管理人の予想はウラディミール・クリチコのKO勝ち
3団体統一世界ヘビー級チャンピオンのウラディミール・クリチコがサウスポーのトニー・トンプソンと4年ぶりに拳を交える大一番が間近に迫ってきました!4年の月日がどのように両者の力関係に影響を及ぼしているのかを知ることができる楽しみな再戦ですね。
4年前に行われたウラディミール・クリチコとトニー・トンプソンの初対決は、安全運転のウラディミール・クリチコがトニー・トンプソンに反撃する力がなくなるまでダメージを与え続け、11ラウンドで仕留めた試合でした。
ウラディミール・クリチコを応援しているファンの皆さんにお叱りを受けるかもしれませんが、この頃のウラディミール・クリチコは「強いけど、退屈なボクシング」でIBFとWBOの2本のベルトの防衛を重ねていた印象が強いんです。
目の前の敵を勇猛果敢にバッタバッタと撃破する「栄光のヘビー級」はすでに姿を消し、パワーよりテクニックがヘビー級のリングを席巻していました。「栄光のヘビー級」が失われた影響もあり、ウラディミール・クリチコのボクシングが実際より退屈に映ったのかもしれません。
管理人は、ウラディミール・クリチコの「負けないボクシング」を評価こそしていましたが、その頃のウラディミール・クリチコのボクシングを一度も「かっこいい」と思ったことはありませんでした。
ところが、トニー・トンプソン戦が終わった頃からウラディミール・クリチコのボクシングが大きく変わり始めたんです。これまで良くも悪くも「安全運転」を続けていたウラディミール・クリチコが、序盤からKOを狙って強いパンチを叩き込むようになりました。
ハシム・ラクマン、ルスラン・チャガエフ、サミュエル・ピーターの元世界チャンピオンを次々とリングに沈めます。2011年7月には、デビッド・ヘイに大差の判定勝ちを飾り、ヘビー級タイトルの3団体統一に成功。世界中のボクシングファンに「ヘビー級最強」をアピールしました。
ウラディミール・クリチコとトニー・トンプソンの再戦を目前に控え、管理人の興味は「ウラディミール・クリチコの攻撃に対して、トニー・トンプソンは反撃することができるのかな?」の一点に集中しています。
もしトニー・トンプソンが反撃できず、初戦と同じように守勢に追い込まれ、ロープを背にする展開になってしまったら、ウラディミール・クリチコの強打から逃げることはできないと思います。4年前より確実に強くなっているウラディミール・クリチコの強打に沈むでしょう。
逆に、トニー・トンプソンがウラディミール・クリチコのパンチの打ち終わりを狙って、または自分から前へ出て左ストレートや右フックを狙う展開になれば、後半勝負に持ち込むことができるかもしれません。
ウラディミール・クリチコは前に出ると強いですが、下がると比較的もろい傾向があります。しかも、アップスタイルなので、棒立ちのところへパンチをもらってしまうと、バタンと倒されて試合が終わる可能性も否定できません。
トニー・トンプソンは相手がパンチを打ってくると、ガードをガッチリ固めて耐えるタイプですが、ウラディミール・クリチコの破壊力と圧力を考えると、攻防分離の作戦は致命的だと思います。世界タイトルを奪取するためにも、ダメージを受ける前に自分から仕掛けたいですね。
「下がりすぎたほうが負けるシンプルな戦い」。4年ぶりの再戦で勝利を手にするボクサーは、「ヘビー級最強」の称号を誇るウラディミール・クリチコでしょうか?それとも、リベンジのチャンスにかけるトニー・トンプソンでしょうか?因縁の再戦は7月7日(日本時間7月8日)、決着のゴングを迎えます。
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2012/04/02 | クリチコ弟が7月にトンプソンと再戦へ |
初戦の結果 | クリチコ弟がトンプソンと第二の故郷ドイツで激突 |
キャリア | ウラディミール・クリチコ |
テレビ放送日時 | 7月8日5:00よりWOWOWで生中継。視聴の詳細は「WOWOW公式サイト」をご覧下さい。同日の午後からノニト・ドネア対ジェフリー・マセブラの王座統一戦もありますよ。 |