究極のスピード対決!フロイド・メイウェザー対シェーン・モズリー(前編)を読む
ボクシング界最速のスピードと卓越した戦術眼で、試合の主導権を取り返したフロイド・メイウェザー。7ラウンド開始直後から勝負に出るシェーン・モズリーのワンツーをことごとくかわし、ラウンド中盤には、強烈な右ストレートを連打します。スタミナが切れ、スピードが落ちてきたシェーン・モズリーはパンチをまともにもらう場面が増えてきました。
何とかしようと前へ出るシェーン・モズリーですが、手数が少なく、足がついてこないため、バランスが悪く、そこをフロイド・メイウェザーに狙われ、カウンターをもらってしまう悪循環に陥っています。管理人は、こんなに不安そうな表情を浮かべながら戦うシェーン・モズリーを初めて観ました。オスカー・デラホーヤに2度勝利し、アントニオ・マルガリートを完膚なきまで打ちのめしたシェーン・モズリーが、どこを攻撃すればいいのか、どうやってディフェンスすればいいのか、完全に迷っています。
9ラウンドに入ると、シェーン・モズリーが完全に失速し、ラウンド中盤には、シェーン・モズリーのワンツーをかわしたフロイド・メイウェザーがショートの右フックを打ち込み、シェーン・モズリーの足元がふらつきます。さらに、ラウンド終了間際には、フロイド・メイウェザーの強烈な右ストレートがシェーン・モズリーのアゴへクリーンヒット!フロイド・メイウェザーがその気になれば、シェーン・モズリーを倒せそうなくらい深いダメージを与えています。
その後は、フロイド・メイウェザーがシェーン・モズリーの動きを完全に見切り、やりたい放題で試合が進みます。試合終盤になると、さすがのフロイド・メイウェザーも疲れが出始めますが、シェーン・モズリーに反撃する機会を与えず、完璧に試合を支配。結局、12ラウンドの死闘の末、フロイド・メイウェザーがシェーン・モズリーに大差の判定勝ちを収め、「究極のスピードスター対決」に快勝しました。
終わってみると、フロイド・メイウェザーがシェーン・モズリーを圧倒した試合でしたね。シェーン・モズリーが2ラウンドにフロイド・メイウェザーをぐらつかせた時は「メイウェザーがKO負けするんじゃないかな?」と思ったのですが、3ラウンド以降、フロイド・メイウェザーが完璧な試合運びで主導権を奪い返しました。経験豊富なシェーン・モズリーが、完全にフロイド・メイウェザーの術中にはまってしまうのですから、フロイド・メイウェザーがいかに「ボクサー」として完成されているかがわかると思います。
試合前、「モズリーなら、メイウェザーのスピードに対抗できるかも」と期待したボクシングファンは管理人だけではないでしょう。しかし、勝負を決める詰めの鋭さに定評のあるシェーン・モズリーですら、前後左右、さらに上下に高速で動ける唯一のボクサー、フロイド・メイウェザーをつかまえきることはできず、最後まで連打を打ち込むことはできませんでした。
この試合のファイトマネーはフロイド・メイウェザーが約20億円、シェーン・モズリーが約7億円です。試合前は「結構差があるんだなあ」と思っていたのですが、スコアシート(採点)の結果を考えると、「妥当な評価なのかも」と思ってしまいます。
2ラウンド終了後、「オレのようなスピードを持つボクサーと戦ったことがないんだろう」とシェーン・モズリーは思ったはずです。しかし、試合中盤以降、「これほどのスピードを持つボクサー相手にどうやって戦えばいいのだろう?」とシェーン・モズリーは感じたのではないでしょうか?スピードだけでなく、ディフェンス技術の差、そしてボクシングの幅の差が、明暗を分けた試合でした。
フロイド・メイウェザーの勝利で、マニー・パッキャオとフロイド・メイウェザーが「パウンド・フォー・パウンド」をかけて対戦する可能性が出てきました。マニー・パッキャオはシェーン・モズリーと同じく、ステップインの速さに定評のあるボクサーで、しかもサウスポー。相手を一撃で沈めるパンチと連打を持ち合わせ、さらにガードを高く構えて相手の攻撃を防ぐ術も知っています。「パウンド・フォー・パウンド」はマニー・パッキャオなのか?フロイド・メイウェザーなのか?ぜひ決着をつけてほしいですね。
試合結果
試合結果 | フロイド・メイウェザーが12ラウンド大差の判定勝ちで
「究極のスピード対決」に勝利。管理人の採点は118-110でフロイド・メイウェザーの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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