WBC・IBF世界ウェルター級挑戦者決定戦
チャンピオン | アンドレ・ベルト(アメリカ) 戦績:19戦全勝16KO |
挑戦者 | デビッド・エストラーダ(アメリカ) 戦績:24戦21勝12KO3敗 |
試合内容
次世代のスーパースターの呼び声が高いアンドレ・ベルトが、実力者のデビッド・エストラーダとWBCとIBFの世界ウェルター級タイトル挑戦権をかけて拳を交えます。全戦全勝のアンドレ・ベルトが、シェーン・モズリーやカーミット・シントロンとの対戦経験を持つデビッド・エストラーダ相手にどんなボクシングをするか楽しみですね。
試合は序盤からアンドレ・ベルト、デビッド・エストラーダともに積極的に打ち合うスリリングな展開。出入りのスピードを活かして戦うアンドレ・ベルトに対して、デビッド・エストラーダはガードを高く構えて打ち終わりを狙って力強いパンチを打ち込み反撃します。アンドレ・ベルトだけでなく、デビッド・エストラーダの調子も良さそうですね。
これまでアンドレ・ベルトが戦ってきた相手は、アンドレ・ベルトが手を出すと圧力に負けて後ろへ下がることが多かったのですが、デビッド・エストラーダは打たれたら、必ず打ち返します。1ラウンド中盤には、強烈な左フックをアンドレ・ベルトのテンプルへ打ち込み、アンドレ・ベルトの動きが一瞬止まります。さすがは実力者のデビッド・エストラーダです。
「こりゃ、アンドレ・ベルトが苦戦するかもしれないなあ」と思い始めた3ラウンド最初のヤマ場が訪れます。お互いに足を止めて、壮絶な打ち合い!回転の速いアンドレ・ベルトに対して、デビッド・エストラーダは力強いパンチで応戦します。「すごい打ち合い!」と手に汗握る管理人。すると、打ち合いが続くにつれて、アンドレ・ベルトが顔面だけでなくボディーを打ち始め、デビッド・エストラーダの腰が丸まります。思わず「上手い!」と叫んでしまいます。
アンドレ・ベルトはデビッド・エストラーダが懐に入ってくると、右ストレートで止めて、左ボディーブローでダメージを与えます。素晴らしい作戦です。アンドレ・ベルトは決して大柄なボクサーではありませんし、打ち合いに応じるとスタミナを奪われ、パンチをもらってしまう可能性があるので、パンチと動きのスピードで主導権を握る戦法は理想的ですね。
4ラウンド以降はアンドレ・ベルトのペースで試合が進みますが、8ラウンドに入ると、デビッド・エストラーダが反撃開始。アンドレ・ベルトに打たれながらも、必死に前へ出て、ものすごい手数を集めます。アンドレ・ベルトの強烈なパンチをまともにもらいながら、これだけ反撃するボクサーは初めて観ました。デビッド・エストラーダもキツイですが、アンドレ・ベルトもかなりスタミナを消耗しましたね。
「ベルトもエストラーダもすごいなあ。お互い苦しいけど、ここから勝負だよ」と熱戦に力が入る管理人。9ラウンド、10ラウンドは前進するデビッド・エストラーダに対して、アンドレ・ベルトが上下にパンチを打ち分け、迎えた11ラウンド。アンドレ・ベルトがデビッド・エストラーダに右アッパーから右ストレートの絶妙なコンビネーションブローを打ち込み、ダウンを奪います。
何とか試合は続行されますが、「ファイト」がかかると同時にアンドレ・ベルトが襲いかかり、パンチを連打してデビッド・エストラーダをロープに詰めたところで、レフェリーが試合をストップ。次世代のスーパースター、アンドレ・ベルトが11ラウンドTKO勝ちで実力者のデビッド・エストラーダを撃破しました。
この勝利で、アンドレ・ベルトは世界タイトルの挑戦権を手にすると共に、デビューからの連勝記録を20に伸ばしました。デビッド・エストラーダの善戦もあり、アンドレ・ベルトにとってはかなり苦しい試合でしたが、KO勝ちを収めるところはさすがです。簡単にロープを背負ってしまう悪い癖がありますが、アンドレ・ベルトのスピードは驚異的ですね。
試合結果
試合結果 | アンドレ・ベルトが11ラウンドTKO勝ちで世界タイトル挑戦権を獲得。 |