WBC世界ミドル級暫定王座決定戦
ランキング1位 | ドメニコ・スパダ(イタリア) 戦績:30戦29勝14KO1敗 |
ランキング2位 | セバスチャン・ズビック(ドイツ) 戦績:26戦全勝10KO |
試合内容
WBC暫定世界ミドル級タイトルをかけて、ランキング1位のドメニコ・スパダとランキング2位のセバスチャン・ズビックが拳を交えます。ドメニコ・スパダはイタリア出身のファイター、セバスチャン・ズビックはドイツ出身のテクニシャン。対照的なボクサー同士の戦いなので、どちらの距離で戦うのかがポイントになりそうですね。どちらが勝っても初の世界タイトル獲得です。
試合開始から仕掛けたのはドメニコ・スパダ。ガードを固めながら積極的に距離を詰めて左ジャブから右ストレート、左ボディーブローを打ち込みます。一方のセバスチャン・ズビックは左ジャブで突き放しながら右ストレートで応戦。序盤を観る限り、アマチュア出身の全勝ボクサー、セバスチャン・ズビックが、ドメニコ・スパダの強引とも言える突進に手を焼いている感じです。
「スパダが力いっぱいパンチを打ち込むので、ズビックが相当警戒しているよ。もしスパダにパンチ力がなければ、ズビックが攻撃に出て一気にペースを握れそうだけど、この調子だと最後までもつれるかも」と予想外の接戦に驚く管理人。試合前は「ズビックがスパダの突進をいなしながらカウンターを打ち込む展開になるんだろうなあ」と予想していたのですが、ドメニコ・スパダが上半身を振りながら飛び込んでくるので、セバスチャン・ズビックが的を絞れない状態です。
試合中盤もセバスチャン・ズビックがカウンターでドメニコ・スパダの突進を止めようとするのですが、ドメニコ・スパダが前へ出続けてコツコツとパンチを当て、7ラウンド終了間際には、ドメニコ・スパダの右フックがセバスチャン・ズビックの顔面にクリーンヒット!セバスチャン・ズビックはスタミナが切れてきたのか、手数が少ないですね。
「このままスパダのペースで進むかな?」と思い始めた8ラウンド終了間際、セバスチャン・ズビックが飛び込んできたドメニコ・スパダのワンツーに合わせて、右ストレートのカウンターを打ち込みます。このパンチが見事、ドメニコ・スパダのアゴに直撃!ドメニコ・スパダの腰が一瞬落ちるほどの威力で、この試合一番のクリーンヒットです。
9ラウンドに入ると、気をよくしたのか、セバスチャン・ズビックがラウンド開始直後から左ジャブ、右ストレートを打ち込み、ドメニコ・スパダの突進を止めます。8ラウンドのパンチのダメージがあるのか、スタミナが切れてきたのか、これまで接近戦で勝負していたドメニコ・スパダがなかなか懐へ飛び込めなくなってきました。
「試合の流れが変わるかな?」と思い始めた管理人ですが、10ラウンドに入ると、疲れたのか、セバスチャン・ズビックの手数が減り、再びドメニコ・スパダが得意の接近戦で勝負するようになります。ドメニコ・スパダはパンチに力が残っていますが、セバスチャン・ズビックはバテバテで苦しい展開になってきました。
試合終盤はお互いにスタミナが切れた状態で12ラウンド戦い抜くのがやっとの状態。常に前へ出てコツコツとパンチを打ち続けたドメニコ・スパダか、手数は少ないもののカウンターのクリーンヒットを奪ったセバスチャン・ズビックか、勝敗は3人のジャッジに委ねられます。
結果は3人のジャッジすべてが115-114で地元ドイツのセバスチャン・ズビックを支持。セバスチャン・ズビックがドメニコ・スパダに僅差の判定勝ちを収め、WBC暫定世界ミドル級タイトルを獲得しました。採点結果を聞いた瞬間、「え!それはないよ」と思わず言っちゃいました。うーん、ドメニコ・スパダにとっては気の毒な判定になってしまいましたね。
勝ったセバスチャン・ズビックですが、この試合の内容を考えると、いずれ統一戦を行うことになる正チャンピオンのケリー・パブリックに勝つ可能性は限りなくゼロに近そうです。もしかすると、体調が悪かったのかもしれませんが、パンチ力、手数、スタミナのすべてが不足し、体に力を感じませんでした。個人的にはケリー・パブリックと戦う前にもう一度ドメニコ・スパダと対戦してほしいですね。
試合結果
試合結果 | セバスチャン・ズビックが12ラウンド判定勝ちで初の世界タイトル奪取に成功。管理人の採点は117-111でドメニコ・スパダの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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