負けながら強くなった不屈の闘志を誇る勇敢なファイター
メキシコ出身のオルランド・サリドは、パワフルな連打と絶対にあきらめない不屈の闘志を兼ね備えた勇敢なボクサーです。
オルランド・サリドと言えば、どんな相手と戦っても、一歩も引かない好戦的なボクシングが魅力。気持ちと負けん気を押し出した激しい打ち合いを得意とするタフなファイターです。
オルランド・サリドは決して器用なボクサーじゃありませんが、フィジカルもメンタルも強靭で、苦戦慣れしているので、我慢比べをすると、とんでもない強さを発揮するタイプのボクサーです。
左ジャブを突きながらガードを固めて距離を詰め、射程距離に入るまで被弾を覚悟で我慢します。射程距離に入ったら、パワフルなパンチを上下に打ち分けるんです。パンチの種類が豊富で、特に、左右のフックとボディブローがオルランド・サリドの代名詞ですね。
打ち合いで我慢比べに持ち込み、激しい打撃戦を制して勝利を手にするボクシングこそ、オルランド・サリドの真骨頂。12ラウンド打ち続けられるスタミナ、驚異的な打たれ強さ、絶対にあきらめない不屈の闘志を兼ね備えているオルランド・サリドだからこそできるボクシングです。
ボクシング界屈指の闘志を誇るオルランド・サリドは1996年3月にプロデビュー。イバン・カサレスを相手に4ラウンドTKO負けを喫し、デビュー戦で黒星を喫してしまいます。
プロ2戦目で初勝利を手にしますが、その後も、勝ち負けを繰り返し、なかなか世界のトップ戦線へ浮上することはできませんでした。
プロデビューから25戦の戦績は15勝9KO8敗2分。戦績だけを考えると、並のボクサーと判断されても仕方のない戦績です。並のボクサーなら、プロボクサーとしての生活をあきらめてしまうかもしれません。
しかし、不屈の闘志を持つオルランド・サリドはここから本領を発揮し、世界の頂点へ駆け上がることになります。
デビューから5年でプロ8敗を喫したオルランド・サリドですが、負けながら勝ち方を覚え、2002年から2004年まで破竹の9連勝を達成。一気に世界のトップ戦線へ浮上し、2004年9月、ついに悲願の世界タイトル挑戦のチャンスを手にします。
リングで待ち受けるチャンピオンの名前は、ファン・マヌエル・マルケス。WBAとIBFの2本のベルトを持つファン・マヌエル・マルケスに挑んだオルランド・サリドですが、パワフルな攻撃を封じ込められ、12ラウンド判定負けを喫してしまいます。初の世界戦は、ほろ苦い結果になりました。
初の世界タイトルマッチで黒星を喫したオルランド・サリドですが、その後、4連勝を飾り、2006年11月、再び世界タイトル挑戦のチャンスを手にします。次なるターゲットは、サウスポーのロバート・ゲレロ。抜群のカウンターとテクニックを誇るIBF世界フェザー級チャンピオンです。
2度目の世界タイトル挑戦のチャンスを手にしたオルランド・サリドは序盤からしつこいボクシングでロバート・ゲレロに食いつき、12ラウンド判定勝ちを収めます。しかし、試合後の薬物検査で、オルランド・サリドに筋肉増強剤の陽性反応が発覚し、タイトルをはく奪されてしまいます。
再起後4連勝を飾り、3度目の世界タイトル挑戦のチャンスを手にしたオルランド・サリドは2008年10月、クリストバル・クルスと空位のIBF世界フェザー級タイトルを争います。しかし、結果は12ラウンド僅差の判定負け。「3度目の正直」も実らず、またしても世界タイトルに手が届きませんでした。
「世界チャンピオンの器じゃない」との声が聞こえ始めたオルランド・サリドですが、2010年5月、クリストバル・クルスと再戦を行い、今度は12ラウンド僅差の判定勝ち。世界タイトル奪取に成功します。
2010年9月の初防衛戦でWBAチャンピオンのユリオルキス・ガンボアと王座統一戦を行うことになり、念願のビッグマッチのチャンスを手にしたオルランド・サリド。しかし、結果は、ユリオルキス・ガンボアのスピードに翻弄され、12ラウンド判定負け。金星を手にすることはできませんでした。
無冠となったオルランド・サリドですが、2011年4月、全勝チャンピオンのファン・マヌエル・ロペスに挑戦するチャンスを手にします。世界中のボクシングファンが「サリドの圧倒的な不利」を予想したタイトルマッチでしが、結果は、オルランド・サリドの8ラウンドTKO勝ち。ボクシング界を震撼させる大番狂わせで世界チャンピオンに返り咲きました。
全勝のファン・マヌエル・ロペスに初黒星をつけ、一躍注目の的になったオルランド・サリド。2012年3月、失った王座と栄光を取り戻すため、リングへ上がったファン・マヌエル・ロペスと再び拳を交えます。
5ラウンドにファン・マヌエル・ロペスの右フックでダウンを奪われますが、中盤に入って盛り返し、最後は、オルランド・サリドが10ラウンド逆転のTKO勝ち。因縁の再戦で勝利を飾り、世界中のボクシングファンにオルランド・サリドの実力を強烈にアピールしました。
一躍「フェザー級最強チャンピオン」の称号を手にしたオルランド・サリドは2013年1月、全勝のミゲール・ガルシアと対戦。世界中のボクシングファンが注目するエリート挑戦者に4度のダウンを奪われる苦しい展開を強いられます。
中盤に入って盛り返そうとしたオルランド・サリドですが、偶然のバッティングで、ミゲール・ガルシアが鼻を骨折し、無念の8ラウンド負傷判定負け。注目の新旧対決で悔しさの残る敗戦を喫し、王座から陥落してしまいました。
無念の王座陥落となったオルランド・サリドは2013年10月、空位のWBO世界フェザー級タイトルをかけて、オルランド・クルスと対戦。結果は、7ラウンドTKO勝ちで王座返り咲きに成功。序盤の主導権争いを制して、粘り強いボクシングで勝利を引き寄せたオルランド・サリドらしい見事な勝利でした。
世界タイトルを取り戻したオルランド・サリドは2013年3月、プロ2戦目で世界タイトル奪取の新記録を目指すワシル・ロマチェンコと対戦。歴史的な初防衛戦となるはずでしたが、オルランド・サリドは前日に行われた計量をクリアすることができず、王座をはく奪されてしまいます。
世界が注目する大一番を「前チャンピオン」の肩書きで迎えることになってしまったオルランド・サリド。大接戦の末、ワシル・ロマチェンコに12ラウンド判定勝ちを飾り、プロの意地を見せつけましたが、ワシル・ロマチェンコの「たった一度の歴史的な挑戦」がオルランド・サリドの体重超過によって、台無しになってしまった悲しすぎる勝利でした。
減量に苦しむオルランド・サリドは階級をひとつ上げ、2014年9月、ターサック・ゴーキャットジムとWBO世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦で激突します。前半で3度のダウンを奪われたオルランド・サリドですが、粘り強い攻撃と驚異の回復力の盛り返し、11ラウンドKO勝ちで2階級制覇を達成。ワシル・ロマチェンコの汚名を返上する魂の大逆転勝利でした!
負けながら勝ち方を覚え、世界の頂点へたどり着いたオルランド・サリド。対戦相手が嫌がる、しつこいボクシングで我慢比べを制してきた「叩き上げ」の代表格は、雑草魂を胸にさらなるビッグマッチで「大物食い」を狙います。不屈の闘志とパワフルな連打でボクシングファンを魅了するオルランド・サリドのボクシングに注目しましょう!
オルランド・サリドのプロフィール
出身地 | メキシコ |
誕生日 | 1980年11月16日 |
戦績 | 57戦42勝29KO12敗2分1無効試合 |
獲得タイトル |
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