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シェーン・モズリー

3階級制覇を成し遂げた「シュガー」の異名を持つスピードスター

シェーン・モズリーは「シュガー」のニックネームを持つスピード豊かなボクサーで、3階級制覇を達成するなど輝かしい戦績を収めています。また、オスカー・デラホーヤに唯一2度勝利したボクサー(アマチュア時代を含めるとプロ・アマ通じて3度勝っています)としても知られています。

シェーン・モズリーの武器は何と言っても「スピード」です。ボクシングで「スピード」と言えば、動きのスピード、パンチのスピード、判断のスピードなど様々な「スピード」がありますが、モズリーの場合、パンチのスピードが速いんです。特に、回転の速い連打は全階級を通じてトップ10に入ると思います。

抜群のハンドスピードを誇るシェーン・モズリーが初の世界タイトルを獲得したのは1997年8月。IBF世界ライト級チャンピオンのフィリップ・ホリデイに挑戦し、持ち味のスピードを生かしたボクシングで12ラウンド大差の判定勝ちを飾り、初の世界タイトルを奪取しました。

IBF世界ライト級タイトル獲得後、ウェルター級に転向するまで8度の防衛に成功したシェーン・モズリー。ライト級時代は「ライバルがいない」という言葉がピタッと当てはまるほど、圧倒的な強さで防衛回数を重ねていったのですが、皮肉なことに強すぎたせいか、ビッグマッチの機会に恵まれませんでした。

連勝記録を伸ばしながらも不遇の時を過ごしていたシェーン・モズリーに2000年6月、転機が訪れます。ボクシング界のスーパースター、オスカー・デラホーヤが持つWBC世界ウェルター級タイトルに挑戦することが決まったのです。

パワーで上回る「オスカー・デラホーヤ有利」の下馬評の中、シェーン・モズリーはボディーを重点的に攻めたり、左右にスイッチしたりとオスカー・デラホーヤが嫌がるボクシングを貫き、2-1の判定勝ちで見事に2階級制覇を達成します。

ライト級から2階級上のウェルター級へ転向してもシェーン・モズリーのスピード、パンチ力は健在で、次々と防衛戦をクリアしていきます。「デラホーヤに勝ったことで、モズリー時代が到来しそうだよ」と思い始めた2002年1月。4度目の防衛戦で因縁の相手が立ちふさがります。

挑戦者の名前はバーノン・フォレスト。アマチュア時代、バルセロナ・オリンピックの代表選考会で敗れた因縁の相手です。結果は2度のダウンを奪われるなどシェーン・モズリーの完敗。プロ初黒星を喫し、タイトルを失ってしまいます。さらに、半年後に行われた再戦でも、バーノン・フォレストに完敗。2002年はシェーン・モズリーにとって悪夢の1年となりました。

しかし、2003年9月、階級を1つ上げて、オスカー・デラホーヤが持つWBA・WBC世界スーパーウェルター級タイトルに挑戦。スピードを生かしたボクシングを展開し、3-0の判定勝ちで再びオスカー・デラホーヤを破り、3階級制覇を達成します。

スーパースターのオスカー・デラホーヤを連破したシェーン・モズリーですが、2004年3月にIBFチャンピオンのロナルド・ライトと統一戦を行い、大差の判定負け。2004年11月に行われた再戦でも、3-0の判定で敗れてしまい、再び同じボクサーに連敗するという屈辱を味わいます。

その後、フェルナンド・バルガスに連勝するなど調子を取り戻し、2007年11月にWBA世界ウェルター級チャンピオンのミゲール・コットに挑戦。しかし、ミゲール・コットのコンビネーションとディフェンスに手を焼き、3-0の判定で敗れてタイトル獲得に失敗してしまいます。

2008年9月に元2階級制覇チャンピオンのリカルド・マヨルガにKO勝ちを飾り、対戦相手を翻弄する動きとパンチのスピードの健在ぶりをアピールしたシェーン・モズリー。「限界説」を払拭する見事な勝利でした。

復活を遂げたシェーン・モズリーは2009年1月に行われたアントニオ・マルガリート戦で劇的な勝利を手にします。ミゲール・コットに勝利し、一躍スターの座を手にしたアントニオ・マルガリートを相手に、シェーン・モズリーは見事なコンビネーションを次々と決め、9ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取に成功します。

劇的な復活をアピールしたシェーン・モズリーは2010年5月に全勝のフロイド・メイウェザーと激突。2ラウンドに強烈な右ストレートを叩き込み、フロイド・メイウェザーの腰が落ちる場面を演出しますが、その後、フロイド・メイウェザーに空間を支配され、12ラウンド判定負け。「スピードスター対決」で勝利を飾ることはできませんでした。

フロイド・メイウェザー戦の敗戦から4か月後、再起戦でセルヒオ・モーラと対戦したシェーン・モズリー。結果は、何とか引き分けに持ち込むことが精一杯の大苦戦。セルヒオ・モーラのつかみどころのないボクシングにシェーン・モズリーらしさを消された試合でした。

世界チャンピオン返り咲きを狙うシェーン・モズリーは2011年5月にマニー・パッキャオが持つWBO世界ウェルター級タイトルに挑戦。世界中のボクシングファンが期待するメガマッチに挑んだシェーン・モズリーですが、マニー・パッキャオの強打と俊敏な動きに翻弄され、なす術なく大差の12ラウンド判定負け。ボクシングファンの期待を大きく裏切った試合でした。

再び「限界説」が流れ、崖っぷちに追い込まれたシェーン・モズリーは2012年5月に若き世界チャンピオンのサウル・アルバレスと激突。飛ぶ鳥を落とす勢いのホープを相手に、本来の攻撃的なボクシングを展開します。結果は12ラウンド判定負けとなりましたが、会場に詰め替えたファンから大きな拍手を浴びたすばらしい新旧対決でした。

世界の強豪を相手に激闘を重ね、世界中のボクシングファンを魅了してきたシェーン・モズリー。「ボクシングに必要なスピードは何か?」を管理人に教えてくれた「シュガー」は40歳を迎えた今もなお、ボクサーとしての誇りを胸にリングで戦い続けています。再び世界チャンピオンに返り咲けるのか?シェーン・モズリーの最終章に注目しましょう。

シェーン・モズリーのプロフィール

本名 シェーン・ダンテ・モズリー
誕生日 1971年9月7日
ニックネーム シュガー
戦績 56戦46勝39KO8敗1分1無効試合
獲得タイトル
  • IBF世界ライト級タイトル
  • WBC世界ウェルター級タイトル
  • WBA世界ウェルター級タイトル
  • WBC世界スーパーウェルター級タイトル
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