WBC世界ライト級タイトルマッチ
チャンピオン | ウンベルト・ソト(メキシコ) 戦績:63戦53勝32KO7敗2分1無効試合 |
挑戦者 | ウルバノ・アンティロン(メキシコ) 戦績:29戦28勝20KO1敗 |
試合内容
3階級制覇チャンピオンのウンベルト・ソトが、タフで好戦的なファイターのウルバノ・アンティロンを迎えて3度目の防衛戦を行います。「打ち合って良し離れて良し」のウンベルト・ソトがタイトル防衛に成功するのか?2度目の世界タイトル挑戦となるウルバノ・アンティロンが前進を続けて王座奪取に成功するのか?打ち合い必至のタイトルマッチです。
試合が始まると、挑戦者のウルバノ・アンティロンがガードを固めてガンガン前へ出てウンベルト・ソトの懐へ飛び込み、左右のフックを上下に打ち分けます。初の世界戦はミゲール・アコスタの強打に粉砕されたウルバノ・アンティロンですが、悲願の世界タイトル奪取に向けて気合十分ですね。
一方、チャンピオンのウンベルト・ソトは左ジャブを中心にウルバノ・アンティロンの前進を止めようとしていますが、ウルバノ・アンティロンの突進が予想以上に強力なのか、後退する場面が目立ちます。ウンベルト・ソトが距離を取ろうとすると、ウルバノ・アンティロンが打たれながらも詰めてくるので、戦いづらそうですね。
管理人は試合前2つのパターンを想像していました。ひとつはウンベルト・ソトが距離を支配し、前へ出てくるウルバノ・アンティロンにカウンターを決めまくるパターン。もうひとつはウルバノ・アンティロンの突進力がウンベルト・ソトをうんざりさせ、接近戦になるパターンです。試合序盤の展開を観ると、後者の雰囲気が漂っていますね。
3ラウンドに入ると、ウンベルト・ソトが得意とする「インファイター対策」のアッパーを連打し、ウルバノ・アンティロンのガードの真ん中からパンチを突き上げます。ウルバノ・アンティロンは我慢しながら前進を続けていますが、まともにもらい続けると、ラウンドが進むにつれて苦しくなりそうですね。
5ラウンドには、ウンベルト・ソトのボディーを執拗に攻撃するウルバノ・アンティロンがローブローで減点1を取られてしまいます。「この減点は痛いな。このままソトに流れが傾くかな?」と思っていると、6ラウンドに入り、ウルバノ・アンティロンが怒涛の反撃を仕掛けます。
ウルバノ・アンティロンはウンベルト・ソトをロープへ追い詰め、強烈な左ボディーブローを連打。さらに残り30秒、ウルバノ・アンティロンが左アッパーを突き上げ、ウンベルト・ソトの動きが一瞬止まります。ウンベルト・ソトもウルバノ・アンティロンも手数が減ったほうが打たれる壮絶な我慢比べになってきましたね。
試合終盤は距離を取って離れると、ウンベルト・ソトがコンビネーションブローを連打し、接近戦になると、ウルバノ・アンティロンがボディーを連打する展開が続きます。どちらもフラフラになりながら、最後まで打ち続け、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
勝敗は3人のジャッジに委ねられ、結果は3人のジャッジすべてが僅差でウンベルト・ソトを支持。ウンベルト・ソトが壮絶な死闘を制してウルバノ・アンティロンに12ラウンド判定勝ちを収め、3度目のタイトル防衛に成功しました。
どちらも持ち味を発揮した素晴らしい試合でしたね。ウンベルト・ソトは苦しい状態でショートのパンチを連打する技術に、ウルバノ・アンティロンは前へ出続けて相手を打ち負かそうとする闘志に心が打ち震えています。苦戦しながらも経験とテクニックで勝利を手にしたウンベルト・ソト、最上の気迫でウンベルト・ソトを徹底的に苦しめたウルバノ・アンティロン。2人の勇敢なボクサーに大きな拍手を送りたいです。
ウンベルト・ソト対ウルバノ・アンティロンの試合結果
試合結果 | ウンベルト・ソトが僅差の判定勝ちで3度目の防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
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