IBF世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | ジョセフ・アグベコ(ガーナ) 戦績:30戦28勝22KO2敗 |
挑戦者 | アブネル・マレス(メキシコ) 戦績:22戦21勝13KO1分 |
ジョセフ・アグベコ対アブネル・マレスの試合内容
IBF世界バンタム級チャンピオンのジョセフ・アグベコと無敗の快進撃を続けるアブネル・マレスが激突するバンタム級トーナメント決勝戦です。ジョセフ・アグベコ、アブネル・マレス、ビック・ダルチニャン、ヨニー・ペレスの4人が「バンタム級最強を決めるトーナメント」に名を連ね、一発勝負の準決勝を制したジョセフ・アグベコとアブネル・マレスが名誉と世界タイトルをかけて拳を交えます。
世界チャンピオンのジョセフ・アグベコは準決勝でヨニー・ペレスとの打撃戦を制して判定勝ち。強靭なフィジカルと勇敢なハートを持つガーナの戦士です。一方のアブネル・マレスは準決勝でビック・ダルチニャンとの壮絶な打ち合いを制して判定勝ち。真っ向勝負で対戦相手を打ち倒してきたスピード豊かなメキシコの若きスーパースター候補です。
勝者がすべてを手にする運命の決勝戦。試合後に、世界タイトルとバンタム級最強の称号を手にするボクサーは、ガーナが誇る最強のタフガイ、ジョセフ・アグベコでしょうか?それとも、メキシコが誇る無敗のホープ、アブネル・マレスでしょうか?世界中のボクシングファンが注目する最強決定戦の幕開けです。
試合は1ラウンドからお互いのプライドがぶつかり合う激しい打撃戦になります。試合開始のゴングが鳴ると同時に飛び出したボクサーは挑戦者のアブネル・マレス。最短距離を走る鋭い左ジャブを突きながら、ジョセフ・アグベコを後退させ、顔面に右ストレート、ボディーに左アッパーを連打します。
一方、チャンピオンのジョセフ・アグベコはガードを固めて後ろに下がりながらカウンターを狙う展開を強いられています。「アグベコがマレスのプレッシャーを感じてるよ。アグベコがこれだけ1ラウンドから下がるなんて珍しいな」と思っていると、1ラウンド残り40秒、ジョセフ・アグベコがアブネル・マレスの突進を止めようと左フックを強振し、バランスを崩してダウン。
「アグベコはめちゃめちゃ力が入ってるね。それだけマレスのプレッシャーが強いんだろうな」と思っていると、レフェリーがスリップではなく、パンチによるダウンと判断し、カウントを数え始めます。「ありゃ?パンチが当たってないような気が…」とリプレイを確認する管理人。リプレイを観る限り、スリップダウンのようです。ジョセフ・アグベコにとっては2ポイントを失ってしまった気の毒なダウンですね。
2ラウンドに入ると、一気に主導権を握りたいアブネル・マレスがジョセフ・アグベコを手数で圧倒します。「このままマレスがペースを握るかな?」と思った3ラウンド、ジョセフ・アグベコが主導権を渡すまいと反撃開始。自分から前へ出て鋭い左ジャブから力強い左フック、右ストレートのコンビネーションでアブネル・マレスの前進を止めようとします。
4ラウンド残り1分には、ジョセフ・アグベコがアブネル・マレスの左ジャブに合わせて右ストレートのカウンターを叩き込み、アブネル・マレスの腰が一瞬落ちます。「あ、効いた!」と思わず叫ぶ管理人。体が柔らかく、タフなアブネル・マレスでなければ、ダウンしてもおかしくない破壊力とタイミングでしたね。
ここから試合は一気にヒートアップ!ジョセフ・アグベコもアブネル・マレスも相手に主導権を握らせないよう、積極的にパンチを出し始め、リング中央で凄まじい打撃戦が展開されます。ジョセフ・アグベコは一撃の破壊力で、アブネル・マレスは急所を狙った的確なコンビネーションで、試合の主導権を握ろうとしていますね。
「すんごい試合になってきたな。アグベコもマレスも一歩も引かない凄まじい打ち合いだよ」と両者に拍手を送る管理人。ジョセフ・アグベコは右ストレート、アブネル・マレスは左ボディーブローを中心に力強いパンチを打ち込んでいます。お互いの意地とプライドがぶつかり合う我慢比べになってきました。
試合は一進一退の攻防が続き、迎えた11ラウンド残り1分。運命のいたずらが名勝負の行方を大きく左右します。もみ合いの打撃戦の中、アブネル・マレスが強烈な左ボディーブローをジョセフ・アグベコに叩き込みます。
「あ、低い!」と思った瞬間、ジョセフ・アグベコが下腹部を押さえながら、その場に崩れ落ちます。両者を分けるレフェリーのラッセル・モーラ。「マレスはローブローを注意され続けてきたんで、さすがに減点かな?」と思ったのですが、レフェリーの判断は正当なパンチによるダウン!きわどい接戦で、再び2ポイントを失ったジョセフ・アグベコ。めちゃめちゃ痛いダウンです。
12ラウンドに入ると、失ったポイントを取り戻そうとジョセフ・アグベコが右ストレートのカウンターを狙いますが、アブネル・マレスを打ち倒すことはできず、試合終了のゴングが鳴り響きます。結果は1人のジャッジが引き分け、2人のジャッジがアブネル・マレスを支持。アブネル・マレスがきわどい判定の末、ジョセフ・アグベコに12ラウンド判定勝ちを収めました。
アブネル・マレスとジョセフ・アグベコのプライドと闘志が真っ向からぶつかり合った素晴らしい打撃戦でしたね。めちゃめちゃ競っていた試合だけに、ジョセフ・アグベコにとってアンラッキーな2度のダウンが勝敗を左右したことが残念でした。試合内容は本当に素晴らしかったんですよ。
「もう一度、戦って決着をつけてほしいな。このままじゃ、アグベコが気の毒すぎるよ」と思っていると、2011年12月、アブネル・マレスとジョセフ・アグベコが再戦で決着をつけることが決定しました。両者の性格とボクシングスタイルを考えると、再戦も激しい打撃戦になること必至ですね。「最強決定戦の延長戦」が今から楽しみです。どっちが勝つかな?
ジョセフ・アグベコ対アブネル・マレスの試合結果
試合結果 | アブネル・マレスが12ラウンド2-0の僅差の判定勝ちでバンタム級トーナメント優勝すると同時に、初の世界タイトル奪取に成功しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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