WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
チャンピオン | マニー・パッキャオ(フィリピン) 戦績:57戦52勝38KO3敗2分 |
挑戦者 | シェーン・モズリー(アメリカ) 戦績:54戦46勝39KO6敗1分1無効試合 |
マニー・パッキャオ対シェーン・モズリーの試合内容
ボクシング史上2人目の6階級制覇を達成した「フィリピンの英雄」マニー・パッキャオが、3階級制覇の実績を誇る「シュガー」シェーン・モズリーを迎えて2度目の防衛戦を行います。ボクシング界を代表するスピードを持つ両雄がついに拳を交えます。
なお、この試合の当日のオッズは7対1でマニー・パッキャオが有利と出ています。オッズでもファイトマネーでも上回るマニー・パッキャオがシェーン・モズリーを打ちのめすのか?それとも、シェーン・モズリーが予想を覆す番狂わせを起こすのか?世界中のボクシングファンが注目するメガファイトの幕が開きます。
試合はお互いが相手の戦い方を確認する展開で始まります。サウスポーのマニー・パッキャオは右ジャブを突きながら踏み込んで左ストレートを叩き込むタイミングを狙っています。一方のシェーン・モズリーはステップバックしながら右ストレートのカウンターを叩き込むタイミングを狙っていますね。
「予想以上に、お互いが真正面で戦っているね。パッキャオのストレートもモズリーのストレートも当たりそうな雰囲気だよ」と試合の行方を見守る管理人。立ち上がりはフェイントの掛け合いが続き、迎えた3ラウンド、世界中のボクシングファンが総立ちになる瞬間が目の前に広がります。
3ラウンドが始まると、マニー・パッキャオがプレッシャーを強め、右ジャブを突きながら左ストレートを打ち込むタイミングを狙います。そして3ラウンド中盤、これまで通り、ステップバックして距離を保とうとするシェーン・モズリーに対して、マニー・パッキャオが一歩深く踏み込んで強烈な左ストレートをシェーン・モズリーの顔面に叩き込みます。次の瞬間、シェーン・モズリーがダウン!マニー・パッキャオが伝家の宝刀を抜きましたね。
「これは効いた!モズリーの表情がめちゃめちゃうつろだよ。パッキャオ、一気に倒せるんじゃない?」とソファーから立ち上がって声援を送る管理人。しかし、ダウンから立ち上がったシェーン・モズリーはクリンチでピンチをしのぎ、マニー・パッキャオに追撃を許しません。
3ラウンド終了後、コーナーに戻ったシェーン・モズリーを確認すると、焦点が定まっていない表情で、ダメージが抜けきっていないようです。「4ラウンド、パッキャオが勝負に行くかな?」と思ったのですが、シェーン・モズリーの強打が残っていると判断し、畳みかけることはせず、主導権を奪うボクシングに徹します。
一方のシェーン・モズリーはセコンドのナジーム・リチャードソンから「恐れずに右ストレートを打ち込んで反撃しよう。まだまだ大丈夫だ」とハッパをかけられますが、右ストレートを出すと、マニー・パッキャオの左ストレートが飛んでくる予感がするのか、全くパンチが出なくなり、後ろに下がって過剰にマニー・パッキャオのパンチを警戒する戦術に終始します。
マニー・パッキャオが前に出続け、シェーン・モズリーが下がり続ける(逃げ続ける)展開が続き、迎えた9ラウンド残り1分。シェーン・モズリーがマニー・パッキャオを右手で押してマニー・パッキャオが尻もちをつきます。すると、レフェリーがダウンと判断。明らかなプッシングに対して、マニー・パッキャオが珍しく感情を露わにして怒りの表情を浮かべます。
その後、マニー・パッキャオは気迫を前面に押し出してシェーン・モズリーを倒しに行きますが、最後まで逃げ続けるシェーン・モズリーを仕留めることはできず、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。会場が大きなブーイングで包まれる中、ジャッジの採点が発表され、結果はマニー・パッキャオが3-0の判定勝ちでシェーン・モズリーに圧勝。マニー・パッキャオがシェーン・モズリーを一蹴し、2度目の防衛に成功しました。
3ラウンドの衝撃的なダウンを境に、内容が大きく変わってしまった試合でしたね。反撃を警戒しながら倒すチャンスを狙っていたマニー・パッキャオ。反撃するチャンスを狙うことなく、倒されないボクシングに徹したシェーン・モズリー。世紀のメガマッチは全くかみ合わない退屈な試合になってしまいました。
試合終了後、管理人は「この試合で高額のファイトマネーを稼いだモズリーだけど、この試合で築き上げた名声が一気に崩れちゃったかも」という寂しい気持ちになりました。
逃げ回るボクシングでKO負けを回避したシェーン・モズリーですが、過去の名声をすべて失ってしまうほどのダメージを負ったかもしれません。そこにボクシングの美学はなく、ただただ時間だけが流れていきました。ダウン後のシェーン・モズリーは「過去の栄光を守ろうとして、過去の栄光を失ってしまう」戦いを選んでしまいましたね。
なぜ管理人が悲しい気持ちになったかと言うと、シェーン・モズリーのボクシングがカッコ悪すぎるからだと思います。スーパースターは「常にカッコ良くあるべきだ」と思うんです。勝っても負けても胸を張ってほしい。それが管理人が考えるスーパースターの絶対条件です。でも、この試合のシェーン・モズリーは本当にカッコ悪かった。今までシェーン・モズリーの激闘を観てきただけに、それが心から悲しかったんです。
一方、マニー・パッキャオにとっては気の毒な試合になりましたね。リング上には2人のボクサーがいましたが、スーパースターは1人しかいなかったので、スーパースター同士の対決は実現しなかったわけです。試合内容に関して、マニー・パッキャオを責めるのはかわいそうですね。
勝ったマニー・パッキャオは11月に次の試合を行うそうです。対戦候補には、ファン・マヌエル・マルケスやザブ・ジュダーの名前が挙がっています。個人的には、ファン・マヌエル・マルケスかティモシー・ブラッドリーと戦うマニー・パッキャオの姿が観てみたいです。どちらと戦っても壮絶な打ち合いになりそうですね。
メガファイトとして期待されたマニー・パッキャオ対シェーン・モズリーは退屈な試合に終わってしまいましたが、「スーパースターとは何か?」を改めて考える良い機会になったと思います。快進撃を続けるマニー・パッキャオの次戦に期待しましょう。
マニー・パッキャオ対シェーン・モズリーの試合結果
試合結果 | マニー・パッキャオが12ラウンド3-0の判定勝ちで2度目のタイトル防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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