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エリック・モラレスが4階級制覇をかけてパブロ・セサール・カノと激突

WBC世界スーパーライト級王座決定戦

元3階級制覇
チャンピオン
エリック・モラレス(メキシコ)
戦績:58戦51勝35KO7敗
同級12位 パブロ・セサール・カノ(メキシコ)
戦績:23戦22勝18KO1分

エリック・モラレス対パブロ・セサール・カノの試合内容

エリック・モラレスがメキシコ人ボクサーとして2人目の4階級制覇をかけてパブロ・セサール・カノと拳を交えます。過去に2度、4階級制覇に挑戦し、惜敗を喫したエリック・モラレス。若き無敗のホープを相手に3度目の正直となるのでしょうか?

当初、エリック・モラレスはアルゼンチン出身の強打者、ルーカス・マティセと王座決定戦を行うはずでした。しかし、ルーカス・マティセがウイルス性の病気にかかってしまい、急遽、パブロ・セサール・カノに対戦相手が変更されました。

「恐怖の男」エリック・モラレスが王座決定戦を制して栄光の歴史に新しい1ページを加えるのか?それとも、無敗の快進撃を続ける若きホープのパブロ・セサール・カノが千載一遇のチャンスを生かして世界タイトルを手に入れるのでしょうか?世界中のボクシングファンが注目する新旧メキシカン対決です。

試合は、お互いが立ち上がりから積極的にパンチを交換するスリリングな展開で始まります。4階級制覇を狙うエリック・モラレスは左ジャブを連打しながら距離を測定し、得意の右ストレートを叩き込む作戦のようです。

一方、世界タイトル初挑戦のパブロ・セサール・カノも左ジャブを放ちながら、右ストレートのカウンターを狙っています。パブロ・セサール・カノはエリック・モラレスの名前に負けることなく、真っ向から勝負に行っていますね。

「モラレスもカノも同じようなボクシングだな。パンチの的中率はモラレスが一枚上手だけど、カノのパンチも当たってるよ。どちらも倒すチャンスがありそうな展開だな」と思っていると、4ラウンド中盤、エリック・モラレスがボディーを打つと見せかけてパンチの軌道を変更し、パブロ・セサール・カノの顔面へ強烈な右ストレートを打ち込みます。

「あ、効いた!」と思わず叫ぶ管理人。パブロ・セサール・カノの動きが一瞬止まるほどの破壊力です。激しい打撃戦の中で、瞬時に機転をきかせて、完璧なクリーンヒットを奪う技術は、さすがエリック・モラレスですね。パワーとテクニックが融合した見事なボクシングです。

試合はラウンドを重ねるにつれて、エリック・モラレスが主導権を握り始め、パブロ・セサール・カノが必死に反撃する展開で進みます。エリック・モラレスもパブロ・セサール・カノも顔面から出血するほどパンチをもらっていますが、より被弾しているパブロ・セサール・カノの出血、腫れが目立ちますね。

お互いのプライドと執念がぶつかり合う素晴らしい展開が続き、迎えた10ラウンド。悲願の世界タイトル奪取を狙うパブロ・セサール・カノが勝負に出ます。左ジャブを突きながら前進を続け、10ラウンド1分、右ストレートをエリック・モラレスのアゴに叩き込みます。

しかし、一気に勝負を仕掛けたいパブロ・セサール・カノに対して、エリック・モラレスは鋭い左ジャブを連打して突き離し、ラウンド中盤、パブロ・セサール・カノの左ジャブに合わせて強烈な右ストレートのカウンターを打ち込みます。

エリック・モラレスはさらに右ストレートを連打し、パブロ・セサール・カノを防戦一方に追い込み、10ラウンド終了後、顔面の腫れ上がったパブロ・セサール・カノ陣営が試合を棄権。エリック・モラレスが3度目の正直で4階級制覇に成功し、メキシコ人ボクサーとして2人目の快挙を達成しました。

エリック・モラレスのテクニックと経験がパブロ・セサール・カノの勢いを真っ向から撃破した試合でしたね。被弾する場面も多く、決して楽な展開ではなかったエリック・モラレスですが、勝利にかける執念は凄まじいものがあります。さすがは「恐怖の男」と恐れられるボクサーですね。

3度目の正直で見事に4階級制覇を達成したエリック・モラレス。1度目の挑戦はライト級でデビッド・ディアスと激突し、惜敗の末、現役を引退。再起を果たした2度目の挑戦ではスーパーライト級でマルコス・マイダナと壮絶な死闘を演じ、再び惜敗。正直なところ、管理人は「全盛期のスピード、キレがなくなって4階級制覇は苦しいんじゃないかな?」と思っていました。

しかし、ボクシング王国、メキシコで絶大な人気を誇る英雄は4階級目となる世界チャンピオンベルトを腰に巻いたのです。全盛期のパワーとスピードは衰えたと思いますが、「パワー型からテクニック型のボクサー」へ進化を遂げています。今なお、進化を続ける「恐怖の男」。エリック・モラレスの見果てぬ夢の続きに今後も注目しましょう。

エリック・モラレス対パブロ・セサール・カノの試合結果

試合結果 エリック・モラレスが10ラウンド終了TKO勝ちで世界タイトル奪取に成功。メキシコ人ボクサーとして2人目の4階級制覇を達成しました。
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