高まる期待！マイク・タイソンと比較されるゲンナディ・ゴロフキンのスター性

世界中のボクシングファンが注目した王座統一戦をあっさりと5分以内で終わらせたゲンナディ・ゴロフキン。12連続KO防衛、王座統一に成功したWBA・WBC世界ミドル級チャンピオンは2015年2月にモナコのモンテカルロで次戦を行うプランを発表しました。対戦相手は未定ですが、2015年も近年と同じく、めちゃめちゃ短い間隔でリングに上がるようです。

2014年10月、アメリカの西海岸で初めて試合を行ったゲンナディ・ゴロフキンは、ベテランのマルコ・アントニオ・ルビオに2ラウンドKO勝ちを飾り、自慢の強打を披露しました。会場に集まった約1万人のファン、テレビで観戦した世界中のファンが「カザフスタンのKOキング」ゲンナディ・ゴロフキンの強さを改めて知ることになった王座統一戦だったと思います。

ゲンナディ・ゴロフキンが初めて西海岸のカリフォルニアで試合を行った理由は2つあります。ひとつは、知名度をアメリカ全土に広げ、より多くのファンを獲得するため。もうひとつは、将来のサウル・アルバレス戦とフリオ・セサール・チャベス・ジュニア戦をアピールするためです。

マルコ・アントニオ・ルビオ戦で受け取ったゲンナディ・ゴロフキンのファイトマネーは90万ドル。1ドル100円でざっくりと計算すると9000万円です。一方、マルコ・アントニオ・ルビオが受け取ったファイトマネーは45万ドル。マルコ・アントニオ・ルビオの体重超過により、ファイトマネーの一部がゲンナディ・ゴロフキンに支払われることになりましたが、ベースは2対1です。

ゲンナディ・ゴロフキンの実力を考えると、マルコ・アントニオ・ルビオの数倍のファイトマネーを受け取っても不思議ではありません。でも「カザフスタンからやって来たKOキング」に対するアメリカの評価は、マルコ・アントニオ・ルビオの2倍。つまり、ゲンナディ・ゴロフキンがビッグマッチを実現するためには、まだまだ人気と知名度の上乗せが求められているわけです。

ゲンナディ・ゴロフキンが対戦を希望しているミゲール・コット、サウル・アルバレス、フリオ・セサール・チャベス・ジュニアの陣営からすると、ゲンナディ・ゴロフキンは決して「おいしい相手」じゃありません。でも、ゲンナディ・ゴロフキンが「意識して」強豪と戦いながらKO勝利を続けることができれば、あと2年で立場（市場価値）は逆転すると予想しています。

理由はシンプルで、ゲンナディ・ゴロフキンは倒して勝てるボクサー、KO勝利を期待できるボクサーだからです。9割を超える圧巻のKO率を誇るゲンナディ・ゴロフキン。わずか1年でマイク・タイソンと比較される機会が増えてきました。アメリカのファンが「次のタイソンは誰か？」という質問にカザフスタン出身のゲンナディ・ゴロフキンを一番にピックアップするんです。

さらに、ゲンナディ・ゴロフキンはリング外の態度や発言がめちゃめちゃ模範的で、ニックネームの「GGG（トリプルG）」をアレンジして「ジェントル・ゲンナディ・ゴロフキン」と呼ぶ女性ファンも増えています。女性ファンを獲得できるスター性がすごい！リングの中では、勝利に徹するハードパンチャー。リングの外では、知的なジェントルマン。正義のヒーローの要素そのまんまですね。

2015年は、ゲンナディ・ゴロフキンにとって、勝負の1年になると思います。ゲンナディ・ゴロフキンがカザフスタン出身であることを考えると、回り道をしすぎた場合「アメリカのビッグマッチ街道」から外れちゃう可能性があるので、できるだけ回り道をせずに強豪と対戦しながら、スーパースターの道を歩んでほしいです。モンテカルロの次はぜひアメリカで戦ってほしいなあ。