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再起なるか?ホルヘ・リナレス対セルヒオ・トンプソンの挑戦者決定戦

WBC世界ライト級挑戦者決定戦

元2階級制覇
チャンピオン
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)
戦績:33戦31勝20KO2敗
WBC中米カリブ
S・フェザー級王者
セルヒオ・トンプソン(メキシコ)
戦績:23戦21勝19KO2敗

ホルヘ・リナレス対セルヒオ・トンプソンの試合内容

3階級制覇を目指す「ベネズエラのゴールデンボーイ」ホルヘ・リナレスが敵地メキシコへ乗り込み、強打のセルヒオ・トンプソンと激突するWBC世界ライト級挑戦者決定戦です。再起戦でいきなり挑戦者決定戦に登場する日本育ちのホルヘ・リナレスに注目ですね。

2011年10月、アントニオ・デマルコに逆転KO負けを喫し、3階級制覇に失敗したホルヘ・リナレス。屈辱の敗戦から5か月、再起をかけるホルヘ・リナレスがリングに戻ってきました。3階級制覇の足がかりとなる挑戦者決定戦で復活の狼煙を上げ、存在感をアピールすることができるでしょうか?注目の挑戦者決定戦です。

試合は、地元の声援を受けて前進し、強打を打ち込もうとするセルヒオ・トンプソンに対して、ホルヘ・リナレスがフットワークを使いながらポジションを変え、鋭い左ジャブを突く展開で始まります。テクニックのホルヘ・リナレス対パワーのセルヒオ・トンプソンという図式ですね。

「トンプソンが立ち上がりから猛然と勝負を仕掛けてるね。元気なうちに打撃戦に持ち込む作戦かな?トンプソンは打ちながらリズムを作るタイプなんで、リナレスはブロックじゃなく、パンチを空振りさせたいね。左右に動きながら、スピードで翻弄したいよ」と両者のボクシングに注目する管理人。

試合開始直後から猛然と突進し、強打を振り回すセルヒオ・トンプソンに対して、1ラウンド中盤、ホルヘ・リナレスが右アッパーから左フックのコンビネーションを叩き込み、セルヒオ・トンプソンがぐらつきます。

「あ、効いた!ナイスコンビネーション!」と日本育ちのホルヘ・リナレスに声援を送る管理人。ホルヘ・リナレスの回転の速いコンビネーションブローが真正面からブルドーザーのように突進してくるセルヒオ・トンプソンの顔面を見事にとらえましたね。

2ラウンドに入ると、セルヒオ・トンプソンがプレッシャーを強め、得意の強打を叩き込もうと被弾を覚悟で前進します。一方のホルヘ・リナレスは鋭い左ジャブを突きながら距離を保ち、冷静に対処。セルヒオ・トンプソンの圧力を感じながらも、パンチとフットワークの速さで上手くさばいていますね。

「左ジャブだけだと、トンプソンの前進が止まらないんで、リナレスは得意の左フックか右ストレートを打ち込みたいね」と思っていると、2ラウンド中盤、セルヒオ・トンプソンがホルヘ・リナレスをロープへ詰めて、右のストレートを強振!ホルヘ・リナレスの腰が落ちます。

「ぎゃ!まもとにもらっちゃった」と絶叫する管理人。一気に勝負を仕掛けたいセルヒオ・トンプソンはホルヘ・リナレスをロープに押し込み、左右のフックを連打します。ダメージを負ったホルヘ・リナレスは必死にクリンチをして、セルヒオ・トンプソンの追撃を防ぎます。

「おおお!危ない、危ない」とホッと一息つく管理人。しかし、ブレイク直後、セルヒオ・トンプソンが再びホルヘ・リナレスに襲いかかり、得意の右ストレートをホルヘ・リナレスのテンプルへ叩き込みます。

千載一遇のチャンスを手にしたセルヒオ・トンプソンは、ダメージで動きの鈍ったホルヘ・リナレスに左右のフックを振り回し、ホルヘ・リナレスがリングに手を突いてダウン!カウント8で立ち上がったホルヘ・リナレスですが、セルヒオ・トンプソンの連打で左の目じりをカットしたようです。

レフェリーは試合を再開する前に、ドクターを呼び、ホルヘ・リナレスの傷口をチェックするよう指示します。すると、傷口をチェックしたドクターが即座に続行不可能と判断。この瞬間、セルヒオ・トンプソンがホルヘ・リナレスに2ラウンドTKO勝ちを飾り、アントニオ・デマルコへの挑戦権を獲得しました。

えええ!まさかのドクターストップで、ホルヘ・リナレスが負けちゃいました!ドクターは傷をチラッと見ただけで、血を拭き取って傷口をチェックすることも、周囲に触れることもなく、試合続行不可能を決断しましたね。もうちょっと戦えたような気もしますが、うーん、残念です。

以前のホルヘ・リナレスなら、最初のパンチをブロックした後、すぐにポジションを変えて空振りさせるディフェンスだったと思うのですが、今回のセルヒオ・トンプソン戦も、前回敗戦を喫したアントニオ・デマルコ戦も、足を止めてブロッキングで防ごうとする姿が目立ちました。敵地の影響があったかもしれませんが、少し迷いが感じられたボクシングだったと思います。

ファン・カルロス・サルガドに初黒星を喫して以降、特に相手がラッシュを仕掛けてきた時のディフェンスに迷いが感じられるホルヘ・リナレス。2連敗を喫し、苦難の時を迎えていますが、天才的なボクシングセンスは誰もが認めるところです。ゆっくり休んでダメージを抜き、再び3階級制覇へ向けて走り出してほしいですね。

ホルヘ・リナレス対セルヒオ・トンプソンの試合結果

試合結果 セルヒオ・トンプソンが2ラウンドTKO勝ち。敗れたホルヘ・リナレスは2連敗となりました。
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