WBA世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン | デンカオセーン・カオウィチット(タイ) 戦績:50戦48勝20KO1敗1分 |
挑戦者 | 亀田大毅(日本) 戦績:17戦15勝11KO2敗 |
試合内容
亀田大毅選手が再びWBA世界フライ級チャンピオンのデンカオセーンに挑戦する因縁の再戦です。2009年10月に行われた初対決では、きわどい判定でチャンピオンのデンカオセーンが防衛に成功。3度目の世界挑戦となる亀田大毅選手は、世界タイトルを奪取して、WBC世界フライ級チャンピオンの兄、亀田興毅選手に肩を並べることができるでしょうか?亀田大毅選手が勝てば、日本人ボクサーとして初の兄弟世界チャンピオン誕生です。
試合は1ラウンドから亀田大毅選手、デンカオセーンが足を止めて打ち合う激しい打撃戦。お互い、ボディーブローを交えながら、亀田大毅選手は左フック、デンカオセーンは右ストレートを狙っているようです。亀田大毅選手もデンカオセーンも「主導権は渡さないぞ」という気迫を感じる立ち上がりですね。
序盤、管理人が驚いたのは、亀田大毅選手のリードパンチ。いきなりの右ストレートや左ジャブをリードパンチに使いながら、デンカオセーンの出鼻をくじいています。「亀田選手の左ジャブがめちゃめちゃ効果的だよ。左ジャブで自分のリズムを作りながら、相手のリズムを崩したいよ。後半勝負になりそうなんで、気負わずリラックスして戦おう」と手に汗握る管理人。
前回はデンカオセーンの老獪なボクシングの前に、接戦で敗れた亀田大毅選手ですが、今回は左ジャブ、右ストレートをリードパンチにして、ポイントを奪いに行っています。もともと破壊力のある左フックを持っている亀田大毅選手。これまでは左フックに頼りすぎ、相手にパンチを読まれてしまう傾向がありましたが、この試合は得意の左フックを打ち込むため、右ストレートをリードパンチにしたり、左ジャブを連打したりと工夫をこらしていますね。
「このペースで進めば、後半勝負に持ち込んでタイトル取れるんじゃない?」と思い始めた6ラウンド、デンカオセーンがホールディングで1点減点。試合の流れが少しずつ亀田大毅選手に傾いてきました。さらに、11ラウンドにも、チャンピオンのデンカオセーンがホールディングで1点減点。合計2点の減点は、判定に大きな影響を与えるだけでなく、亀田大毅選手に心理的な余裕を与えそうです。
後半は、亀田大毅選手、デンカオセーンのどちらも接近戦で顔面、ボディーへパンチを打ち分ける壮絶な乱打戦。「下がったほうが負け」と言わんばかり、どちらも一歩も引かない我慢比べとなり、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は、3人のジャッジすべてが亀田大毅選手を支持し、亀田大毅選手が3度目の世界タイトル挑戦で悲願の世界チャンピオンベルトを獲得。日本ボクシング史上初の兄弟世界チャンピオンが誕生しました。
亀田大毅選手、素晴らしい戦術でした。特に、左ジャブと右ストレートのリードパンチが有効でしたね。管理人が考える試合のターニングポイントは9ラウンドです。6ラウンドの減点を取り戻そうと勝負に出たデンカオセーンに対して、亀田大毅選手は足を止めて真っ向から打ち合い、インサイドから左右のフックを連打して、デンカオセーンに打ち勝ちました。勝負に出たデンカオセーンは「こんなはずじゃないのに」と思ったでしょうね。
亀田大毅選手は、兄の亀田興毅選手に比べて体が大きいので、その分、減量も苦しいはずです。デンカオセーンのボディー攻撃も相当苦しかったと思います。しかし、12ラウンドを通して、デンカオセーンより手数が多く、動いていました。今回の試合のように、1ラウンド1ラウンドを大切に戦い、左ジャブ、右ストレートをリードパンチに使って、得意の左フックを顔面、ボディーへ打ち分けるボクシングができれば、防衛をドンドン積み重ねていけるのではないでしょうか?
右ストレートのリードパンチはサウスポーにも有効ですし、左ジャブを使ったボクシングができれば、必要以上に力むこともなさそうですね。精神面だけでなく、技術面でも大きな進歩を見せてくれた亀田大毅選手。まだ21歳と若く、伸びしろがたくさんあるので、防衛を重ねながら、ますます強くなって行くのではないでしょうか?亀田大毅選手の左ジャブには本当に驚かされたなあ。さらに磨きをかけてほしいですね。
試合結果
試合結果 | 亀田大毅選手が12ラウンド判定勝ちで悲願の世界タイトル奪取し、日本人ボクサーとして初の兄弟世界チャンピオンが誕生。 【公式ジャッジの採点結果】
|