WBOインターコンチネンタル・ミドル級王座決定戦(10回戦)
WBO世界ミドル級1位 | マット・コロボフ(ロシア) 戦績:23戦全勝14KO |
WBO世界ミドル級4位 | ホセ・ウスカテギ(ベネズエラ) 戦績:22戦全勝18KO |
マット・コロボフ対ホセ・ウスカテギの試合内容
世界タイトル挑戦を視野に入れるランキング1位のマット・コロボフとアメリカ初登場となるランキング4位のホセ・ウスカテギが激突するミドル級サバイバルマッチ。世界タイトル挑戦へ近づくボクサーは、テクニシャンのマット・コロボフでしょうか?それとも、ファイターのホセ・ウスカテギでしょうか?
試合は、ガードを構えて左ジャブを突きながら自慢の強打を打ち込むタイミングを狙うホセ・ウスカテギに対して、マット・コロボフが右ジャブを突きながら左ストレートを上下に打ち分ける展開で始まります。お互い、鋭いジャブを突き合いながら、相手の戦力を観察している印象です。
「うわっ、すごい主導権争い!どっちが先にジャブの次のパンチを当てるかな?」と思っていると、1ラウンド終了間際、マット・コロボフが最短距離を走るコンパクトな左ストレートを打ち込み、ホセ・ウスカテギの顔面が跳ね上がります!オリンピック出場をはじめ、アマチュアで十分なキャリアを誇るマット・コロボフはパンチを当てる技術にめちゃめちゃ優れていますね。
【Photo:HBO】
3ラウンドに入り、ホセ・ウスカテギがプレッシャーを強め、両雄の距離が詰まります。クリーンヒットこそありませんが、距離が詰まると、ホセ・ウスカテギのボクシングに躍動感が生まれますね。逆に、マット・コロボフは少し戦いづらそうな印象です。ホセ・ウスカテギがもう少し手数を増やして強引に攻めれば、突破口を切り開けそうな雰囲気になってきました。
主導権争いが続き、迎えた5ラウンド中盤。マット・コロボフがショートの左フックを顔面に叩き込み、ホセ・ウスカテギが一瞬フラフラになります。「コロボフのペースになるかな?」と思ったのですが、クリンチや押し合いが増えた影響でしょうか?マット・コロボフが急に失速し、ホセ・ウスカテギが攻め込むシーンが増えます。マット・コロボフはかなり疲れている印象です。
「あれ?コロボフ、どうしたんだろう?絶好のチャンスだったんだけどなあ」と思っていると、7ラウンド30秒、マット・コロボフが強烈な右フックを叩き込み、ホセ・ウスカテギからダウンを奪います。一気に攻勢を強めるマット・コロボフは再び強烈な右フックを叩き込み、立て続けにダウンを奪います。ホセ・ウスカテギはマット・コロボフの右フックが見えてないのかもしれませんね。
【Photo:HBO】
「完璧なタイミングの右フックだよ。ありゃ?2度ダウンを奪ったコロボフがまた失速してる。急に良くなったり、悪くなったり、つかみどころのないボクサーだなあ」とマット・コロボフのコンディションを確認する管理人。マット・コロボフは疲れの影響でガクンと動きが鈍ってきたようです。2度ダウンを奪われたホセ・ウスカテギのほうが元気に見える不思議な試合ですね。
終盤は、前進するホセ・ウスカテギに対して、マット・コロボフが必死に応戦する展開が続き、試合終了のゴングが鳴り響きます。勝敗は3人のジャッジにゆだねられ、3人のジャッジすべてがマット・コロボフを支持。2度のダウンを奪ったマット・コロボフがホセ・ウスカテギに10ラウンド判定勝ちを飾り、全勝ランカー対決に勝利しました。
マット・コロボフの良い部分と悪い部分が顕著に出た試合でしたね。全勝をキープしたマット・コロボフは次戦でWBOチャンピオンのピーター・クイリンに挑戦する予定です。世界タイトルマッチは12ラウンド勝負。スタミナの不安を露呈(ろてい)したマット・コロボフですが、世界戦の前に課題が見えたことはよかったのかもしれませんね。ピーター・クイリン戦がまとまるといいなあ。
マット・コロボフ対ホセ・ウスカテギの試合結果
試合結果 | マット・コロボフが10ラウンド判定勝ち。2度のダウンを奪い、全勝ランカー対決に勝利しました。 【公式ジャッジの採点結果】
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