WBA世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | アンセルモ・モレノ(パナマ) 戦績:31戦29勝10KO1敗1分 |
挑戦者 | ネオマール・セルメニョ(ベネズエラ) 戦績:20戦19勝11KO1敗 |
試合内容
技巧派サウスポー王者、アンセルモ・モレノが、攻防兼備の挑戦者ネオマール・セルメニョを迎えて7度目の防衛戦を行います。アンセルモ・モレノとネオマール・セルメニョは2010年3月に王座統一戦を行い、僅差の判定でアンセルモ・モレノがタイトルを統一。ネオマール・セルメニョのローブローによる減点1ポイントが勝敗を分ける本当にきわどい内容でした。
アンセルモ・モレノもネオマール・セルメニョも「相手のパンチをもらわず、自分のパンチを当てる」攻防兼備のボクサーなので、今回の再戦も接戦になりそうです。チャンピオンのアンセルモ・モレノが直接の再戦を制してタイトルを死守するのか?ネオマール・セルメニョがリベンジに成功してタイトルを奪取するのか?ボクシングファンが注目するテクニシャン同士の再戦です。
試合は、お互いがお互いの良さを消し合うテクニック合戦で始まります。前へ出ながら上下にパンチを散らす挑戦者のネオマール・セルメニョに対して、チャンピオンのアンセルモ・モレノは重心を後ろに置いたサウスポー構えから得意の左ストレート、右フックをカウンターで打ち込んでいます。
「モレノもセルメニョもディフェンスが上手いなあ。どっちも伸びるパンチを持っているけど、クリーンヒットが無いよ」とお互いのテクニックにうなってしまう管理人。前回の王座統一戦と同じように、今回の再戦もクリーンヒットが少ない技術戦が展開されています。
前回は、ネオマール・セルメニョのホーム、ベネズエラで行われましたが、今回の再戦はアンセルモ・モレノのホーム、パナマで行われています。その影響もあるのか、挑戦者のネオマール・セルメニョのほうが積極的にプレッシャーをかけて、アンセルモ・モレノのボディーを集中的に攻撃しています。
「モレノはボディーが効いてるんじゃないかな?セルメニョは勝負したいところだよ」と思い始めた5ラウンド、ネオマール・セルメニョがプレッシャーを強めて勝負に出ますが、アンセルモ・モレノはネオマール・セルメニョのボディーブローに合わせてカウンターの左アッパーを打ち込み、簡単に主導権を渡しません。
試合後半はアンセルモ・モレノ、ネオマール・セルメニョのどちらもボディーブローを中心に攻撃を組み立て、相手のフットワークを止めようとします。どちらもボディーが効いている状態で戦っていますが、ディフェンスが上手いので、連打を許さないところはさすがです。
試合終盤はまさに死闘で、ポイントを奪うため、ネオマール・セルメニョは積極的に前へ出てパンチを集めようとします。一方、アンセルモ・モレノもネオマール・セルメニョのパンチをフットワークでかわし、カウンターで反撃。どちらもスタミナ、ダメージで苦しい中、持ち味を生かして戦っていますね。
試合はきわどいラウンドが続き、どちらも決定打を打ち込めないまま12ラウンド終了。結果は3人のジャッジに委ねられ、2人がアンセルモ・モレノ、1人がネオマール・セルメニョを支持。きわどい判定の結果、アンセルモ・モレノがネオマール・セルメニョに12ラウンド判定勝ちを収め、7度目のタイトル防衛に成功しました。
いやー、今回の再戦もめちゃめちゃきわどい接戦でしたね。戦っているアンセルモ・モレノとネオマール・セルメニョはどちらも「自分が勝った」と思ったのではないでしょうか?それくらい接戦で、どちらが勝ってもおかしくない内容だったと思います。「テクニシャン対決は本当にジャッジ泣かせだよ」と改めて思った試合でした。「第3戦あるかも」と思ったボクシングファンは管理人だけでしょうか?
試合結果
試合結果 | アンセルモ・モレノが12ラウンド2-1の僅差の判定勝ちで再戦(リマッチ)に勝利。7度目の防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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