WBC世界ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ) 戦績:48戦46勝32KO1分1無効試合 |
挑戦者 | セルヒオ・マルチネス(アルゼンチン) 戦績:53戦49勝28KO2敗2分 |
フリオ・セサール・チャベス・ジュニア対セルヒオ・マルチネスの試合内容(前編)
メキシコが誇る若きファイターのフリオ・セサール・チャベス・ジュニアとアルゼンチンが誇る超絶テクニシャンのセルヒオ・マルチネスが激突するWBC世界ミドル級タイトルマッチ。世界中のボクシングファンが待ちわびた夢の新旧対決がついに実現の日を迎えました。
26歳のフリオ・セサール・チャベス・ジュニアが新しい「伝説の続き」を描くのでしょうか?それとも、37歳のセルヒオ・マルチネスが「驚異の男」の存在感を発揮するのでしょうか?激闘の幕開けを告げる決戦のゴングが鳴り響きます。
【Photo:The Ring Magazine】
試合は、サウスポーのセルヒオ・マルチネスが鋭い右ジャブを連打し、左ストレートを上下に打ち分ける展開で始まります。一方、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアはガードを固めてセルヒオ・マルチネスのパンチをブロックすることに専念していますね。
「ありゃ?マルチネスのパンチでチャベス・ジュニアが後退してる。チャベス・ジュニアはプレッシャーを感じているのかな?開始直後からガンガン距離を詰めてくると思ったんだけど、ちょっと意外だなあ」と立ち上がりの両者に注目する管理人。
体格、タフネス、スタミナで上回るフリオ・セサール・チャベス・ジュニアはセルヒオ・マルチネスのパンチをブロックしながら距離を詰めて、得意のボディーブローから顔面へパンチを返したいところですが、なかなか手が出ません。
「ん?パンチが出ないんじゃなくて、出さないのかな?チャベス・ジュニアはマルチネスにわざとパンチを打たせて、スタミナの消耗を狙っているのかも。どうだろう、この作戦が吉と出るかな?凶と出るかな?」とフリオ・セサール・チャベス・ジュニアの作戦に興味津々の管理人。
【Photo:The Ring Magazine】
一方、ベテランのセルヒオ・マルチネスは、左右に軽快なステップを踏みながら、右ジャブを連打し、確実にオープニング・ラウンドのポイントを奪った印象です。
フリオ・セサール・チャベス・ジュニアがガードをガッチリと固めているので、いつものセルヒオ・マルチネスに比べて、左ストレートをボディーへ打つ回数が多いですね。
2ラウンドに入ると、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアがセルヒオ・マルチネスのパンチをブロックしながら距離を詰め、体ごとロープへ押し込んで、強烈な左左フックを連打します。
セルヒオ・マルチネスは回転の速い連打で応戦していますが、ロープを背負った展開はできるだけ避けたいですね。フリオ・セサール・チャベス・ジュニアは3ラウンドも距離を詰めてショートの左フックと右アッパーを連打。ジワリジワリとセルヒオ・マルチネスを追い詰めます。
フリオ・セサール・チャベス・ジュニアはある程度の被弾を覚悟して、相打ち覚悟で距離を詰めに行っていますね。手数はセルヒオ・マルチネスが一枚も二枚も上手ですが、パワーと体の強さのフリオ・セサール・チャベス・ジュニアが一枚も二枚も上手なようです。
【Photo:The Ring Magazine】
「マルチネスは空間を潰されて、ロープを背負うと苦しいなあ。チャベス・ジュニアの良さが生きてくるよ。マルチネスがムキになって打ち合いに応じると、チャベス・ジュニアにとって戦いやすい展開になりそうだぞ」とセルヒオ・マルチネスのボクシングに注目する管理人。
4ラウンドに入ると、両者の距離がますます接近し、パンチを交換する展開が続きます。「チャベス・ジュニアはこのまま距離を詰めることができたら、後半勝負に持ち込めそうだよ。マルチネスは体力的にも精神的にもかなりつらそうだね」と試合の行方を見守る管理人。
セルヒオ・マルチネスが主導権を握りながらも、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアが必死に食い下がり、自分の土俵に引きずり込もうとする展開が続き、迎えた4ラウンド終了間際。試合の行方を大きく左右するパンチが放たれます。
タイミングを計算していたセルヒオ・マルチネスが、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの左フックに合わせて、強烈な左ストレートを顔面に叩き込みます!フリオ・セサール・チャベス・ジュニアが攻撃に出てきたことで、セルヒオ・マルチネスのカウンターが火を噴きましたね。
【Photo:The Ring Magazine】
セルヒオ・マルチネスの左ストレートをきっかけに、パンチを出しながら距離を詰めていたフリオ・セサール・チャベス・ジュニアが、セルヒオ・マルチネスのパンチを警戒するようになり、少しずつ手数が減っていきます。
6ラウンドに入ると、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの鼻から出血が始まり、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアは鼻血を気にしながら戦う苦しい戦いに追い込まれてしまいます。
7ラウンドに入ると、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの手数が減ったことで、セルヒオ・マルチネスが再びフットワークを使ったボクシングに切り替えます。
セルヒオ・マルチネスが、フリッカー気味の右ジャブから得意の左ストレートを上下に打ち分けながらフリオ・セサール・チャベス・ジュニアにパンチを叩き込み、上手にスタミナをセーブして戦う展開になってきました。