WBC世界フライ級王座統一戦
チャンピオン | 亀田興毅選手(日本・亀田ジム) 戦績:22戦全勝14KO |
暫定チャンピオン | ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ) 戦績:77戦74勝39KO3敗1分 |
試合内容
2009年11月、内藤大助選手に判定勝ちを収め、2階級制覇を達成したWBC世界フライ級チャンピオンの亀田興毅選手。暫定チャンピオンのポンサクレック・ウォンジョンカムを迎えて初防衛戦を行います。チャンピオン対決を制し、ベルトを統一するボクサーはスピードの亀田興毅選手でしょうか?それとも経験のポンサクレック・ウォンジョンカムでしょうか?
日本中のボクシングファンが注目する王座統一戦は、静かな立ち上がりで始まります。ガードを固めて距離を取りながら様子を見る亀田興毅選手に対して、ポンサクレック・ウォンジョンカムは右ジャブから左ストレートを突いて、距離を確認しながら戦っているようです。ラウンド中盤には、ポンサクレック・ウォンジョンカムの右フックが亀田興毅選手の顔面をとらえるなど、手数はポンサクレック・ウォンジョンカムのほうが多いですね。
2ラウンドに入ると、亀田興毅選手が積極的に右ジャブを突いて反撃を試みます。しかし、ポンサクレック・ウォンジョンカムは強烈な右フックから左ストレートのコンビネーションでクリーンヒットを奪うなど主導権を渡しません。ポンサクレック・ウォンジョンカムは右ジャブだけでなく、左ストレートをリードパンチに使って変化をつけながら戦っていますね。
さらに勢いづくポンサクレック・ウォンジョンカムは、3ラウンドに入ると、右ジャブ、右フック、左ストレートに加えて、右アッパーを打ち始めます。亀田興毅選手はポンサクレック・ウォンジョンカムのパンチの軌道に混乱しているようで、反撃することができません。ポンサクレック・ウォンジョンカムは右ジャブで亀田興毅選手の出足を止め、上下に左ストレートを打ち分けています。
ポンサクレック・ウォンジョンカム優勢で迎えた5ラウンド、亀田興毅選手が偶然のバッティングで右まぶたを大きくカットするハプニングが発生。傷が深く、ストップの可能性があるため、4ラウンド終了後の公開採点で劣勢だった亀田興毅選手としては反撃に出てポイントを奪い返したいところです。
その後は、亀田興毅選手も右フックを中心に反撃しますが、ポンサクレック・ウォンジョンカムの多彩なパンチが亀田興毅選手の出鼻をくじき、主導権を奪うことができず、12ラウンド終了。勝敗は3人のジャッジに委ねられ、ポンサクレック・ウォンジョンカムが2-0の判定で亀田興毅選手を下し、タイトル統一に成功しました。
ポンサクレック・ウォンジョンカムの手数が亀田興毅選手のスピードを上回った試合でしたね。亀田陣営としては立ち上がりの4ラウンドでポンサクレック・ウォンジョンカムを下がらせる展開に持って行きたかったと思うのですが、ポンサクレック・ウォンジョンカムの手数と多彩なパンチの前に、主導権を奪われてしまいました。
スピードで上回る亀田興毅選手ですが、あれだけ後退させられてしまうと、持ち味のスピードが半減してしまいます。結果として、後退する亀田興毅選手と、前進を続けるポンサクレック・ウォンジョンカムに決定的なスピード差は生まれず、手数で上回るポンサクレック・ウォンジョンカムに押し切られてしまう形になっちゃいました。
王座を統一したポンサクレック・ウォンジョンカムは、敵地ということもあり、前半から勝負を仕掛け、9ラウンド以降、スタミナが落ちてきたところで、アウトボクシングに切り替えるなど、ベテランらしいボクシングでタイトル統一に成功しましたね。
個人的には「WBOチャンピオンのオマール・ナルバエスと統一戦をしてほしいなあ」という希望がありますが、亀田興毅選手の弟でWBAチャンピオンの亀田大毅選手、元チャンピオンで実現すれば5度目の決戦となる内藤大助選手との対決も興味深いですね。
おしまいに、プロ初黒星を喫した亀田興毅選手ですが、まだ23歳と若く、黒星を糧に再び世界の頂点に返り咲いてほしいです。プロ初黒星で雑音(亀田兄弟の場合は外野だけでなく内野からの雑音もあるので大変)がたくさん聞こえてくるかもしれませんが、今は体をゆっくり休めて、力を蓄えることに専念してほしいですね。フライ級やスーパーフライ級はサウスポーのトップ選手が多いので、今後はサウスポー対策がカギになるかもしれませんね。
試合結果
試合結果 | ポンサクレック・ウォンジョンカムが2-0の判定勝ちでタイトル統一に成功。亀田興毅選手はプロ初黒星で王座陥落。管理人の採点は116-111でポンサクレック・ウォンジョンカムの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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