WBA・WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ
WBA・WBC世界スーパー フライ級チャンピオン |
ビック・ダルチニャン(アルメニア) 戦績:35戦32勝26KO2敗1分 |
WBC暫定世界スーパー フライ級チャンピオン |
トマス・ロハス(メキシコ) 戦績:44戦32勝22KO11敗1分 |
試合内容
WBA・WBC世界スーパーフライ級チャンピオンのビック・ダルチニャンと、WBC暫定世界スーパーフライ級チャンピオンのトマス・ロハスが王座統一をかけて拳を交えます。ビック・ダルチニャンもトマス・ロハスもサウスポーですが、ビック・ダルチニャンはパワー重視、トマス・ロハスはテクニック重視のボクシングで、スタイルが違うチャンピオン同士の対決。どちらのボクシングが相手を上回るでしょうか?
1ラウンド開始直後、まず仕掛けたのは、暫定チャンピオンのトマス・ロハス。背が高く、リーチの長いトマス・ロハスは、右ジャブを突きながら、打ちおろしの左ストレートを積極的に狙います。開始30秒には、ビック・ダルチニャンの右ジャブに合わせて、カウンターの左ストレートを打ち込むなど「序盤の主導権を取りたい」というトマス・ロハスの気迫が伝わってきますね。
「お、予想外の立ち上がり。ロハスが積極的に出て、かなりパンチを打ち込んでいるよ。ダルチニャン相手に勇敢な作戦だなあ」と暫定チャンピオンの積極性に拍手を送る管理人。試合前は「序盤はロハスが距離を取って様子をみるだろうなあ」と予想していただけに、驚きの展開ですね。
2ラウンドに入ると、ビック・ダルチニャンが少しずつパンチを強く打ち、トマス・ロハスにプレッシャーをかけますが、トマス・ロハスもパンチを強く打ちこんで反撃。ビック・ダルチニャンの攻撃を止めるため、トマス・ロハスはいつも以上に力を入れてパンチを打っているようです。パンチの交換が多く、緊張感のある展開ですね。
2分すぎには、体ごと前へ出てくるビック・ダルチニャンに対して、トマス・ロハスが右フックを合わせます。「ロハスは序盤を上手く戦えれば、ダルチニャンがスタミナ切れになって、ペースを握れるんじゃないかな」と思い始めた2ラウンド終了間際。突如、「レイジングブル (怒れる猛牛)」が目を覚まします。
残り15秒、ビック・ダルチニャンがトマス・ロハスをロープへ詰め、強烈な左フック。ロープワークで、直撃を避けたトマス・ロハスは、右へダッキングしてカウンターの左ストレートを狙おうとしましたが、ビック・ダルチニャンの全体重をのせた左ストレートがダッキングしたトマス・ロハスのアゴを先に打ち抜き勝負あり。
軽量級屈指の強打を誇るビック・ダルチニャンのベストショットをもらってしまったトマス・ロハスは、そのまま後ろへ倒れ込み、立ち上がることができませんでした。ビック・ダルチニャンが2ラウンド衝撃のKO勝ちでトマス・ロハスを下し、WBCタイトルを統一するとともに、WBAタイトルの防衛に成功しました。
ものすごい結末でしたね。ビック・ダルチニャンがトマス・ロハスをKOするまでは、トマス・ロハスのペースで試合が進み、3階級制覇失敗に終わったジョセフ・アグベコ戦と同じような展開でしたが、一発で勝負が決まっちゃいました。改めてビック・ダルチニャンのパワーを思い知らされた試合でした。
試合結果
試合結果 | ビック・ダルチニャンが2ラウンドKO勝ちでWBCタイトルの王座統一とWBAタイトルの防衛に成功。 |