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魂のリマッチ!ブランドン・リオス対マイク・アルバラードの再戦(後編)

ブランドン・リオス対マイク・アルバラードの試合観戦レビュー(後編)

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7ラウンドに入ると、マイク・アルバラードが右ストレートから左アッパーのコンビネーションでブランドン・リオスの前進を食い止め、パンチを打ち終わると、さっとサイドに移動して、距離を取るボクシングで主導権を握ります。

「アルバラードはリズムが出てきたね。打って、すぐに離れるボクシングは、リオスにとって、最も嫌な攻撃だもん。アルバラードのペースになってきたよ」と思い始めた8ラウンド1分すぎ、マイク・アルバラードの右ストレートがブランドン・リオスの顔面にクリーンヒットします。

「抜群のカウンター!リオスじゃなかったら、倒れてるよ。うわっ、リオスが出てきた!信じられない打たれ強さだなあ」と思っていると、8ラウンド終了間際、マイク・アルバラードがコンパクトなパンチを連打し、ブランドン・リオスを防戦一方に追い込みます。

「打たれたリオスもめっちゃ苦しそうだけど、打ってるアルバラードもめっちゃ苦しそうな表情だね。お互いにギリギリのところで戦っているんだろうなあ。ラスト4ラウンド、いろんな意味で両者の技量が問われるラウンドになりそうだぞ」と期待を裏切らない名勝負に大きな拍手を送る管理人。

9ラウンドに入ると、マイク・アルバラードがフットワークを使い始め、これまで以上に大きく動くようになります。ブランドン・リオスの左フックをもらって右目の周りが大きく腫れているマイク・アルバラード。スタミナ的に厳しい終盤での打ち合いを避け、テクニックで勝負していますね。

一方のブランドン・リオスは、ガードを固めて距離を詰め、射程圏内に入ると、上下にパンチを連打するボクシングを貫きます。ただ、ダメージと疲れの影響で、さすがのブランドン・リオスも手数が減ってきましたね。パンチと動きにキレがなくなってきている印象です。

「リオスが左ジャブを突くと、アルバラードはガードを固めるんで、リオスはもっと詰めやすくなると思うんだけどなあ。右ストレートのカウンターを警戒しているのかな?リオスは距離を詰めようとして、打たれて、逃げられる厳しい終盤だね」とブランドン・リオスの奮起に期待する管理人。

必死に前進を続けるブランドン・リオスですが、終盤4ラウンドは、マイク・アルバラードが大きく距離を取って、アウトボクシングに徹し、ブランドン・リオスに連打を許さない展開が続きます。

試合は、マイク・アルバラードがブランドン・リオスの強打をかわして、カウンターを打ち込む展開のまま、試合終了のゴングを迎えます。結果は3人のジャッジに委ねられ、全員がマイク・アルバラードを支持。マイク・アルバラードがリベンジを果たし、悲願の世界タイトル奪取に成功しました。

再戦もすさまじい激闘でしたね!結果的に、マイク・アルバラードのテクニックが、ブランドン・リオスの強打を封じ込めた試合だったと思います。個人的には、マイク・アルバラードの「打ち合いを我慢して、アウトボクシングに徹する姿」がめちゃめちゃ印象的な内容でした。

マイク・アルバラードが終盤の4ラウンドで徹底的にアウトボクシングをしていなければ、ブランドン・リオスが捕まえるチャンスはもっと増えていたと思います。「アルバラードはいろんな意味で辛抱したなあ」と思える終盤戦でした。

初戦と比べて、打ち合うシーンは減ってしまいましたが、初戦で敗れたボクサーの視点で考えると「再戦で勝利を引き寄せるための教科書」のような試合だったと思います。マイク・アルバラード陣営の作戦が的中した試合でしたね。

一方、プロ初黒星を喫したブランドン・リオスですが、ファンの評価が下がることは、ほとんどない気がします。個人的に「リオスらしさに徹した、リオスらしい初黒星だなあ」と思いました。敗れはしましたが、ファンが期待する「リオスの戦う姿」をリングで目にすることができた再戦でした。

1勝1敗で幕を閉じた魂の名勝負。マイク・アルバラードの初黒星はブランドン・リオスに喫した1敗、ブランドン・リオスの初黒星はマイク・アルバラードに喫した1敗なので、将来的に、ラバーマッチで決着をつける流れになりそうですね。

ただ、個人的に、マイク・アルバラードもブランドン・リオスも別のボクサーと戦って、それぞれの道でキャリアを積んだあとに、第3戦で決着をつけてほしいと願っています。少し間をあけたほうが、いろんな意味でおもしろくなるんじゃないかな?

2人とも実力と人気を兼ね備えたボクサーなので、別のボクサーと戦って、新しい名勝負をボクシングの歴史に刻んでほしいです!ブランドン・リオスとマイク・アルバラードが、ダニー・ガルシアやルーカス・マティセと戦う日が来るとうれしいなあ。実現は難しいかな?

ブランドン・リオス対マイク・アルバラードの試合結果

試合結果 マイク・アルバラードが12ラウンド判定勝ち。初の世界タイトル奪取とリベンジに成功しました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 115-113
  • 115-113
  • 114-113
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