スーパーウェルター級12回戦
元2階級制覇 チャンピオン |
ポール・ウィリアムス(アメリカ) 戦績:41戦39勝27KO2敗 |
WBA世界スーパー ウェルター級5位 |
エリスランディ・ララ(キューバ) 戦績:16戦15勝10KO1分 |
ポール・ウィリアムス対エリスランディ・ララの試合内容
2階級制覇の実績を持つポール・ウィリアムスが再起戦で無敗のエリスランディ・ララと激突するサウスポー対決です。前回の試合で、セルヒオ・マルチネスに壮絶なKO負けを喫したポール・ウィリアムス。肉体的なダメージだけでなく、精神的なダメージがどれだけ回復しているかに注目ですね。
試合は、右ジャブを突きながらガンガン前進するポール・ウィリアムスに対して、アマチュア世界王者の実績を誇るエリスランディ・ララがコンパクトなカウンターで応戦する展開で始まります。ポール・ウィリアムスもエリスランディ・ララも積極的にパンチを打ち込んでいますね。
「ウィリアムスは予想通り立ち上がりから勝負に出てきたね。ララもウィリアムスのプレッシャーに負けることなく、懐に飛び込んで的確なパンチを打ち込んでるよ。激しい打撃戦になるかも」と試合の行方を見守る管理人。1ラウンドから予想以上に攻撃的なボクシングが展開されています。
2ラウンドに入ると、ポール・ウィリアムスが試合の主導権を握ろうとプレッシャーを強めますが、2ラウンド中盤、エリスランディ・ララが左ストレート、右フックのカウンターをポール・ウィリアムスのアゴに打ち込み、ポール・ウィリアムスがヨロヨロと後退します。
「あ、効いた!」と思わず口にする管理人。エリスランディ・ララはポール・ウィリアムスの大振りなパンチを完全に見切って、インサイドから見事なカウンターを叩き込んでいますね。一方のポール・ウィリアムスはダメージの影響で動きが完全に鈍っています。
5ラウンドに入ると、ポール・ウィリアムスが距離を詰めて接近戦でエリスランディ・ララに勝負を挑みます。ダメージを抱えながらポール・ウィリアムスは必死にパンチを出してエリスランディ・ララのリズムを崩そうとしていますね。
5ラウンドと6ラウンドは、ポール・ウィリアムスが盛り返しましたが、7ラウンド終了間際、エリスランディ・ララが強烈な左ストレートのカウンターをポール・ウィリアムスのアゴに叩き込み、ポール・ウィリアムスの体が流れます。タフなポール・ウィリアムスでなければ、倒れてもおかしくないタイミングでしたね。
試合終盤は一進一退の攻防が続きますが、エリスランディ・ララが的確なパンチをポール・ウィリアムスに打ち込む場面が目立ち、ポール・ウィリアムスに主導権を渡さないまま、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。
「いやー、ララのコンパクトなボクシングがウィリアムスのパワーで押し切るボクシングを圧倒したよ。ウィリアムスは本当に苦しい試合だったね」と採点結果を待つ管理人。見事なボクシングを披露したエリスランディ・ララの勝ちを確信した管理人でしたが、採点の結果は1人のジャッジが引き分け、2人のジャッジがポール・ウィリアムスを支持します。
「えええ!」と予想外の採点結果に驚く管理人。世界中のボクシングファンが注目したサウスポー対決は、際どい判定の末、ポール・ウィリアムスがエリスランディ・ララに12ラウンド2-0の判定勝ちを収め、トップ戦線に辛くも生き残りました。
不可解な採点が試合を台無しにしちゃいましたね。特に完璧な作戦でポール・ウィリアムスのボクシングを封じたエリスランディ・ララにとって、めちゃめちゃ気の毒な結果になってしまいました。不可解な判定負けがエリスランディ・ララのプロ初黒星ですからね。うーん、この採点結果には、さすがにあきれちゃいました。
ただ、今回の判定負けがエリスランディ・ララの評価を落とすことはないと思います。むしろ、評価をグーンと上昇させたのではないでしょうか?長身でリーチが長く、誰もが対戦を避けたがるポール・ウィリアムスに、これだけパンチを打ち込んだボクサーはセルヒオ・マルチネスとエリスランディ・ララの2人だけですからね。
今回のような試合内容を続ければ、いずれエリスランディ・ララに世界タイトル挑戦のチャンスが巡ってくると思います。卓越したテクニックと勇気を兼ね備えたエリスランディ・ララなら、世界タイトルを手にする可能性は高そうですね。
一方、ポール・ウィリアムスにとっては瀬戸際で生き残ったギリギリの内容でしたね。ダメージが深く、パンチが見えているけど、体が動かず避けきれない展開が序盤から最後まで続き、本当に苦しい試合だったと思います。
今回の試合で大苦戦したエリスランディ・ララを含め、ポール・ウィリアムスが黒星を喫した2試合はいずれも対戦相手がサウスポーなんです(セルヒオ・マルチネスに失神KO負け、カルロス・キンタナに判定負け)。ポール・ウィリアムスのファイトスタイルを考えると、「サウスポーが苦手」という印象はないのですが、もしかすると本人の中で「戦いにくい何か」があるのかもしれませんね。
最後は不可解な採点のせいで、後味の悪い試合になってしまいましたが、ポール・ウィリアムスは信じられないくらいのタフネスぶりと意思の強さを披露し、エリスランディ・ララは抜群のカウンターと怖れを知らないハートの強さを発揮してくれました。熱戦を演じた2人のボクサーに大きな拍手を送りたいです。
ポール・ウィリアムス対エリスランディ・ララの試合結果
試合結果 | ポール・ウィリアムスが12ラウンド2-0の僅差の判定勝利。管理人の採点は116-112でエリスランディ・ララの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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