マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーの試合内容(後編)
決意の王者対決!マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリー(前編)を読む
試合中盤に入り、地力の差を見せつけ始めたチャンピオンのマニー・パッキャオ。スタミナを一気に失い、大ピンチに陥る挑戦者のティモシー・ブラッドリーを手数で守勢に追いやる展開が続きます。
「ブラッドリー、いよいよ苦しくなってきたね。パッキャオはパンチを集めることができれば、ダウンを奪えそうじゃない?一気にKO勝ちもあり得るよ」とマニー・パッキャオの攻撃に注目する管理人。名立たる強豪を沈めてきた左ストレートが当たりそうな雰囲気になってきました。
ところが、ここからティモシー・ブラッドリーが驚異の粘りを発揮します。スタミナの消耗を避けるため、アウトボクシングに切り替え、鋭い左ジャブをポンポン突きながらポジションを変え、マニー・パッキャオの猛攻に耐え抜きます。口を開け、肩で呼吸をするティモシー・ブラッドリー。ギリギリの状態で、必死に戦っていますね。
ティモシー・ブラッドリーがアウトボクシングを駆使してマニー・パッキャオの追撃を回避する展開が続き、迎えた9ラウンド中盤。ティモシー・ブラッドリーが力を振り絞って接近戦を仕掛けます。マニー・パッキャオも真っ向から応戦。どちらもフラフラになりながらパンチを交換しています。
【Photo:The Ring Magazine】
「さすがのパッキャオも疲れてきたかな?反対に、ブラッドリーは少しずつ体に力が戻ってきたみたい。壮絶な死闘になってきたね」と死力を尽くして戦う両雄に拍手を送る管理人。抜群のスタミナを誇るマニー・パッキャオの動きが明らかに鈍ってきましたね。凄まじい激闘です。
試合終盤は、息を吹き返したティモシー・ブラッドリーが反撃する展開が続きます。疲れで動きの鈍ってきたマニー・パッキャオですが、最後までティモシー・ブラッドリーに決定的なチャンスを与えることなく、お互いが持ち味を発揮し、試合終了のゴングを迎えます。
「打ち倒すことはできなかったけど、パッキャオの攻撃的なボクシングがブラッドリーを後退させる展開だったね。ブラッドリーもよく粘ったよ。大善戦じゃないかな?」と両雄に拍手を送る管理人。ダウンこそ奪えませんでしたが、手数で上回ったマニー・パッキャオの勝利を確信していました。
ところが、3人のジャッジの採点は意外な結果でした。2人のジャッジがティモシー・ブラッドリー、1人のマニー・パッキャオを支持したのです。この瞬間、ティモシー・ブラッドリーがマニー・パッキャオに12ラウンド僅差の判定勝ちを飾り、2階級制覇を達成しました。マニー・パッキャオは7年ぶりの敗戦で、まさかの王座陥落です。
【Photo:The Ring Magazine】
思わず「うそーん!」と叫んでしまう採点結果でしたね!ジャブを高く評価する、いわゆる「ラスベガス・ポイント」の影響でしょうか?ティモシー・ブラッドリーがカジノの街でアメリカンドリームを手にした予想外の結末に驚いています。
かなり微妙な採点でしたが、勝ったティモシー・ブラッドリーが善戦したことは評価に値すると思います。前半でスタミナを消耗しながらも、マニー・パッキャオを相手によくあそこまで盛り返しましたね。
試合後のインタビューで「2ラウンドに足首を痛めた」と告白し、満身創痍の状態で戦っていたティモシー・ブラッドリー。マニー・パッキャオの代名詞である左ストレートを熱心に研究した成果が出た大金星だったと思います。
一方、敗れたマニー・パッキャオにとっては、めちゃめちゃ気の毒な結果になってしまいました。試合後のインタビューで「ベストを尽くしたけど、十分じゃなかったみたいだね。勝ったと思ったんだけど。ぜひ再戦したいね」と語りました。
管理人は、この敗戦でマニー・パッキャオの評価が下がることはないと思いますが、フロイド・メイウェザー戦の実現に大きな影響を与える黒星だったと思います。世界中のボクシングファンが期待する「パウンド・フォー・パウンド決定戦」は実現しないかもしれませんね。
衝撃の結末を迎えたチャンピオン対決。7年間勝ち続けてボクシング界の頂点にのぼり詰めたマニー・パッキャオのまさかの敗戦に驚きを隠せない管理人でした。ボクシングの切ない部分が出てしまった悲しいチャンピオン対決でした。
マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーの試合結果
試合結果 | ティモシー・ブラッドリーが12ラウンド2-1の判定勝ちで2階級制覇に成功。敗れたマニー・パッキャオは2005年3月以来、7年ぶりの敗戦で王座陥落。管理人の採点は116-112でマニー・パッキャオの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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