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大熱戦の行方は?ティモシー・ブラッドリー対ルスラン・プロボドニコフ(前編)

WBO世界ウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)
戦績:30戦29勝12KO1無効試合
挑戦者 ルスラン・プロボドニコフ(ロシア)
戦績:23戦22勝15KO1敗

ティモシー・ブラッドリー対ルスラン・プロボドニコフの試合内容(前編)

2階級制覇チャンピオンのティモシー・ブラッドリーが、タフネスと強打を誇るルスラン・プロボドニコフを迎えてWBO世界ウェルター級タイトルの初防衛戦を行います。世界中のボクシングファンが待ちに待ったティモシー・ブラッドリーの初防衛戦ですね。

2012年6月、マニー・パッキャオに勝利し、一躍スターダムにのし上がったティモシー・ブラッドリー。真価が問われる初防衛戦で、強豪のルスラン・プロボドニコフを退けることができるでしょうか?注目の大一番は、序盤から手に汗握る大熱戦になりました!

試合は、上半身を振りながら距離を詰め、強打を打ち込もうとする挑戦者のルスラン・プロボドニコフに対して、チャンピオンのティモシー・ブラッドリーが左ジャブを突きながら距離を保つ展開で始まります。ルスラン・プロボドニコフは立ち上がりから勝負に出てますね。

「プロボドニコフは気合い十分だね。ブラッドリーも負けてないよ。意外とかみ合うかもしれないなあ」と思っていると、1ラウンド残り30秒、ルスラン・プロボドニコフがティモシー・ブラッドリーの連打に合わせて、強烈な右ストレートのカウンターを叩き込みます。

「めっちゃ効いた!」と思わず叫ぶ管理人。ティモシー・ブラッドリーはルスラン・プロボドニコフにクリンチして追撃を回避しましたが、足元がおぼつかず、ゴロンと倒れてしまいます。レフェリーの判断はスリップダウン。でも、ダメージはめっちゃ深いですね。

スリップダウンするティモシー・ブラッドリー
【Photo:The Ring Magazine

「ブラッドリーが打ち合いに行ったところへ強烈なカウンターをもらっちゃったね。序盤の打ち合いは絶対に避けると思ったけど、パッキャオ戦の批判が無意識のうちに攻撃にシフトさせちゃったのかな?プロボドニコフは絶好のチャンスだよ」と予想外の立ち上がりに驚く管理人。

2ラウンドに入ると、ティモシー・ブラッドリーが距離を取って、ダメージ回復に努めようとします。しかし、ルスラン・プロボドニコフが襲いかかり、休む時間を与えません。ルスラン・プロボドニコフは試合を決めようと総攻撃を仕掛けていますね。

「2ラウンドは勝負のラウンドになりそうだなあ」と思っていると、1ラウンド1分、ルスラン・プロボドニコフの右ストレートがティモシー・ブラッドリーのテンプルにヒットし、ティモシー・ブラッドリーがバランスを崩します。

右ストレートを打ち込むルスラン・プロボドニコフ
【Photo:The Ring Magazine

一気に勝負に出るルスラン・プロボドニコフは、力強いフックを連打。ティモシー・ブラッドリーもパンチを出して必死に応戦しています。どちらも攻撃重視のボクシングで、かなり被弾していますね。すさまじい打ち合いになってきました!

「ブラッドリーが最も避けたい展開になってきたなあ。逆に、プロボドニコフは苦しいけど、理想的な展開だよ」と思っていると、2ラウンド残り30秒、ルスラン・プロボドニコフの左フックがティモシー・ブラッドリーの顔面をとらえ、ティモシー・ブラッドリーがヨロヨロとロープへ後退します。

「ぎょえー、めっちゃ効いた!ロープがなかったら、ダウンしてるよ」と思った瞬間、ルスラン・プロボドニコフが距離を詰め、体重を乗せた左右のフックを強振します。あと一発、当たれば、ティモシー・ブラッドリーが倒れるどころか、試合が終わりそうな雰囲気です。

しかし、ティモシー・ブラッドリーは、大きなダメージを抱えながらも、打ち合って絶体絶命のピンチを乗り越えます。「プロのリングで最大のピンチ」と言っても過言でないほどのダメージを負ったティモシー・ブラッドリーですが、プライドと気迫で耐え抜きましたね。

打ち合う両雄
【Photo:The Ring Magazine

「すごいラウンドだったなあ。攻撃し続けたプロボドニコフもすごいけど、耐えきったブラッドリーもさすがだよ。ブラッドリーじゃなかったら、絶対に終わってるもん。とんでもない激闘になってきたね。こりゃ、目が離せないよ」と大熱戦にテンションが上がりまくりの管理人。

3ラウンドに入ると、ティモシー・ブラッドリーが左ジャブを突きながら距離を取り、完全なアウトボクシングに切り替えます。一方のルスラン・プロボドニコフは、2ラウンドの打ち疲れの影響でしょうか、前進してプレッシャーをかけるのですが、パンチが出ません。

「プロボドニコフ、疲れちゃったかな?2ラウンドにブラッドリーのカウンターをもらっていたんで、ダメージの影響もあったのかな?ブラッドリーにダメージ回復のチャンスを与えちゃったね。ブラッドリー、少しずつ足に力が戻ってきてるよ」と両者のダメージとスタミナに注目する管理人。

4ラウンドに入ると、ティモシー・ブラッドリーがステップを踏みながら本来のリズムを取り戻し始めます。4ラウンド残り50秒には、右アッパーから左フックを返し、得意のコンパクトで回転の速いパンチを連打!ティモシー・ブラッドリーは体に力が戻ってきましたね。

一方、ルスラン・プロボドニコフは、大きいパンチを狙いすぎているのか、疲れとダメージの影響なのか、パンチが全く出なくなっちゃいました。前進して距離を詰めるのですが、ティモシー・ブラッドリーの回転の速い連打をもらって、ダメージが蓄積してしまう悪循環に陥っています。

5ラウンドに入ると、ティモシー・ブラッドリーが足を止めた打ち合いに応じる場面が増え、再び激しい打撃戦が展開されます。序盤は、体の押し合いで負けていたティモシー・ブラッドリーですが、打ち合いと押し合いでルスラン・プロボドニコフを後退させる場面が増えてきましたね。

「プロボドニコフのほうがスタミナが切れて、体に力が入っていない印象だね。ダメージはまだ残っているはずだけど、ブラッドリーはよく持ち直したなあ。プロボドニコフは頑張りどころだよ」と両者のボクシングに注目する管理人。

驚きの打ち合いで幕を開けたティモシー・ブラッドリー対ルスラン・プロボドニコフの大熱戦。試練を乗り越えたティモシー・ブラッドリーが本来のボクシングとリズムを取り戻し、リングに静けさが戻ってきたかに思われました。しかし、両者の激突は6ラウンドに入り、再び激しさを増すようになります。

次の記事 ティモシー・ブラッドリー対ルスラン・プロボドニコフ(後編)へ続く
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