WBO世界スーパーバンタム級王座決定戦
元3階級制覇 チャンピオン |
ノニト・ドネア(フィリピン) 戦績:28戦27勝18KO1敗 |
元WBO世界スーパー バンタム級チャンピオン |
ウィルフレド・バスケス・ジュニア(プエルトリコ) 戦績:23戦21勝18KO1敗1分 |
ノニト・ドネア対ウィルフレド・バスケス・ジュニアの試合内容
切れ味鋭いパンチを誇る「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアと親子で世界チャンピオンに輝いた経験を持つウィルフレド・バスケス・ジュニアが拳を交えるWBO世界スーパーバンタム級王座決定戦です。好戦的なボクシングを貫く人気ボクサー同士の楽しみな対決ですね。
ノニト・ドネアが勝てば4階級制覇を達成。一方のウィルフレド・バスケス・ジュニアが勝てば世界チャンピオン返り咲きを果たします。激戦のスーパーバンタム級戦線の行方を占う大一番は、お互いの持ち味が発揮される素晴らしい激闘になりました。
試合は、左ジャブを突きながら右ストレート、得意の左フックを上下に打ち分けるノニト・ドネアに対して、ウィルフレド・バスケス・ジュニアがガードをガッチリと構えてノニト・ドネアの攻撃をブロックするディフェンス重視の展開で始まります。
「バスケス・ジュニアが予想以上にガードを固めてきたね。ドネアはバスケス・ジュニアのガードを打ち破ることができるかな?」とノニト・ドネアのボクシングに注目する管理人。ノニト・ドネアはいつも通り序盤からKO狙い、ウィルフレド・バスケス・ジュニアは後半勝負の作戦ですね。
試合が動いたのは3ラウンド中盤。ノニト・ドネアがウィルフレド・バスケス・ジュニアに飛びかかり、左フックを強振します。この一撃がウィルフレド・バスケス・ジュニアのテンプルに当たり、ウィルフレド・バスケス・ジュニアがフラフラとコーナーへ後退します。
「めっちゃ効いた!ドネア、チャンスだよ」と思った瞬間、ノニト・ドネアがウィルフレド・バスケス・ジュニアをロープへ串刺しにして、左のアッパー、フック、ストレートを10連打!凄まじいラッシュで、一気に勝負を決めに行きます。
しかし、「打倒ドネア」と世界タイトル奪還に執念を燃やすウィルフレド・バスケス・ジュニアは必死にガードを固めて耐え、カウンターの左フックで反撃!これまで数々の強豪をリングに沈めてきたノニト・ドネアの猛攻に耐え抜きます。
「バスケス・ジュニアはよく耐えたな。すごいよ!」とウィルフレド・バスケス・ジュニアのディフェンスに拍手を送る管理人。軽量級離れしたノニト・ドネアの攻撃も素晴らしかったですが、その攻撃をしのぎ切ったウィルフレド・バスケス・ジュニアのディフェンスも素晴らしかったですね。
4ラウンドに入ると、ウィルフレド・バスケス・ジュニアが突破口を開くため、左ジャブから右ストレートのコンパクトなワンツーを連打します。この攻撃が、ガードを下げて戦うノニト・ドネアの顔面をとらえ、ノニト・ドネアの右目の周りが珍しく腫れ始めます。
「いつもは相手の攻撃を目で見切るドネアだけど、この試合はバスケス・ジュニアのワンツーをもらっているよ。バスケス・ジュニアのコンパクトな左ジャブと右ストレートがドネアの反射神経と動体視力を上回っているね」と改めてウィルフレド・バスケス・ジュニアの高いボクシング技術に驚く管理人。
一進一退の攻防が続き、迎えた7ラウンド。ウィルフレド・バスケス・ジュニアの反撃に対して、ノニト・ドネアがガードを高く構えて戦い、ウィルフレド・バスケス・ジュニアの左ジャブを食い止める作戦に切り替えます。
ガードを上げることで、ウィルフレド・バスケス・ジュニアの攻撃の勢いを封じたノニト・ドネアは、8ラウンドの中盤から再び本来のガードを下げた攻撃重視のスタイルに切り替え、多彩なパンチでウィルフレド・バスケス・ジュニアを後退させます。
「ガードを固めると、バスケス・ジュニアが体を密着させてボディーを狙ってくるんで、ドネアは離れて戦うことを選んだみたい。ガードを下げると、パンチをもらう危険性は高まるけど、ドネアの動きに躍動感が出て戦いやすそうだね」とノニト・ドネアの臨機応変な対応に拍手を送る管理人。ノニト・ドネアには、試合中に戦い方を変えられる強みがありますね。
【Photo:The Ring Magazine】
リズムを取り戻し始め、迎えた9ラウンド残り50秒。ノニト・ドネアが前へ出てくるウィルフレド・バスケス・ジュニアのガードの真ん中を打ち抜く強烈な左アッパーを突き上げ、ウィルフレド・バスケス・ジュニアの動きが止まります。
「うわ!効いた」と叫んだ次の瞬間、ノニト・ドネアが得意の左フックをウィルフレド・バスケス・ジュニアのテンプルへ叩き込み、ウィルフレド・バスケス・ジュニアがダウン!「フィリピンの閃光」のニックネーム通り、切れ味抜群の左アッパー、左フックでしたね。
10ラウンド以降は、リズムを取り戻したノニト・ドネアが逆転勝利を信じて攻撃に出てくるウィルフレド・バスケス・ジュニアに多彩なパンチを打ち込む展開が続き、試合終了のゴングが鳴り響きます。
結果は2人のジャッジがノニト・ドネア、1人が(まさかの)ウィルフレド・バスケス・ジュニアを支持。激闘の末、ノニト・ドネアがウィルフレド・バスケス・ジュニアに12ラウンド判定勝ちを収め、4階級制覇を達成しました。
ノニト・ドネアのスピードを生かした攻撃がウィルフレド・バスケス・ジュニアの卓越したボクシング技術を上回った試合でしたね。スーパーバンタム級へ転向した初戦でいきなりウィルフレド・バスケス・ジュニアと対戦し、力負けすることなく、4階級制覇を成し遂げるところは、「さすがノニト・ドネア」としか言いようがありません。
一方、敗れはしましたが、ウィルフレド・バスケス・ジュニアのボクシング、ファイティング・スピリッツも素晴らしかったと思います。管理人の評価だと、激戦区のスーパーバンタム級で5本の指に入るスーパースターです。大舞台で改めて世界の実力者であることを証明しましたね。
さあ、ノニト・ドネアが4階級制覇を成し遂げたことで、WBCチャンピオンの西岡利晃選手との王座統一戦が、いよいよ現実味を帯びてきました。先日、ノニト・ドネアのプロモーター、ボブ・アラムが「ドネアが4階級制覇を達成したら、ホルヘ・アルセ、トシアキ・ニシオカと戦わせたい」と宣言したように、今年中に実現する可能性があります。
日本ボクシング界をリードする「スピードキング」西岡利晃選手と4階級制覇を成し遂げた「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアが拳を交える日はやってくるのでしょうか?実現すれば、日本ボクシング界にとって歴史的な日になることは間違いなさそうです。「ドリームマッチ」の行方に今後も注目しましょう!
ノニト・ドネア対ウィルフレド・バスケス・ジュニアの試合結果
試合結果 | ノニト・ドネアが2-1の判定勝ちでタイトル奪取に成功。4階級制覇を達成しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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