IBF世界スーパーミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ルシアン・ビュテ(ルーマニア) 戦績:29戦全勝24KO |
挑戦者 | グレン・ジョンソン(ジャマイカ) 戦績:68戦51勝35KO15敗2分 |
ルシアン・ビュテ対グレン・ジョンソンの試合内容
サウスポースタイルから放たれる抜群の強打で全勝の快進撃を続けるルシアン・ビュテがライトヘビー級で頂点に輝いた42歳のグレン・ジョンソンを迎えて9度目の防衛戦を行います。主戦場のカナダで絶大な人気を誇るルシアン・ビュテが大ベテランのグレン・ジョンソンを相手にどんなボクシングをみせてくれるのか楽しみですね。
試合は、ガードをガッチリと固めて左ジャブを突きながら前進を試みる挑戦者のグレン・ジョンソンに対して、チャンピオンのルシアン・ビュテがフットワークとボディーワークを使ってグレン・ジョンソンのパンチをかわしながら得意の左アッパー、左ストレートのカウンターを狙う展開で始まります。
「ビュテもジョンソンもいつも通りの立ち上がりだね。ジョンソンは後半勝負を狙っていると思うんだけど、ビュテはどんな作戦に出るかな?ジョンソンのボクシングは誰と戦っても変わらないはずなんで、ビュテのボクシングが試合の行方を左右しそうだぞ」とルシアン・ビュテのボクシングに注目する管理人。
前半は相手の動きを観察して、後半勝負に出ることが多いルシアン・ビュテですが、この試合は立ち上がりから積極的にパンチを打ち込んでいますね。ルシアン・ビュテは、驚異的なタフネスとスタミナを誇るグレン・ジョンソンを勢いに乗せると厄介なことを感じているのでしょう。グレン・ジョンソンを前に出させないよう、パンチを打って前進を止めています。
「グレン・ジョンソンが思ったより前に出られないな。百戦錬磨のグレン・ジョンソンがビュテのプレッシャーをめちゃめちゃ感じているよ。ビュテの圧力はすごいんだな」と両者のボクシングに注目する管理人。ルシアン・ビュテは力強いパンチを連打することで、グレン・ジョンソンの持ち味である強烈な突進を完全に消し去っています。
「ビュテはパンチを当てるのが本当に上手いな。ジョンソンが防戦一方だもん」と改めてルシアン・ビュテのテクニックに感心する管理人。グレン・ジョンソンがスーパーシックスの準決勝でカール・フロッチと対戦したときは、持ち味を発揮して打ち合いに持ち込む場面がありましたが、この試合は、ルシアン・ビュテが完全に距離を支配し、グレン・ジョンソンに反撃のチャンスを与えません。
中盤以降は、ルシアン・ビュテが左ストレートをリードパンチに使って連打したり、右フックを多用したり、多彩なボクシングを披露してグレン・ジョンソンを完全にシャットアウト。タフなグレン・ジョンソンを打ち倒すことはできませんでしたが、手数で圧倒するボクシングで主導権を握り続け、12ラウンド終了のゴングを迎えます。
結果は3人のジャッジすべてがルシアン・ビュテを支持。全勝チャンピオンのルシアン・ビュテが大ベテランのグレン・ジョンソンに12ラウンド大差の判定勝ちを収め、9度目の防衛に成功しました。
ルシアン・ビュテのテクニックがグレン・ジョンソンの馬力を完全に封じ込めた試合でしたね。試合前は「ジョンソンがビュテを乱打戦に持ち込む可能性もあるよ」と思っていたのですが、蓋を開けてみれば、ルシアン・ビュテがテクニックだけでなく、パワーでもグレン・ジョンソンを上回った内容でした。
管理人は、グレン・ジョンソンがガードを離すことができず、防戦一方で打たれ続ける姿を初めて見ました。ルシアン・ビュテのパンチとプレッシャーが強烈で、攻撃に出ることができなかったんですね。ボクシングの相性もあると思いますが、ルシアン・ビュテの良さが際立った試合でしたね。
大ベテランのグレン・ジョンソンに完勝したルシアン・ビュテですが、管理人はスーパーシックスに出場したボクサーと戦って初めてルシアン・ビュテの真価を問うことができると思います。スーパーシックスに出場したボクサーは個性的な特徴を持つ強豪揃いで、ルシアン・ビュテがこれまで戦ってきた挑戦者より強いことは間違いないでしょう。
スーパーシックスに参加することなく、主戦場のカナダを中心に防衛戦を続けてきたルシアン・ビュテ。2012年は世界中のボクシングファンが期待するビッグマッチを実現させ、真の実力を証明できるでしょうか?全勝の快進撃を続けるルシアン・ビュテに今後も注目ですね。
ルシアン・ビュテ対グレン・ジョンソンの試合結果
試合結果 | ルシアン・ビュテが3-0の大差の判定勝ちで9度目の防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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