WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
チャンピオン | 井岡一翔(日本) 戦績:7戦全勝5KO |
挑戦者 | ファン・エルナンデス(メキシコ) 戦績:19戦18勝13KO1敗 |
井岡一翔選手とファン・エルナンデスの試合内容
プロ7戦目で世界タイトルを獲得したスーパースター候補の井岡一翔(いおか・かずと)選手が世界ランキング1位のファン・エルナンデスを迎えて初防衛戦を行います。日本ボクシング界に革命を起こす可能性を秘めた若き世界チャンピオンはプレッシャーに打ち勝ち、初防衛に成功することができるでしょうか?
試合はお互いが鋭い左ジャブを突きながら積極的にパンチを打ち込む展開で始まります。井岡一翔選手もファン・エルナンデスも体がよく動いていますね。立ち上がりを観る限り、どちらも調子が良さそうです。
「エルナンデスのプレッシャーが予想以上に強いな。井岡選手は主導権を渡さないためにもパンチを打ってエルナンデスの前進を止めたいよ」と試合の行方を見守る管理人。1ラウンド中盤には、ファン・エルナンデスがサウスポーにスイッチして井岡一翔選手のリズムを崩しにかかります。
しかし、2ラウンドに入ると、これまで距離を取って相手の戦力を分析していた井岡一翔選手が自分から前へ出て先手先手でパンチを打ち込みます。井岡一翔選手は右ストレートを上下に散らしながら、ファン・エルナンデスにプレッシャーをかけています。
4ラウンド開始直後には、井岡一翔選手がコンパクトな右ストレートをファン・エルナンデスの顔面へ叩き込み、ファン・エルナンデスをロープへ追い詰めます。しかし、ファン・エルナンデスも強烈な左フックを井岡一翔選手の顔面へ打ち込んで反撃。一進一退の激しい主導権争いが続きます。
「エルナンデスの左フックがめちゃめちゃ強烈だな。オーソドックス(右構え)で戦うことが多いけど、もしかすると左利きのボクサーかも」とファン・エルナンデスのパンチに注目する管理人。4ラウンド終了後に発表された公開採点は3人のジャッジすべてが井岡一翔選手を支持し、井岡一翔選手がポイントをリードした状況で中盤に突入します。
6ラウンドに入ると、挑戦者のファン・エルナンデスが井岡一翔選手のボディーブローを嫌がり、距離を取って戦うシーンが目立つようになります。一方、チャンピオンの井岡一翔選手は左ジャブを突きながら距離を詰め、プレッシャーをかけ続けます。井岡一翔選手が少しずつ試合の主導権を握り始めましたね。
7ラウンド中盤には、井岡一翔選手がファン・エルナンデスをロープへ追い詰め、強烈な左ボディーブロー、右フックのコンビネーションをファン・エルナンデスに叩き込みます。井岡一翔選手の攻撃で鼻血を出してしまったファン・エルナンデスは呼吸が苦しそうですね。
8ラウンドに入ると、井岡一翔選手が攻撃姿勢を強め、積極的に右ストレートと左ボディーブローを打ち始めます。疲れとダメージの影響があるのか、ファン・エルナンデスは井岡一翔選手のパンチをまともにもらってしまう場面が増えています。
8ラウンド終了後の公開採点の結果も3人のジャッジすべてが井岡一翔選手を支持。ファン・エルナンデスが勝つためには逆転KOしかありません。9ラウンドに入ると、ファン・エルナンデスが勝負をかけて前へ出ますが、井岡一翔選手が強烈な左ボディーブローを中心に試合を組み立て、主導権を渡しません。
10ラウンドこそ、ファン・エルナンデスの反撃を許した井岡一翔選手ですが、11ラウンドは強烈なボディー攻撃でダウン寸前まで追い込み、完全に試合の主導権を握ります。試合はこのまま井岡一翔選手のペースで進み、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
結果は3人のジャッジすべてが井岡一翔選手を支持。前回の試合で日本人ボクサーの世界タイトル獲得最短記録を樹立した井岡一翔選手がランキング1位のファン・エルナンデスに圧勝し、初防衛戦に成功しました。
井岡一翔選手がスピード、パンチの的確さ、ディフェンス技術のすべてでファン・エルナンデスを上回った試合でしたね。井岡一翔選手だからこそ圧勝に終わりましたが、並のボクサーならファン・エルナンデスのボクシングに巻き込まれてもおかしくない展開だったと思います。
まだ22歳と若い井岡一翔選手ですが、西岡利晃選手に次ぐ試合運びの上手さ、冷静さを兼ね備えていますね。右ストレートを打つ時に左のガードが下がってしまう癖がありますが、ディフェンス技術(ガードとブロッキングの上手さ)は日本人ボクサーの中でトップクラスではないでしょうか?
攻防兼備の井岡一翔選手は、スピードで圧倒されない限り、どんな相手にも対応できる「幅の広さ」があります。日本ボクシング界に革命を起こすことができる唯一無二の若き世界チャンピオン。これからも井岡一翔選手が描く無限の可能性を秘めたボクシングを楽しみたいですね。
井岡一翔選手とファン・エルナンデスの試合結果
試合結果 | 井岡一翔選手が12ラウンド3-0の判定勝ちで世界タイトルの初防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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