「試練の海外防衛戦!西岡利晃がラファエル・マルケスと激突(前編)」を読む
7ラウンドに入ると、西岡利晃選手が左ストレートから右フックを返し始め、ラファエル・マルケスにプレッシャーをかけます。一方、ラファエル・マルケスは西岡利晃選手にパンチを読まれ、クリーンヒットを奪うことができません。ラファエル・マルケスが西岡利晃選手のスピードについて行けなくなってきましたね。
「よし!西岡選手のペースになってきたよ。大きいパンチに気を付けて、このまま一気に試合の主導権を握りたいな」と思い始めた8ラウンド。チャンピオンの西岡利晃選手に予想外の試練が訪れます。
ラウンド中盤、西岡利晃選手の後頭部とラファエル・マルケスの顔面が当たり、西岡利晃選手が後頭部から出血。「今のところ試合に影響はなさそうだけど、出血量が多いんで、傷口が広がると、目に入り、トラブルになるかも。大丈夫かな?」と西岡利晃選手の状態を心配する管理人。
試合が再開されると、ラファエル・マルケスがパンチを連打して勝負を仕掛けます。「あ、危ない」と思いましたが、西岡利晃選手は強烈な左ストレートのカウンターで応戦し、ラファエル・マルケスに反撃のチャンスを与えません。勝負どころを見極めた素晴らしい戦いです。
9ラウンドの立ち上がり、ラファエル・マルケスの右ストレートが、西岡利晃選手の顔面をとらえ、この試合初めて西岡利晃選手の体が流れますが、西岡利晃選手は出入りのスピードを生かして応戦し、左ストレートをラファエル・マルケスの顔面に叩き込みます。
どちらも疲れが見え始めた10ラウンド40秒。持ち味のフットワークとスピードでラファエル・マルケスの攻撃をかわす西岡利晃選手が、鋭い踏み込みから強烈な左ストレートをラファエル・マルケスの顔面に叩き込みます。
ドタバタと後退するラファエル・マルケス。勝負を決めたい西岡利晃選手はラファエル・マルケスをロープに追い詰め、コンパクトなパンチを連打します。2種類の軌道を持つショートの左ストレートと右フックが決まりまくり、西岡利晃選手がラファエル・マルケスを圧倒します。
「いやー、素晴らしいラウンドだよ。もしかすると、倒せるかもしれないな」と「スピードキング」の応援に熱が入る管理人。11ラウンドは、西岡利晃選手が左ストレートを上下に打ち分け、ラファエル・マルケスにパンチを浴びせます。
一方、勝利への執念を持ち続けるラファエル・マルケスは必死にパンチを出して応戦しますが、ダメージと疲労のせいか、パンチが単発で、西岡利晃選手にダッキングで外されては反撃のパンチをもらう悪循環に陥っています。
西岡利晃選手が主導権を握って迎えた12ラウンド。日本のボクシング界を引っ張る「スピードキング」が選んだラスト3分間の戦いは「攻撃」でした。最終ラウンドのゴングが鳴るとKOを狙って前に出続ける西岡利晃選手。逆転KOを狙って応戦するラファエル・マルケス。どちらも素晴らしい闘争心です。
最終ラウンドはお互いが最後の力を振り絞って攻撃を続け、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は3人のジャッジに委ねられ、3人のジャッジすべてが西岡利晃選手を支持。日本が誇る西岡利晃選手がラファエル・マルケスに12ラウンド3-0の判定勝ちを収め、7度目の防衛に成功しました。
日本ボクシング史に刻まれる、とてつもなく大きな勝利です!日本人の世界チャンピオンがラスベガスでメイン・イベンターを務め、世界中のボクシングファンが認める最強の挑戦者相手に、その実力を強烈にアピールしました。めちゃめちゃ感動しています。
どんな言葉で西岡利晃選手を賞賛すればいいのでしょうか?ポイントリードした状態でラファエル・マルケス相手に最終ラウンドもKOを狙いに行った西岡利晃選手。誇り高き世界チャンピオンだけが足を踏み入れることができる領域に、世界中のボクシングファンが心を打たれたのではないでしょうか?
西岡利晃選手はボクシングの本場、ラスベガスで初めて世界タイトルを防衛した日本人の世界チャンピオンになりました。35歳2か月で世界タイトルを防衛した最年長日本人ボクサーになりました。
そして、誇り高い勇敢なボクシングで、これら2つの記録を達成した雄姿が本当にカッコよかったです。時間が経てば経つほど、西岡利晃選手の快挙は「大きな道標」として賞賛されると思います。「西岡利晃」から「トシアキ・ニシオカ」へ。日本のボクシング界の歴史が動いた感動的な防衛戦でした。
西岡利晃選手とラファエル・マルケスの試合結果
試合結果 | 西岡利晃選手が12ラウンド3-0の判定勝ちで7度目の防衛に成功。日本人の世界チャンピオンとして初めてラスベガスで防衛に成功する歴史的な快挙を達成し、日本人ボクサーの世界タイトル最年長防衛記録を35歳2か月に更新しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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