スーパーライト級10回戦
WBA・WBO世界 スーパーライト級1位 |
ビクター・オルティス(アメリカ) 戦績:31戦28勝22KO2敗1分 |
元WBO世界スーパー ライト級暫定王者 |
レイモント・ピーターソン(アメリカ) 戦績:29戦28勝14KO1敗 |
ビクター・オルティス対レイモント・ピーターソンの試合内容
「将来の世界チャンピオン」と評価が高いサウスポーのビクター・オルティスが、元暫定世界チャンピオンのレイモント・ピーターソンと激突するサバイバルマッチです。パワーのビクター・オルティス対テクニックのレイモント・ピーターソンという構図ですね。
最近のビクター・オルティスはスーパーライト級とウェルター級の両階級で戦い、世界タイトル挑戦の機会を狙っています。前回はウェルター級で、元世界チャンピオンのビビアン・ハリスに見事なKO勝ちを収めたビクター・オルティス。今回はスーパーライト級で戦います。
一方のレイモント・ピーターソンはティモシー・ブラッドリーとの王座統一戦で完敗を喫し、再び世界のトップ戦線浮上を狙っています。サバイバルマッチを制するボクサーはビクター・オルティスでしょうか?それともレイモント・ピーターソンでしょうか?
試合はお互いが相手の攻撃を警戒する、緊張感のある立ち上がりで始まります。ビクター・オルティスは出入りのスピードを生かした左ストレート、レイモント・ピーターソンはカウンターの右ストレート、左フックを狙っているようです。
「オルティスもピーターソンもスピードがあるなあ。どっちもリーチが長く中間距離からパンチを打てるんで目の離せない試合になりそうだぞ」というのが1ラウンドを観た率直な感想です。ビクター・オルティスもレイモント・ピーターソンも調子は良さそうですね。
お互い譲らない展開が続き、試合が動いたのは3ラウンド。ビクター・オルティスもレイモント・ピーターソンも打ち合い始めた1分すぎ、ビクター・オルティスの右フックのカウンターがレイモント・ピーターソンのアゴをとらえ、レイモント・ピーターソンの動きが一瞬止まります。
「あ、効いた!」と思っていると、ラウンド中盤、ビクター・オルティスが右アッパー、左ストレート、左アッパー、右フックを連打し、レイモント・ピーターソンからダウンを奪います。レイモント・ピーターソンはガードを固めていましたが、コンビネーションでバランスを崩し、ダウンしちゃいましたね。
さらに畳みかけるビクター・オルティスは残り30秒、レイモント・ピーターソンをロープに追い込み、左ストレート、右フックのコンビネーションで2度目のダウンを奪います。レイモント・ピーターソンは顔が腫れ、鼻血を出すなど、苦しい状況に追い込まれましたね。
「10回戦(10ラウンドの試合)で(2度ダウンを奪って)10対7のラウンドを作ったのは大きいよ。前へ出ると、オルティスのボクシングが生きるね」と改めてビクター・オルティスの破壊力に驚く管理人。体の柔らかいレイモント・ピーターソンでなければ、KOで試合が終わってもおかしくないラウンドでしたね。
4ラウンドに入ると、ビクター・オルティスが一気に勝負をかけます。レイモント・ピーターソンはクリンチをして追撃を防ぎながら、ラウンド開始直後、ラウンド中盤に右フックのカウンターを叩き込み、簡単に主導権を渡しません。
「オルティスはもう少しコンパクトにパンチを集められたら、もっとチャンスが来るのになあ。ピーターソンはあれだけのラッシュをよく耐え切ったよ。ここから反撃できるかな?」と試合の行方を見守る管理人。試合中盤に入り、主導権争いが激しくなってきました。
6ラウンドに入ると、レイモント・ピーターソンの足に力が戻り始め、力強いパンチを打てるようになってきます。一方のビクター・オルティスは4ラウンドにもらったカウンターが気になるのか、距離を保ちながら慎重に戦っているようです。
7ラウンドに入ると、レイモント・ピーターソンがビクター・オルティスの動きを読み、カウンターのパンチを当て始めます。レイモント・ピーターソンはビクター・オルティスの動きに慣れ、距離感をつかんだようですね。
「ありゃ?オルティスのパンチが全然当たらなくなってきたよ。ピーターソンは反撃に出れば前半のポイントを挽回できるんじゃない?ちょっとずつ流れが変わってきたぞ」と思っていると、8ラウンド終了間際、レイモント・ピーターソンの強烈な左フックのカウンターがビクター・オルティスのアゴを打ち抜き、ビクター・オルティスの動きが一瞬止まります。
その後は前へ出るビクター・オルティス対して、レイモント・ピーターソンがカウンターを打ち込む展開が続き、序盤の劣勢をレイモント・ピーターソンが盛り返します。試合は一進一退の攻防が続き、どちらも決定打を打てないまま10ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
結果は1人のジャッジがレイモント・ピーターソン、2人のジャッジがドローで、10ラウンド激闘の末、引き分けとなりました。3ラウンドのダウンで「オルティスがKO勝ちするかな?」と思ったのですが、レイモント・ピーターソンはよく盛り返しましたね。
ビクター・オルティスはダウンを奪った後、4ラウンドにカウンターをもらい、迷いが生まれたのか、持ち味の鋭い踏み込みが見られなくなりましたね。特に左ストレートを打ち終わった後、体が流れ、レイモント・ピーターソンのカウンターをもらっていたことが気になりました。
ビクター・オルティスとレイモント・ピーターソンのどちらにも言えることですが、決して打たれ強いボクサーではないので、「クリーンヒットをもらわないボクシングを身に付けないと、強豪ひしめくスーパーライト級の頂点で生き残ることは難しいかな」と感じました。きわどい判定だったので、再戦があるかもしれませんね。
ビクター・オルティス対レイモント・ピーターソンの試合結果
試合結果 | 1人のジャッジがレイモント・ピーターソン、2人のジャッジがドローで、採点の結果は引き分け。管理人の採点は95-93でビクター・オルティスの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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