノワ・ゴードですが、出鼻をくじかれた感じです。「こりゃ、ウンベルト・ソトが一気に決めちゃうかもしれないなあ」と思ったのですが、ダウンから立ち上がったベノワ・ゴードが持ち前のスピードとテクニックを発揮し、チャンピオンを苦しめます。
2ラウンドに入ると、ベノワ・ゴードが、左ジャブ、右ストレートを打ってすぐに離れるヒット・アンド・アウェイを忠実に実行します。さすがはアテネオリンピックに出場した経験を持つベノワ・ゴードですね。フットワークを使って、ウンベルト・ソトのプレッシャーを上手くいなしています。
2ラウンドと4ラウンドには、前へ出てくるウンベルト・ソトに対して、ベノワ・ゴードが右のカウンターでクリーンヒットを奪います。打ち合うと強いウンベルト・ソトをよく研究していますね。「経験豊富なウンベルト・ソトが戦いにくそうだよ。1ラウンドにダウンを奪われたことで、ベノワ・ゴードは吹っ切れたのかな?」と予想外の展開に驚く管理人。
「ウンベルト・ソトは決して器用なボクサーじゃないから、ベノワ・ゴードがこの戦い方をどれだけ続けることができるかで勝敗が決まるかも。ベノワ・ゴードがこの動きを最後まで続けることができれば、チャンスがありそうだなあ。でも、動きが止まると、ウンベルト・ソトが一気に試合を決めるかも」というのが前半戦(6ラウンドまで)の感想です。
「後半戦もベノワ・ゴードにとって綱渡りの戦いが続きそうだなあ」と思い始めた7ラウンド、この試合初めてウンベルト・ソトとベノワ・ゴードが足を止めて打ち合います。「うわ、どっちも右ストレートのカウンターのタイミングが合ってきたよ。紙一重でかわしているけど、お互いに誘っている感じだなあ」と急に変化した試合展開に興奮を隠し切れない管理人。
すると、8ラウンド終了間際、ウンベルト・ソトの強烈な右ストレートがベノワ・ゴードの顔面をとらえ、ベノワ・ゴードの腰が一瞬落ちます。「これは効いた!ダメージ深そうだけど、(インターバルの)1分で回復するかな?」とベノワ・ゴードのダメージを観察する管理人。9ラウンド開始直後からパンチを打って反撃するベノワ・ゴードですが、パンチのキレ、動きのキレとも少し落ちているようです。
一方、チャンピオンのウンベルト・ソトは、ベノワ・ゴードのダメージを確認しながら戦っているのか、誘い込んでいるのか、ラウンド序盤はパンチを控えていましたが、ラウンドが進むにつれてパンチを出し始め、ラウンド中盤に、これまでほとんど打たなかった右アッパーでダウンを奪います。
なんとか立ち上がったベノワ・ゴードですが、チャンピオンのウンベルト・ソトがラッシュをかけ、最後は左ジャブから右ストレートのクリーンヒットで再びダウンを奪い、レフェリーが試合をストップ。ウンベルト・ソトが9ラウンドTKO勝ちでベノワ・ゴードの挑戦を退けました。
チャンスを確実に勝ちにつなげるところは、さすがウンベルト・ソトですね。見事な倒しっぷりをみせたチャンピオンのウンベルト・ソトはもちろん、フットワークとカウンターでチャンピオンを苦しめた挑戦者のベノワ・ゴードも素晴らしかったと思います。ウンベルト・ソトもベノワ・ゴードも「次の試合も観たいなあ」と思わせてくれるボクサーですね。
試合結果
試合結果 | ウンベルト・ソトが9ラウンドTKO勝ちで3度目の防衛に成功。 |