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因縁の再戦(リマッチ)!アブネル・マレス対ジョセフ・アグベコ

IBF世界バンタム級タイトルマッチ

チャンピオン アブネル・マレス(メキシコ)
戦績:23戦22勝13KO1分
挑戦者 ジョセフ・アグベコ(ガーナ)
戦績:31戦28勝22KO3敗

アブネル・マレス対ジョセフ・アグベコの試合内容

スピード豊かな連打と抜群のスタミナを武器に世界タイトルを獲得したアブネル・マレスと無類のタフネスを誇るジョセフ・アグベコが激突する因縁の再戦です。際どい判定決着が世界的な議論を呼んだ初戦から4か月、アブネル・マレスとジョセフ・アグベコがダイレクト・リマッチで因縁の戦いに終止符を打ちます。

アブネル・マレスとジョセフ・アグベコの初対決はバンタム級トーナメント決勝戦。チャンピオンのジョセフ・アグベコに無敗のアブネル・マレスが挑み、お互いに一歩も引かない大接戦の末、2度のダウンを奪ったアブネル・マレスが判定勝ちでIBF世界バンタム級タイトルを奪取しました。

しかし、アブネル・マレスがジョセフ・アグベコから奪った2度のダウンを巡り、世界的な議論が起こります。なぜなら、1ラウンドに奪ったダウンはスリップダウン、11ラウンドに奪ったダウンはローブローによるダウンを判断されてもおかしくないダウンだったからです。

もし2度のダウンが「ダウンではない」と判断されていたら、採点の結果、勝者はジョセフ・アグベコだったのです。そこで、IBFは物議をかもしたレフェリーの判断と試合結果を考慮して、アブネル・マレスとジョセフ・アグベコの直接の再戦を認め、今回のダイレクト・リマッチが実現しました。

バンタム級最強を決めるトーナメントの決勝戦で生まれた2人の因縁。世界中のボクシングファンが注目する因縁の再戦に勝利して「バンタム級最強」の称号と世界タイトルを手にするボクサーは無敗の快進撃を続けるアブネル・マレスでしょうか?それとも、リベンジに燃えるジョセフ・アグベコでしょうか?運命のゴングが鳴り響きます。

試合は、初戦と同じく、お互いが立ち上がりからパンチを集め、真っ向から打ち合う激しい打撃戦で始まります。タイトル奪取に執念を燃やす挑戦者のジョセフ・アグベコは上半身を小刻みに振りながら左ジャブから力強い左右のフック、右ストレートを狙います。

一方、チャンピオンのアブネル・マレスはブロッキングとボディーワークでジョセフ・アグベコのパンチを回避し、すぐに回転の速い連打で応戦。上下にコンビネーションを打ち分け、ジョセフ・アグベコに主導権を渡しません。再戦も手数が多いスリリングな試合になりそうです。

「お互い気合い入りまくってるよ。激しい打ち合いの中、どちらが主導権を奪うかな?」と試合の行方を見守る管理人。すると、2ラウンド、予想外のハプニングがアブネル・マレスを襲います。ジョセフ・アグベコの左ジャブを被弾し、右まぶたがパックリと切れてしまいます。

「うわっ、切れちゃった。強いパンチじゃなかったけど、試合が進むにつれて影響あるかも。パンチによるカットなんで、ストップの心配もあるよ。マレスはどう戦うかな?」とアブネル・マレスのボクシングに注目する管理人。右まぶたをカットし、先行きが心配されたアブネル・マレスですが、ここから激しい打ち合いを避け、「打っては離れるボクシング」に切り替えます。

4ラウンド序盤には、アブネル・マレスが強烈な右ストレートをジョセフ・アグベコのアゴに叩き込むなど、アブネル・マレスは中間距離から右ストレートを狙います。本来、打ち合いを好むアブネル・マレスですが、傷口を悪化させないよう、右ガードを高く上げ、ディフェンスを意識しながら戦っていますね。

一方、挑戦者のジョセフ・アグベコは、左ジャブを突きながら強烈な右ストレートを打ち込むタイミングを狙うボクシングを貫きます。「強烈なパンチを一発入れて、奪われたベルトを取り戻してやる」という気持ちが強いのかもしれませんね。タフで負けん気の強いジョセフ・アグベコは「もっと打ち合おうぜ」と言わんばかりの突進をみせています。

真正面から強烈な一撃を狙うジョセフ・アグベコに対して、アブネル・マレスはパンチを打ち終わるとサイドにポジションを変え、ジョセフ・アグベコの強打をかわしながら、コンパクトなパンチを打ち込みます。アブネル・マレスのパンチのスピードがジョセフ・アグベコのパワフルなボクシングを少しずつ上回り始めましたね。

試合中盤から終盤にかけては、アブネル・マレスが回転の速いコンビネーションをジョセフ・アグベコに打ち込むシーンが目立ちます。その後も、最終ラウンドまで打ち合いが続き、最後まで手数が減らない展開のまま、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。

結果は3人のジャッジすべてが同じスコアでチャンピオンのアブネル・マレスを支持。アブネル・マレスが右まぶたをカットするアクシデントを乗り越えて、ジョセフ・アグベコに12ラウンド大差の判定勝ちを収め、タイトルの初防衛に成功しました。

アブネル・マレスのパンチのスピード、パンチの的確さが、ジョセフ・アグベコのパワフルな攻撃を封じ込めた試合でしたね。2ラウンドに右まぶたをカットしたアブネル・マレスですが、攻撃重視のボクシングからディフェンスを大事に戦うボクシングに切り替え、結果的に、この作戦変更が英断になったと思います。

もしアブネル・マレスが右まぶたをカットしなければ、初戦と同じような激しい打ち合いになっていたかもしれません。アクシデントを乗り越えるため、臨機応変に作戦を変更したアブネル・マレス。初戦と同じように真正面から攻撃を繰り返したジョセフ・アグベコ。わずかな差が、大きなポイント差につながった典型的な試合に、改めてボクシングの難しさを感じた管理人でした。

アブネル・マレス対ジョセフ・アグベコの試合結果

試合結果 アブネル・マレスが3-0の判定勝ちでタイトルの初防衛に成功。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 118-110
  • 118-110
  • 118-110
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