カール・フロッチが正式に引退を表明!ラストマッチは8万人を集めた伝説の再戦
スーパーミドル級を主戦場に超攻撃的なボクシングで絶大な人気を誇った「イギリスのコブラ」カール・フロッチが日本時間の2015年7月14日に公式ツイッターで引退を表明。世界中のファンに向けて「正式に引退を表明するよ。応援してくれたファンのみんなに感謝したい」とメッセージを配信しました。
いやー、またひとり、ボクシング界のスーパースターが引退することになりましたね。スーパーミドル級を舞台に世界の強豪と拳を交えたカール・フロッチは、イギリスのボクシング界を引っ張ってきた超人気ボクサー。めちゃめちゃ重いパンチと驚異のタフネスを兼ね備えたハードパンチャーです。
カール・フロッチは「見た目がキレイなボクシング」じゃないので、素人ファンからすると「強そうだけど、まともに打たれそうだなあ」と思ってしまう典型的なボクサーです。実際、まともに打たれてダウンするシーンもありました。でも、信じられない反撃で、試合をひっくり返すんですよね。めっちゃ逆境に強いボクサーだからこそ、ファンが応援したくなるのかもしれません。
キャリアで負けた試合はわずかに2つだけ。スーパーミドル級ナンバーワンのテクニシャン「神の子」アンドレ・ウォード、そして「宿命のライバル」ミッケル・ケスラーです。ミッケル・ケスラーには、再戦でリベンジしているので、カール・フロッチにプロのリングで勝ち逃げしたボクサーは、アンドレ・ウォードしかいません。負けた試合はいずれも敵地開催で、接戦でした。
最終戦となったジョージ・グローブス再戦は、8万人のファンが会場に詰めかける「イギリス史上最大のリマッチ」になりました。8万人って「小都市に暮らしている住民をまるまる会場に運んでみました」という規模ですね。しかも、試合がめっちゃドラマチックでした。試合を決めたカール・フロッチの右ストレートは「伝説のパンチ」として語り継がれると思います。
カール・フロッチの実力や人気を考えると、まだまだリングで戦うことができたと思うのですが、カール・フロッチの人柄やプライドがよくわかる決断と言いますか、イギリスのボクシング人気を支えてきたスーパースターにふさわしい引き際だと感じました。名勝負を繰り広げたカール・フロッチとミッケル・ケスラーが同じ年に引退するんですね。ものすごい縁だなあ。
迷いのない攻撃的なボクシング、思い切りの良いボクシングは「当たれば、倒せるよ!フロッチなら、何とかしてくれるはず」と期待させてくれる大きな魅力でした。スピードスター、テクニシャン、パードパンチャーのどのタイプのボクサーと戦っても、粘りに粘って、必ずチャンスを作り出し、ワクワク感を与えてくれたスーパースターに特大の感謝です!