WBO世界フェザー級タイトルマッチ

ファン・マヌエル・ロペス対オルランド・サリドの試合内容

KO率9割を誇る全勝チャンピオンのファン・マヌエル・ロペスが、打ち合いに強い元世界チャンピオンのオルランド・サリドを迎えて3度目の防衛戦を行います。ファン・マヌエル・ロペスの強打が火を噴くのか？オルランド・サリドの気迫溢れるボクシングが全勝チャンピオンを飲み込むのか？注目の新旧対決です。

試合は、頭を低くして飛び込みながら左右のフックを狙うオルランド・サリドに対して、サウスポーのファン・マヌエル・ロペスは右ジャブを突きながら距離を測り、左ストレートと右フックを狙う展開で始まります。チャンピオンのファン・マヌエル・ロペスは普段より慎重な立ち上がりですね。

「サリドが頭から飛び込むボクシングで打ち合いに巻き込もうとしてるよ。ファンマ（ファン・マヌエル・ロペスのニックネーム）はサリドのラフなボクシングに苛立たず、自分のボクシングに徹することができるかな？」と試合の行方を見守る管理人。ファン・マヌエル・ロペスはオルランド・サリドの頭を相当警戒している印象です。

2ラウンドに入ると、ファン・マヌエル・ロペスが自分からプレッシャーをかけて主導権を握ろうとします。これに対して、オルランド・サリドも負けじと左右のフックを振り回しながら応戦。どちらのパンチも当たる距離で、激しい主導権争いが繰り広げられています。

3ラウンドは、挑戦者のオルランド・サリドがファン・マヌエル・ロペスに休む時間を与えないよう、力強いパンチを打ち込みながら前進を続けます。一方のファン・マヌエル・ロペスはオルランド・サリドの圧力に負けて珍しく後退していますね。「ロペスが根負けするか？サリドがバテるか？我慢比べになりそうだぞ」と思い始めた5ラウンド残り30秒、衝撃の光景が管理人の目の前に広がります。

ファン・マヌエル・ロペスの左ストレートに合わせて、オルランド・サリドが左フックのカウンターを打ち込み、ファン・マヌエル・ロペスの動きが止まったところへ渾身の右ストレート！オルランド・サリドのベストショットをもらったファン・マヌエル・ロペスはそのまま後ろへ崩れ落ち、オルランド・サリドがダウンを奪います。

「うわ！めちゃめちゃ効いた！ファンマ、立てるかな？」と息をのむ管理人。何とか立ち上がったファン・マヌエル・ロペスですが、足元がおぼつかず、目の焦点が定まっていません。5ラウンド終了まで残り15秒。オルランド・サリドにとっては絶好のチャンスです。

レフェリーの試合再開の合図と同時にコーナーから飛び出したファン・マヌエル・ロペスですが、足がもつれてフラフラ状態。それを見たオルランド・サリドは一気に襲い掛かり、パンチを連打しますが、追撃することはできず、5ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。

「ファンマは短いインターバルでどれだけダメージを回復できるかな？」と6ラウンド開始直後のチャンピオンに注目する管理人。しかし、ダウンのダメージが深く、ほとんど足に力が入っていない状態です。

パンチのキレもなくなり、動きも鈍くなってしまったファン・マヌエル・ロペスは、ラウンド中盤、オルランド・サリドの強烈な左フックをもらってしまいます。何とか耐え抜き、ラウンド終了のゴングを迎えましたが、めちゃめちゃダメージが深いですね。

7ラウンドに入ると、フットワークを使って距離を取りながらダメージの回復を図るファン・マヌエル・ロペス。しかし、オルランド・サリドに距離を潰され、休む時間を与えてもらえません。ファン・マヌエル・ロペスはギリギリの状態で打ち合って耐え抜いていますが、苦しい展開が続いています。

挑戦者優勢で迎えた8ラウンド。オルランド・サリドがラウンド開始直後からプレッシャーをかけて勝負に行きます。チャンピオンのファン・マヌエル・ロペスも打ち合って応戦しますが、そこに軽量級屈指のKO率を誇る強打者の面影はなく、オルランド・サリドのパンチをまともに浴び続けてしまいます。

最後はオルランド・サリドがファン・マヌエル・ロペスをロープへ詰めて左右のフックを連打したところでレフェリーが試合をストップ。オルランド・サリドがファン・マヌエル・ロペスに8ラウンドTKO勝ちを収め、世界チャンピオンに返り咲きました。敗れたファン・マヌエル・ロペスはプロ初黒星です。

めちゃめちゃショッキングな試合でしたね。今年一番の番狂わせではないでしょうか？最近ダウンを奪われることが多くなったファン・マヌエル・ロペスですが、それでも打ち勝ってベルトを守ってきました。しかし、この試合は5ラウンドのダウンのダメージが最後まで抜けませんでしたね。

一方、全勝のファン・マヌエル・ロペスを撃破して世界タイトルと大金星を手にしたオルランド・サリドは迷いのない見事なボクシングをみせてくれました。ファン・マヌエル・ロペス相手に後退せず、しかも休まず攻め続けたことが大きな勝因だったと思います。「叩き上げ」の雑草魂が全勝チャンピオンを自分のペースに巻き込み、そのまま叩き潰した試合でしたね。

全勝の快進撃を続けていたファン・マヌエル・ロペスが敗れたことで、フェザー級の二大勢力の一角が崩れてしまいました。今後はユリオルキス・ガンボアを頂点にした勢力争いが展開されそうです。ユリオルキス・ガンボアとファン・マヌエル・ロペスの対決が実現する可能性もあるので、今後も群雄割拠のフェザー級戦線から目が離せないですね。

ファン・マヌエル・ロペス対オルランド・サリドの試合結果