ワシル・ロマチェンコの歴史的な世界タイトル挑戦が台無し!問われる階級制の原点
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ルールが改正されない限り、プロ2戦目の世界タイトル奪取は「永遠の最短記録」です。管理人は、プロ2戦目で世界タイトルに挑戦したボクサーを初めて見ました。プロ2戦目の世界タイトル挑戦は、誰でもできることではなく「アマチュア史上最強のボクサー」と言われたワシル・ロマチェンコだからこそ実現できた歴史的な挑戦だったんです。大偉業を達成するチャンスは一度しかありません。
オルランド・サリド対ワシル・ロマチェンコの試合はアメリカのHBOで放送され、日本でもWOWOWオンデマンドでライブ配信されたと思うんですね。本当に注目度が高い試合だったんですよ。だからこそ、オルランド・サリドが体重超過をしても、ワシル・ロマチェンコは試合に同意したと思うんです。試合キャンセルがどれだけの人たちを失望させるかをわかっていたはずですからね。
オルランド・サリドに判定負けを喫し、歴史的な大記録を達成することができなかったワシル・ロマチェンコは試合後のインタビューで「全力を尽くしたけど、うまくいかなかった。ジャッジの採点については何も言いたくないんだ。私はボクサーで、全力で仕事をした。次にできることは、家に帰ってビデオをチェックし、何が起きたのかを検証するだけだよ」とコメントを残しました。
【歴史的な大偉業を逃したワシル・ロマチェンコですが、最短記録保持者です】
ワシル・ロマチェンコのインタビューを聞きながら、本当に悲しかったです。ワシル・ロマチェンコは、オルランド・サリドの1万5000ドルじゃなくて、世界タイトルがほしかったわけですからね。ワシル・ロマチェンコの「歴史的なたった一度の挑戦」がオルランド・サリドの体重超過で台無しになった瞬間は、いろいろなものが崩れていくようで、めちゃくちゃ切なかったなあ。
なお、ワシル・ロマチェンコはプロ3戦目で世界タイトル奪取に成功しています。プロ3戦目の世界タイトル奪取はボクシング史上最短タイ記録です。そんなわけで、ワシル・ロマチェンコの名前はボクシングの歴史に刻まれたわけですが、改めて「階級制スポーツの原点」が問われることになった悲しすぎるオルランド・サリドの体重超過でした。
ファン目線で言うと「みんなの期待を知っているロマチェンコ陣営が『試合しない』なんて言えないもん。過酷な減量を乗り越え、ルールを守ったボクサーに負けがカウントされて、体重超過したボクサーに勝ちがカウントされるって、すごく理不尽だなあ。試合数にカウントしないことはできないのかな?」と思っちゃうんですよね。2015年は体重超過が減りますように。