WBA世界ミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン) 戦績:25戦全勝22KO |
挑戦者 | 石田順裕(日本) 戦績:34戦24勝9KO8敗2分 |
ゲンナディ・ゴロフキンと石田順裕選手の試合内容
2階級制覇を目指す日本の石田順裕選手がモナコに乗り込んで、全勝チャンピオンのゲンナディ・ゴロフキンに挑戦します。海外で強いボクサーと戦い続けている石田順裕選手。世界中のボクシングファンが注目する大一番で、再び世界を驚かすことができるでしょうか?
試合は、左ジャブを突きながらジワジワとすり足で近寄り、プレッシャーをかける挑戦者の石田順裕選手に対して、チャンピオンのゲンナディ・ゴロフキンが左右に動きながら距離を取り、左ジャブを突きながら左右のフックを狙う展開で始まります。
「なぬっ!石田選手は打ち合う気満々だよ。ゴロフキンを前に出させないために、自分から仕掛けている印象だね。左ジャブだけじゃゴロフキンの前進は止まらないんで、石田選手は右ストレートにつなげたいなあ」と予想外の立ち上がりに大興奮の管理人。
2ラウンドに入ると、チャンピオンのゲンナディ・ゴロフキンがプレッシャーを強め、両者の距離が詰まります。ゲンナディ・ゴロフキンは左ジャブの数を増やして、石田順裕選手にプレッシャーをかけていますね。
【Photo:The Ring Magazine】
「うわっ!ゴロフキンが出てきたね。前に出ると、手数が一気に増えるなあ。ガードで防ごうとすると、ゴロフキンの回転がドンドン上がってくるんで、石田選手はパンチを打って止めたいなあ。勝負だよ、石田選手!」と応援に力が入る管理人。
1ラウンド残り1分には、ゲンナディ・ゴロフキンが強烈な右ストレートを石田順裕選手の顔面に叩き込みます。石田順裕選手は気合いを入れ直して応戦しますが、石田順裕選手の動きが少しずつ鈍ってきた印象です。
「ゴロフキンのパンチ力はすごいなあ。タフな石田選手がフラフラしてるよ。ゴロフキンは、クリーンヒットだけでなく、ガードの上からでもパンチを効かすことができるもん。石田選手はダメージが深くなる前に勝負にいきたいなあ。頑張れ、石田選手!」と前のめりになって応戦する管理人。
3ラウンドに入ると、石田順裕選手が得意の右ストレートを打ち始め、ゲンナディ・ゴロフキンの前進を止めようとしますが、ゲンナディ・ゴロフキンは丁寧にブロックしながら前進を続けます。
ゲンナディ・ゴロフキンが石田順裕選手の左ジャブをヘッドスリップでかわすシーンが増え、迎えた3ラウンド残り1分。ゲンナディ・ゴロフキンが石田順裕選手をロープに詰め、思い切りよく踏み込んで強烈な右フックを叩き込みます。
【Photo:The Ring Magazine】
ゲンナディ・ゴロフキンのベストショットをもらってしまった石田順裕選手は、後ろへ倒れ込み、ロープに打ちつけられる壮絶なダウン。次の瞬間、レフェリーが試合をストップし、勝負あり。ゲンナディ・ゴロフキンが3ラウンドKO勝ちで7度目の防衛に成功しました。
石田順裕選手が崩れ落ちたときは言葉を失っちゃいました。めっちゃ悔しいのですが、「ゴロフキン、強いなあ」としか言えない完璧な試合運びだったと思います。タフな石田順裕選手が2ラウンドでかなり深いダメージを負っていましたからね。
ゲンナディ・ゴロフキンが7度目の防衛に成功したことで、ミドル級戦線は王座統一戦をはじめ、ビッグマッチの実現が加速しそうな雰囲気になってきました。まだ底を見せていないゲンナディ・ゴロフキンのポテンシャルにますます注目ですね。
【Photo:The Ring Magazine】
ミドル級は世界屈指の強豪が集結するクラスです。個人的に、スピードならWBCチャンピオンのセルヒオ・マルチネス、タフネスならフリオ・セサール・チャベス・ジュニア、身体能力ならWBOチャンピオンのピーター・クイリン、総合力ならディミトリー・ピログが頭ひとつ抜けていると思います。
ゲンナディ・ゴロフキンは、すべてにまとまりのあるボクサーで「誰にでも勝てそうな気がする」と思う反面、「みんなに負ける可能性もあるんじゃないかな?」と思っています。攻撃力はピカイチですが、ミドル級のトップボクサーはみんな倒せるパンチを持っていますからね。
ただ「まだまだ強くなりそうなポテンシャルを秘めているボクサーは誰か?」と聞かれたら、迷わずゲンナディ・ゴロフキンを選びます。「戦うたびに強くなる姿」こそ、ゲンナディ・ゴロフキンの最大の魅力だと思うんですよ。ヒーローの条件がそろっているボクサーですね。
石田順裕選手にKO勝ちを飾り、ビッグマッチが期待されるゲンナディ・ゴロフキン。対戦相手がますます強くなり、真価が問われる2013年は、ゲンナディ・ゴロフキンの大きなターニングポイントになりそうです。石田順裕選手の勇敢な戦いぶりに胸が熱くなった名勝負でした。
ゲンナディ・ゴロフキンと石田順裕選手の試合結果
試合結果 | ゲンナディ・ゴロフキンが3ラウンドKO勝ち。7度目の防衛に成功しました。 |