ボクシングファンが選ぶ2014年の最も悲しかった瞬間はオルランド・サリドの体重超過
2014年は、めちゃめちゃ感動したボクシングの名場面、めちゃめちゃ驚いたシーンが続出すると同時に、めっちゃ悲しいシーンが印象に残った1年でした。管理人が選ぶ「2014年のボクシングで最も悲しかった瞬間」は「オルランド・サリドがワシル・ロマチェンコ戦の計量に失敗した瞬間」です。
ロシアのソチで開催された冬季オリンピックが終了し、最初の週末となった2014年3月1日(日本時間3月2日)。世界中のボクシングファンの視線は、オリンピックを2連覇した「アマチュア史上最強のボクサー」ワシル・ロマチェンコに注がれていました。プロ2戦目の世界タイトル挑戦。ワシル・ロマチェンコが勝てば、世界タイトル奪取の最短新記録が誕生します。
挑戦する相手は、WBO世界フェザー級チャンピオンのオルランド・サリド。ボクシング王国メキシコが生んだ驚異のタフネスを誇るファイターです。オルランド・サリド対ワシル・ロマチェンコは、プロのリングで負けながら強くなった「雑草チャンピオン」とアマチュア戦績397戦396勝1敗の「スーパーエリート挑戦者」の歴史的な世界タイトルマッチになるはずでした。
【オルランド・サリド対ワシル・ロマチェンコのハイライトです】
ところが、オルランド・サリドが前日に行われた計量に失敗。ワシル・ロマチェンコ陣営が、オルランド・サリドの体重超過を容認し「ロマチェンコが勝てば新チャンピオン誕生、サリドが勝てば世界タイトルは空位」という条件の変則マッチになってしまいました。ちなみに、オルランド・サリドがワシル・ロマチェンコに支払った罰金は1万5000ドルと言われています。
試合は、オルランド・サリドがワシル・ロマチェンコに12ラウンド判定勝ち。2人のジャッジがオルランド・サリド、1人のジャッジがワシル・ロマチェンコを支持する大接戦でした。世界中のファンが注目した歴史的なプロ2戦目の世界タイトル挑戦は、最も後味の悪いエンディングを迎えてしまいました。階級制のスポーツで、こんなに残念なことはないと言いますか、本当に悲しかったです。
当初、ワシル・ロマチェンコは「プロデビュー戦で世界タイトルに挑戦させてほしい」と訴えていたんです。でも、現行のルールでは、世界ランキング入りする必要があります。北京とロンドンのオリンピックを連覇した金メダリストのワシル・ロマチェンコでも特例は認められず、プロデビュー戦で世界ランカーにKO勝ちしてランキング入りを果たし、運命の大一番を迎えました。
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