WBA世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 亀田興毅(日本) 戦績:25戦24勝15KO1敗 |
挑戦者 | ダニエル・ディアス(ニカラグア) 戦績:20戦18勝13KO2敗 |
亀田興毅選手とダニエル・ディアスの試合内容
日本人ボクサーとして初の3階級制覇を成し遂げたサウスポーの亀田興毅(かめだ・こうき)選手がニカラグア出身のダニエル・ディアスを地元の大阪に迎えてWBA世界バンタム級タイトルの初防衛戦を行います。群雄割拠のバンタム級戦線で世界タイトルを保持する亀田興毅選手にとって、存在感をアピールするための大切な試合ですね。
2010年12月、3階級制覇をかけてアレクサンデル・ムニョスと戦った王座決定戦で、コンパクトな上下の打ち分けを披露し、ファイターのアレクサンデル・ムニョスを見事に封じ込めた亀田興毅選手。今回もコンパクトな連打と出入りのスピードを生かし、ダニエル・ディアスのボクシングを封じ込めることができるでしょうか?日本中のボクシングファンが注目する初防衛戦です。
試合は亀田興毅選手、ダニエル・ディアスのどちらもガードを高く構え、相手の様子を観察する展開で始まります。左ジャブを軽く突きながら右ストレートを狙うダニエル・ディアス対して、亀田興毅選手は左ストレートをリードパンチに使いながら飛び込んで左右のフックを狙っているようです。
「スピードは亀田選手が圧倒してるね。ディアスのアッパーに注意しながら、この調子で飛び込んでボディーを狙いたいよ」と試合の行方を見守る管理人。ダニエル・ディアスは減量が苦しかったのか、亀田興毅選手のボディーブローを相当嫌がっていますね。
管理人は初めてダニエル・ディアスの試合を観ますが、それほど器用なタイプではないようです。亀田興毅選手はスピードを生かしながら、コンパクトなコンビネーションを打ち込んで、このまま主導権を握りたいですね。
3ラウンドに入ると、挑戦者のダニエル・ディアスが主導権を奪い返すため、開始直後から左右のフックを振りまわしながら勝負に出ます。この猛攻に対して、亀田興毅選手は左右に回り込みながら左ストレート、左フックをボディーに集めて応戦。終了間際には、亀田興毅選手の左ストレートがダニエル・ディアスの顔面を打ち抜き、ダニエル・ディアスが一瞬「フラフラ状態」になります。
このパンチで気を良くしたのか、4ラウンドに入ると、亀田興毅選手は一発一発に力を込めて打ち込むようになり、ボディーから顔面へ標的を切り替え、KOを狙いに行きます。一方、挑戦者のダニエル・ディアスは手数を増やして応戦。一進一退の打ち合いになっていますね。
亀田興毅選手やや優勢の攻防が続き、迎えた7ラウンド序盤。ダニエル・ディアスが亀田興毅選手に右アッパーを叩き込むと、そのまま左右のフックを連打して追撃します。ガードを固めてダニエル・ディアスの攻撃に耐える亀田興毅選手は、ダニエル・ディアスの右フックに合わせて、強烈な左フックのカウンターを打ち込んで反撃。どちらも口が開き、肩で呼吸をする苦しい打撃戦が続きます。
8ラウンドに入ると、最後の力を振り絞って前へ出てくるダニエル・ディアスに対して、亀田興毅選手が下がりながら距離を保ち、ラウンド終盤、懐へ飛び込み、ダニエル・ディアスのテンプルを狙って左フックを一閃。足がそろったダニエル・ディアスはそのまま後ろへ尻もちをつき、亀田興毅選手がダウンを奪います。
9ラウンドに入ると、亀田興毅選手が徹底的にボディーを狙うボクシングを貫きます。ラウンド終了間際には、亀田興毅選手がダニエル・ディアスに強烈な左のボディーブローを叩き込むと、完全にダニエル・ディアスが失速。悲願の世界タイトル挑戦へ執念を燃やすダニエル・ディアスは亀田興毅選手の攻撃に何とか耐えていますが、めちゃめちゃ効いていますね。
10ラウンド、11ラウンドは亀田興毅選手がパンチを上下に打ち分け、ダニエル・ディアスが防戦一方になるほどのパンチを浴びせ、あと一歩のところまで追い詰めます。すると、11ラウンド終了後、ダニエル・ディアスのダメージを確認したレフェリーがストップ。亀田興毅選手がダニエル・ディアスにTKO勝ちを収め、世界タイトルの初防衛に成功しました。
亀田興毅選手が上下にパンチを打ち分けてダニエル・ディアスを仕留めた試合でしたね。特に序盤から激しい打撃戦を続け、体力的に苦しい10ラウンド、11ラウンドにあれだけパンチを集められるスタミナは本当に素晴らしいと思います。濃密な練習を積んできた証拠ですね。
亀田興毅選手はバンタム級ボクサーとして、決してパンチがあるわけでも、打たれ強いわけでもありません。しかし、12ラウンド動き回ってパンチを出し続けられるスタミナがあります。今後もフットワークを生かして常に頭の位置を変えながら、連打で相手を圧倒するボクシングに磨きをかけてほしいと思います。
バンタム級は軽量級最強の倒し屋、ノニト・ドネアを頂点にアブネル・マレス、ビック・ダルチニャン、ジョセフ・アグベコ、フェルナンド・モンティエル、ヨニー・ペレス、アンセルモ・モレノ、ネオマール・セルメニョなど特筆すべき特徴を持ったボクサーがしのぎを削る激戦区です。
亀田興毅選手はまだ24歳と若いので、これから防衛を重ねながら力をつけて、将来はノニト・ドネアやビック・ダルチニャン、ジョセフ・アグベコ、フェルナンド・モンティエルというビッグネームと戦う姿が観たいですね。初防衛に成功した亀田興毅選手のさらなる成長に期待しましょう。
亀田興毅選手とダニエル・ディアスの試合結果
試合結果 | 亀田興毅選手が11ラウンド終了TKO勝ちで世界タイトルの初防衛に成功。 |