WBCシルバー・インターナショナル・ミドル級王座決定戦
元2階級制覇 チャンピオン |
ポール・ウィリアムス(アメリカ) 戦績:42戦40勝27KO2敗 |
元WBA暫定世界 スーパーウェルター級王者 |
石田順裕(日本) 戦績:32戦24勝9KO6敗2分 |
ポール・ウィリアムスと石田順裕(いしだ・のぶひろ)選手の試合内容
日本の石田順裕選手が再び大金星獲得を目指して、長身強打のポール・ウィリアムスと激突します。石田順裕選手は2011年4月、ジェームス・カークランドに衝撃の1ラウンドTKO勝ちを飾り、世界中のボクシングファンに衝撃を与えました。
ジェームス・カークランド戦の大金星が評価され、今回、石田順裕選手が対戦するボクサーは、驚異のリーチを誇る長身強打のポール・ウィリアムス。好戦的なサウスポーのポール・ウィリアムスは「最も戦いにくいボクサー」のひとりに数えられる強豪です。
石田順裕選手とポール・ウィリアムスの対戦はボクシングファンにとって夢のカード。ボクシングの本場、アメリカで、中量級の日本人ボクサーがメインイベントを飾る記念すべき試合に胸が高鳴ります。石田順裕選手は2階級制覇の実績を誇るポール・ウィリアムスを相手に再び大金星を手にすることができるでしょうか?
試合は、右ジャブを連打しながら距離をはかり、左ストレートを強振するサウスポーのポール・ウィリアムスに対して、石田順裕選手が真正面に立ち、コンパクトな左ジャブ、右ストレートで応戦する展開で始まります。石田順裕選手はポール・ウィリアムスのプレッシャーに飲み込まれることなく、堂々と戦っていますね。
2ラウンドに入ると、ポール・ウィリアムスがプレッシャーを強め、手数を増やして主導権を奪おうとします。リーチで30センチ近く上回るポール・ウィリアムスに中間距離からパンチを連打されると、石田順裕選手は苦しいので、一方的な展開を避けるため、打たれたら必ず打ち返したいですね。
【Photo:The Ring Magazine】
3ラウンドに入ると、ポール・ウィリアムスが距離を詰めて石田順裕選手にプレッシャーをかけ、接近戦の打ち合いで得意の連打を打ち込みます。2メートルを超えるリーチを誇るポール・ウィリアムスですが、接近戦の打ち合いを好むタイプで、積極的にパンチを打ち込み、手数で石田順裕選手を圧倒しようとしていますね。
ポール・ウィリアムスのプレッシャーの前に後退するボクシングが続く石田順裕選手ですが、「下がりっぱなし」というわけではなく、ポール・ウィリアムスの打ち終わりを狙って、鋭い左ジャブ、右ストレートを打ち込んでいます。ポール・ウィリアムスの連打に耐えながら、反撃のチャンスをうかがっていますね。
「ウィリアムスは攻撃に出ると、ガードが甘くなる傾向があるんで、石田選手のクリーンヒットで形勢が逆転する可能性は十分あるよ。実際、石田選手のコンパクトなパンチで、ウィリアムの顔面が腫れてきてるもんな」と石田順裕選手の応援に熱が入る管理人。
【Photo:The Ring Magazine】
試合が進むにつれて、石田順裕選手がポール・ウィリアムスのボクシングに慣れてきたのか、自分から前に出て接近戦の打ち合いを挑むシーンが増えます。大金星を狙う石田順裕選手が勝負をかけていますね。
「石田選手、勝負だよ。コンパクトなパンチを集めて主導権を握りたいな」と石田順裕選手のボクシングに注目する管理人。7ラウンドに入ると、石田順裕選手の猛攻に対して、ポール・ウィリアムスは顔面狙いからパンチを上下に打ち分ける作戦に切り替えたようです。
「上下に打ち分けられると、苦しいなあ。頑張れ、石田選手」と思っていると、8ラウンド開始直後、ポール・ウィリアムスが凄まじい集中打を上下に打ち分け、石田順裕選手を防戦一方に追い込みます。「主導権は絶対に渡さない」という気迫が感じられるポール・ウィリアムスの猛攻です!
試合終盤もお互いがもみ合いながらパンチを交換する激しい消耗戦が続き、どちらも最後までノックアウトを狙う気持ちのこもった展開のまま、12ラウンド終了のゴング。勝敗は3人のジャッジに委ねられます。
結果は3人のジャッジすべてがフルマークでポール・ウィリアムスを支持。2階級制覇の実績を誇るポール・ウィリアムスが大金星を狙った石田順裕選手を12ラウンド判定勝ちで退け、世界中のボクシングファンに潜在能力の高さを改めて証明しました。
【Photo:The Ring Magazine】
ポール・ウィリアムスの回転の速い連打が石田順裕選手のコンパクトなパンチを上回った試合でしたね。ポール・ウィリアムスの「圧倒的な勝利」という展開ではありませんでしたが、1ラウンド1ラウンドの積み重ねがフルマークの採点につながった内容だったと思います。
12ラウンドを終えて、「世界の壁は厚いなあ」と思いましたが、「日本人の中量級ボクサーが世界的な強豪を相手に十分勝負できる」ということを感じさせてくれた試合でした。敗れた石田順裕選手ですが、石田順裕選手の挑戦は高く高く評価されるべきだと思います。
「プロボクサーの評価は勝敗だけで判断できない。誰と戦い、どんな試合をして、ボクシングファンの記憶に残るか、それがすべてだ」。管理人が応援しているミゲール・コットの言葉です。
大舞台でフルマークの判定負けを喫した石田順裕選手。しかし、その敗北は、日本人のボクサーとボクシングファンに勇気を与える、誇り高き敗北でした。「負けても、かっこいい」。石田順裕選手の戦う姿勢に「真のプロボクサー、真のプロスポーツ選手」を感じたファンは管理人だけではないと思います。
ポール・ウィリアムスと石田順裕選手の試合結果
試合結果 | ポール・ウィリアムスが12ラウンド3-0のフルマークの判定勝ち。 【公式ジャッジの採点結果】
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