WBCインターナショナル・スーパーウェルター級王座決定戦
元WBA世界 ウェルター級チャンピオン |
アントニオ・マルガリート(メキシコ) 戦績:44戦37勝27KO6敗1無効試合 |
アメリカ同級 | ロベルト・ガルシア(メキシコ) 戦績:31戦28勝21KO2敗1無効試合 |
試合内容
メキシコを代表する人気ボクサー、アントニオ・マルガリートが1年4か月ぶりにリングに戻ってきました。2009年1月、シェーン・モズリーにまさかのTKO負けを喫し、王座陥落したアントニオ・マルガリート。タフなロベルト・ガルシア相手に、再起戦でどんな戦いをみせてくれるでしょうか?
試合は1ラウンドからアントニオ・マルガリートのペースで進みます。懐に入って戦いたいロベルト・ガルシアに対して、アントニオ・マルガリートは力強い左ジャブを連打してロベルト・ガルシアを突き放し、1ラウンド中盤には得意の打ち下ろしの右ストレートをロベルト・ガルシアのアゴに叩き込み、ダウンを奪います。
本来、スロースターターのアントニオ・マルガリートですが、会場を埋め尽くしたファンの大歓声を背に気合い入りまくりですね。この試合は1ラウンドから積極的にパンチを打ち込みに行っています。「再起戦をKO勝ちで飾りたい」という意気込みが感じられる戦いぶりです。得意の右ストレート、左右のフック、左のボディーアッパーがよく決まっていますね。
一方のロベルト・ガルシアも1ラウンドにダウンこそ奪われましたが、アントニオ・マルガリートのパンチをもらいながらも前へ出続けて反撃を試みています。ロベルト・ガルシアは器用なタイプではないようですが、アントニオ・マルガリートに負けず劣らずタフなファイターですね。
「ガルシア、めちゃめちゃタフだよ。さすがのマルガリートもラウンドが進むにつれて手を焼くかもしれないなあ」というのが序盤を観た管理人の感想です。1ラウンドにアントニオ・マルガリートがダウンを奪ったときは「マルガリートが早いラウンドでガルシアを仕留めるかな?」と思ったのですが、ロベルト・ガルシアはアントニオ・マルガリート相手に全く「名前負け」していないですね。自分からプレッシャーをかけ始めています。
試合中盤は、アントニオ・マルガリートが前へ出てくるロベルト・ガルシアにパンチを入れるのですが、そのまま懐へ入られて接近戦でパンチを交換する展開が続きます。ロベルト・ガルシアがパンチをもらっても、もらっても前進してくるので、アントニオ・マルガリートはかなり戦いづらそうです。
その後はアントニオ・マルガリート、ロベルト・ガルシアのどちらも決定打を打ち込むことができず、試合終盤はアントニオ・マルガリートが珍しくアウトボクシングをして12ラウンド終了。採点の結果、アントニオ・マルガリートがロベルト・ガルシアを3-0の大差の判定で下し、1年4か月ぶりの再起戦に勝利しました。
久しぶりの試合でしたが、試合を通してアントニオ・マルガリートらしさが随所に出た試合でしたね。ただ、無名ながらロベルト・ガルシアがタフで勇敢なファイターだったため、アントニオ・マルガリートとしては、ポイント差ほど余裕を感じることができない再起戦になってしまいました。最後はロベルト・ガルシアの勇敢な戦いぶりに共感を覚えたボクシングファンも多いのではないでしょうか?
とはいえ、隠れた実力者のロベルト・ガルシアに大差の判定勝ちを収めるところは、さすがアントニオ・マルガリート。アントニオ・マルガリートの復帰で、混迷極まる中量級がますますおもしろくなりそうです。アントニオ・マルガリート、ロベルト・ガルシアのどちらにも大きな拍手を送りたい試合でした。
試合結果
試合結果 | アントニオ・マルガリートが10ラウンド3-0の判定勝ちでタイトル奪取に成功。1年4か月ぶりの再起戦を勝利で飾りました。 【公式ジャッジの採点結果】
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