WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 西岡利晃(日本) 戦績:45戦38勝24KO4敗3分 |
挑戦者 | ラファエル・マルケス(メキシコ) 戦績:46戦40勝36KO6敗 |
西岡利晃選手とラファエル・マルケスの試合内容
日本のボクシング界を引っ張る西岡利晃選手が2階級制覇の実績を誇るラファエル・マルケスとラスベガスで拳を交えます。今回が7度目の防衛戦となる西岡利晃選手。劇的なKO勝ちを収めたジョニー・ゴンサレス戦以来の海外防衛戦で、軽量級屈指の強打を誇る最強の挑戦者を迎えます。
今回の防衛戦は、西岡利晃選手にとって2つの大きな意味を持つ試合です。ひとつは、日本人の世界チャンピオンがボクシングの本場、ラスベガスで行う初めての防衛戦であること。もうひとつは、防衛に成功すると、内藤大助選手が持つ日本人チャンピオンの最年長世界タイトル防衛記録の34歳8か月を4か月更新すること。日本ボクシング界の歴史を塗り替える記念すべき防衛戦ですね。
日本人の世界チャンピオンがラスベガスでメイン・イベンターを飾るなんて、数年前は全く想像できない夢物語でした。しかし、逆境に打ち勝ち、世界タイトルを奪取した孤高のサウスポーがその夢物語を実現したのです。あとは、勝つだけ!日本ボクシング界の運命を握るゴングがラスベガスの夜に鳴り響きます。
試合は、左ジャブを突きながらプレッシャーをかける挑戦者のラファエル・マルケスに対して、チャンピオンの西岡利晃選手がフットワークを使って右へ回りながら左ストレートを狙う展開で始まります。ラファエル・マルケスは荒々しいボクシングを封印して勝負に徹してきましたね。
「マルケスが距離をキープしながらプレッシャーをかけてるけど、西岡選手はめちゃめちゃ落ち着いてるよ。西岡選手は距離の測定ができるまで焦らずパンチを見極めて、マルケスをリズムに乗せないようにしたいな」と試合の行方を見守る管理人。
試合序盤は、ラファエル・マルケスが手元で伸びる左ジャブを武器に先手を取る展開が続きますが、4ラウンド終盤になると、西岡利晃選手が少しずつ距離とタイミングを掴み始め、得意の左ストレートがラファエル・マルケスの顔面をとらえ始めます。
「西岡選手、ナイス!じっくりと攻めながら、マルケスの攻撃を見切り始めたよ。パンチも当たり始めたんで、少しずつリズムが生まれそうだぞ」と思っていると、5ラウンド終了間際、西岡利晃選手の左ストレートがラファエル・マルケスの顔面をとらえ、ラファエル・マルケスの動きが一瞬止まります。
西岡利晃選手が攻撃のリズムをつかみ始めた6ラウンド。「孤高の天才」が作戦を切り替え、試合の主導権をたぐり寄せます。これまで右回りを続けていた西岡利晃選手は、パンチの距離をつかむと左回りに切り替え、得意の左ストレートが当たりやすいポジションで勝負します。
そして迎えた6ラウンド1分すぎ、西岡利晃選手のロングの左ストレートがラファエル・マルケスの顔面をとらえ、プレッシャーをかけます。これまで最短距離を走る真っ直ぐな左ストレートを打ち込んでいた西岡利晃選手ですが、このラウンドからフック気味の軌道の左ストレートを多様し始めています。
西岡利晃選手が2種類の左ストレートを使い分け始めたことで、ラファエル・マルケスはパンチを被弾する場面が増え、一気に失速。ラファエル・マルケスの「目線」を変え、試合の主導権を握り始めた西岡利晃選手が、ここから「スピードキング」の本領を発揮し、ラスベガスのボクシングファンに「ニシオカ」の実力を見せつけます。