ファンが期待するパッキャオの次戦はブラッドリーとの再戦?それとも…
世界中のボクシングファンが震撼した「パックマン」マニー・パッキャオの王座陥落。数々の強豪を撃破してボクシング界の頂点を走り続けてきたマニー・パッキャオが、ティモシー・ブラッドリーに喫した7年ぶりの黒星は、大きな論議を呼ぶ判定負けでした。
マニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーの結果はすぐにボクシング関係者やボクシングファンを巻き込んだ議論に発展。マニー・パッキャオのトレーナーを務めるフレディ・ローチは「パッキャオが10ポイント差で勝っていたと思う」と愛弟子の勝利を主張しました。
マニー・パッキャオのプロモーターを務めるトップランクのボブ・アラムは「パッキャオが10ポイント差か11ポイント差で勝っていた。ボクシングの歴史に残る恥ずべき判定だ。何が起こったのか、ネバダ州のボクシングコミッションに徹底的な調査を要求する」と不可解な判定結果に一石を投じました。
【Photo:The Ring Magazine】
管理人も「パッキャオが勝った」と思ったボクシングファンのひとりです。しかし、「一度出た採点結果が覆ることは限りなく100%に近い確率で無理だ」ということも理解しています。結果的に「パッキャオがブラッドリーに判定負けを喫した」という記録だけがボクシングの歴史に刻まれてしまいました。
不可解な判定負けを喫したマニー・パッキャオは「この敗戦が私をより強い戦士にしてくれるだろう。再戦は12ラウンドまで長引かせたくないからね」とリマッチでの完全決着に意欲をみせています。一方、大金星を手にしたティモシー・ブラッドリーも再戦に乗り気です。
でも、管理人はマニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーの再戦に全く乗り気じゃないボクシングファンのひとりです。ティモシー・ブラッドリーの試合前のパフォーマンスとリング上のパフォーマンスは賞賛に値すると思いますが、「ブラッドリーは善戦したけど、接戦と言えるほどではなかった」というのが正直な気持ちです。
トップランクのボブ・アラムは、マニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーの再戦で何を証明したいのでしょうか?初戦の結果はティモシー・ブラッドリーの勝ちでした。しかし、ボクシングファンなら誰もが知っていると思います。「誰が真の勝者だったか」ということを。「時としてボクシングが残酷なスポーツ」であることを。
【Photo:The Ring Magazine】
マニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーのリマッチが実現すると仮定しましょう。試合前の世論は再び「パッキャオが勝って当たり前」というムードに包まれる可能性が高いと思います。初戦と変わることのない評価で行われるリマッチ。マニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーの再戦は「絶対」なのでしょうか?
マニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーの再戦が実現した時点で、マニー・パッキャオ対フロイド・メイウェザーの「パウンド・フォー・パウンド決定戦」は夢のまま終焉を迎えるかもしれません。フロイド・メイウェザーが「パッキャオ戦を実現する唯一の方法」として語った言葉が、やまびこのように鳴り響きます。
マニー・パッキャオとティモシー・ブラッドリーが「再戦したい」と主張すれば、再戦が実現すると思います。商業的にも大成功を収めるでしょう。それでも、管理人はマニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリーの再戦ではなく、マニー・パッキャオ対フロイド・メイウェザーのドリームマッチを優先してほしいと心から願っています。
同じ時代に生まれたボクシングの歴史に残る2人のスーパースター。世界の強豪を次々と飲み込み、6階級制覇を達成した「最強」マニー・パッキャオとボクシング史上ただひとり全勝で5階級制覇を成し遂げた「天才」フロイド・メイウェザーはリングで出会うことのない運命なのでしょうか?
世界中のボクシングファンが期待するマニー・パッキャオの次戦の相手はティモシー・ブラッドリーなのでしょうか?それとも…。7年ぶりの敗戦がマニー・パッキャオをめぐるライバルの勢力図を大きく塗り替えようとしています。