WBO世界ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ディミトリー・ピログ(ロシア) 戦績:19戦全勝15KO |
挑戦者 | 石田順裕(日本) 戦績:33戦24勝9KO7敗2分 |
ディミトリー・ピログと石田順裕選手の試合内容
日本の石田順裕(いしだ・のぶひろ)選手が2階級制覇をかけて全勝のディミトリー・ピログと激突するWBO世界ミドル級タイトルマッチ。2012年4月にJBCに引退届を提出し、敵地のロシアでWBOタイトルに挑戦する石田順裕選手に注目です!
試合は、石田順裕選手とディミトリー・ピログが左ジャブを突きながら、お互いのパンチを警戒する展開で始まります。石田順裕選手はジェームス・カークランドを沈めた連打、ディミトリー・ピログはダニエル・ジェイコブスを沈めた右ストレートを狙っていますね。
「石田選手はピログの鉄壁のブロックを連打で打ち破る作戦かな?攻防分離のピログに対して、コンパクトな連打は有効だよ。石田選手が手数で勝負して、ピログに休む時間を与えないよう戦いたいね」と石田順裕選手の立ち上がりに拍手を送る管理人。敵地のロシアで堂々とした戦いぶりですね。
3ラウンドに入ると、ディミトリー・ピログが力強い右ストレートを連打して、石田順裕選手にプレッシャーをかけます。石田順裕選手はガードでブロックした直後、コンパクトなパンチで応戦。ディミトリー・ピログが少しずつプレッシャーを強めてきましたね。
4ラウンドに入ると、ディミトリー・ピログが右ストレートに加えて、左フックを強振し始めます。ディミトリー・ピログは打ち合いながら、自分のペースに持っていこうとしていますね。一方の石田順裕選手も負けじとパンチを出して応戦していますが、ディミトリー・ピログにつられて、パンチが大振りになっているようです。
中盤以降も、ディミトリー・ピログの強打に対して、石田順裕選手が手数で応戦する展開が続きます。石田順裕選手はディミトリー・ピログのガードを上からパンチを打ち込んでいますが、明確なクリーンヒットを奪うことがなかなかできません。
反撃に出たい石田順裕選手ですが、10ラウンドにボディーブロー、最終ラウンドに強烈な左フックのカウンターを浴び、動きが止まってしまいます。序盤から激しい打ち合いを展開してきた石田順裕選手。限界ギリギリのところで戦っていますね。
試合は、お互いが中間距離でパンチを交換する展開が続き、12ラウンド終了のゴング。勝敗は3人のジャッジに委ねられます。結果は3人のジャッジすべてが大差でディミトリー・ピログを支持。ディミトリー・ピログが石田順裕選手に12ラウンド判定勝ちを飾り、3度目の防衛に成功しました。
ディミトリー・ピログの強打が石田順裕選手の連打を上回った試合でしたね。試合内容を考えると、採点結果ほど一方的な内容ではなかったと思いますが、結果的に、各ラウンドの1ポイントの積み重ねが大差の判定につながった試合だったと思います。
敵地ロシアのモスクワで2階級制覇を目指した石田順裕選手。決して悪いボクシングではなかったと思いますが、敵地でタイトルを獲得するためには、ダウンを含め、いかにして「3人のジャッジがポイントを与えるラウンド」を積み重ねることができるかが今度の課題になりそうです。海外でタイトルを奪取する難しさを改めて実感した試合でした。
ディミトリー・ピログと石田順裕選手の試合結果
試合結果 | ディミトリー・ピログが12ラウンド3-0の判定勝ちで3度目の防衛に成功。 【公式ジャッジの採点結果】
|