デンマークが生んだ攻防兼備のスーパースター!ミッケル・ケスラーが引退を表明
誇り高きバイキングウォーリアーがプロのキャリアに終止符を打ちました!激戦区スーパーミドル級を舞台に世界中の強豪と激突を繰り広げたミッケル・ケスラーがフェイスブックで引退を表明。ファンと関係者に感謝の言葉を残し、リングに別れを告げました。
ヨーロッパを中心に絶大な人気を誇ったミッケル・ケスラー。2004年に初の世界タイトルを奪取し、10年間、スーパーミドル級のトップ戦線で強豪を相手に戦い続けてきました。プロ49戦のキャリアで、負けはわずかに3つだけ。敗れた相手は、ジョー・カルザゲ、アンドレ・ウォード、カール・フロッチのスーパースターばかりです。ちなみに、いずれも敵地で負けています。
特に印象に残った試合は、敵地イギリスへ乗り込み、リベンジを許したカール・フロッチ再戦、完敗に終わったアンドレ・ウォード戦、プロ初黒星を喫したジョー・カルザゲ戦、完璧な右ストレートで王座統一に成功したマルクス・バイエル戦です。負けた試合が強く印象に残っていることに気づき「ケスラーを熱烈に応援していたんだなあ」とちょっぴり感傷的になってしまいました。
人生初のルームメイトは、レオナルド・ディカプリオ似のデンマーク人でした。ボクシングとサッカーの話題で意気投合。ルームメイトが「ミッケル・ケスラーがヨーロッパでどれくらい人気があるのか」を教えてくれて「世界には、すごいボクサーがたくさんいるんだ」とヨーロッパのボクシングをせっせと観戦していた青春時代を思い出します。懐かしいなあ。
管理人は、ミゲール・コット、セルヒオ・マルチネスと並び、ミッケル・ケスラーを熱烈に応援しています。スタイルだけを考えると、ミッケル・ケスラーのボクシングが一番好きです。ガードを高く構えて、ワンツーで崩す「基本に忠実なボクシング」が大好きなんですよ。しかも、ミッケル・ケスラーは「最後に倒して勝てる攻防兼備のボクサー」です!
プロのキャリアでラストマッチとなったカール・フロッチ再戦は「開催地について、議論する必要はないと思うよ。初戦は母国デンマークで戦った。再戦は敵地イギリスで戦わないとフェアじゃないからね」と宣言。ミッケル・ケスラーは王座統一をかけて、カール・フロッチが待つイギリスへ乗り込みました。大激闘の末、12ラウンド判定負けを喫しましたが、最高に男前だったなあ。
試合後「ベルトを失ったけど、プライドを守り通すことはできたと思う。フロッチとフェアな戦いができたことに心から感謝したい。どこで誰とでも戦ってこそ、本物の戦士だ。フロッチは間違いなく本物のチャンピオンだよ」とコメントを残し、イギリスのファンから大きな拍手を浴びました。一番近くで見ていたレフェリーが観客と一緒に拍手をしたシーンが忘れられません。
激戦区スーパーミドル級のトップ戦線で戦い続け、世界中のボクシングファンに名勝負を届けてくれたミッケル・ケスラー。改めて「あらゆる意味で、強く、美しいボクサーだったなあ。勝っても負けても輝いた本物のチャンピオンだね」と実感できる引退表明でした。応援しているボクサーの引退はやっぱり切ないなあ。誇り高き北欧のスーパースターに特大の感謝です!