エイドリアン・ブローナー対マルコス・マイダナの試合内容（後編）

挑戦者のマルコス・マイダナが全勝チャンピオンのエイドリアン・ブローナーからダウンを奪い、幕を開けた激闘。フィジカルとメンタルの強さが試される極限の攻防が続き、後半の7ラウンドへ突入します。オーバーペースを覚悟で立ち上がりから飛ばしたマルコス・マイダナの動きが鈍り始め、エイドリアン・ブローナーのパンチがヒットする場面が増えてきました。

「マイダナの動きがガクンと鈍っちゃったね。逆に、ブローナーは自分の距離をキープして、リズムが生まれてきたみたい。マイダナは苦しくなってきたなあ」と思い始めた8ラウンド、劣勢だったマルコス・マイダナが再び左フックを叩き込み、エイドリアン・ブローナーからダウンを奪います！

「うそっ！そんなに強いパンチじゃなかったと思うんだけどなあ。ブローナーのダメージは見た目よりずっと深いんだね」と予想外のダウンに驚きまくりの管理人。2度目のダウンを奪い、息を吹き返して攻め込むマルコス・マイダナですが、クリンチをして耐え抜こうとするエイドリアン・ブローナーに頭突きをしてしまい、試合が中断します。

【Photo:Showtime】

「うわっ、もったいない！完全に気持ちが先走っちゃったなあ。マイダナも限界のところで戦っている証拠だよ。1ポイント減点されて、しかも、ブローナーに休む時間を与えちゃったことが試合にどんな影響を与えるかな？」と刻一刻と変化する戦況に釘付けの管理人。試合が再開されると、マルコス・マイダナが再びエイドリアン・ブローナーに襲いかかります。

力強いパンチを連打して、エイドリアン・ブローナーにプレッシャーをかけ、9ラウンドに強烈な左フックを叩き込みます。エイドリアン・ブローナーは一瞬フラフラになりますが、大きく距離を取って、追撃を回避。どちらもダメージと疲れの影響で、フラフラになりながら戦っています。

極限の攻防が続き、迎えた12ラウンド開始直後、エイドリアン・ブローナーが右ストレートをクリーンヒットさせ、マルコス・マイダナが大きく後退。「あれ？体が動かないんで、わざと呼びこんでる気もするけど、ダメージで後退してるのかな？」とマルコス・マイダナの状態を気にしていると、エイドリアン・ブローナーが攻勢を強め、最後の勝負に出ます。

【Photo:Showtime】

パンチを上下に打ち分けながら前進するエイドリアン・ブローナー。一方のマルコス・マイダナは、エイドリアン・ブローナーを呼び込んで、強烈なフックで応戦します。エイドリアン・ブローナーの上下に打ち分けるパンチも入っていますが、マルコス・マイダナの強烈な左フックも入っています。

試合は最後の1秒まで、お互いがパンチを打ち合う攻防が続き、終了のゴング。極限の死闘の勝敗は3人のジャッジに委ねられます。結果は3人のジャッジすべてがマルコス・マイダナを支持。マルコス・マイダナが大激戦の末、全勝のエイドリアン・ブローナーに12ラウンド判定勝ちを飾り、2階級制覇を達成しました。敗れたエイドリアン・ブローナーは無念のプロ初黒星です。

最後から最後まで、お互いが死力を尽くして戦い抜いた極限の激闘でしたね！勝ったマルコス・マイダナも敗れたエイドリアン・ブローナーも最後の1秒まで勝利を目指して戦った名勝負だったと思います。興奮しすぎて、魂が激しく抜けちゃいました。

【Photo:Showtime】

最初から最後まで迷いなく戦ったマルコス・マイダナ。立ち上がりに強打を浴びて最後まで迷いを振り払えなかったエイドリアン・ブローナー。結果論になっちゃいますけど、お互いの「迷いの差」が勝敗を分ける大きなポイントになった気がします。エイドリアン・ブローナーは「プレッシャーをかけて戦うか、距離を取って戦うか」を最後まで迷っていた印象でした。

一方、マルコス・マイダナは「勝つならKOしかない」の予告通り、オーバーペースを覚悟で攻めのボクシングを貫きましたね。中盤、左ジャブの突き合いで「分が悪い」と判断すると、疲れを抱えながらも、再びプレッシャーをかけて強いパンチを打ち込むボクシングに切り替え、傾きかけていた流れを引き寄せました。マルコス・マイダナとロバート・ガルシアの英断に特大の拍手です！

断固たる決意で、若きスーパースターのエイドリアン・ブローナーを撃破したマルコス・マイダナ。母国アルゼンチンを飛び出し、アメリカで強豪と戦いながらビッグマッチのチャンスをつかんだ「生粋のハードパンチャー」が2階級制覇を成し遂げ、ウェルター級の主役に躍り出た名勝負でした。マルコス・マイダナの果てないアメリカンドリームは最高の形で2014年に続きます！

エイドリアン・ブローナー対マルコス・マイダナの試合結果