3団体統一世界スーパーミドル級タイトルマッチ(WBA・WBC・WBO)
WBA・WBC王者 | ミッケル・ケスラー(デンマーク) 戦績:39戦全勝29KO |
WBOチャンピオン | ジョー・カルザゲ(イギリス) 戦績:43戦全勝32KO |
試合内容
WBA・WBC世界スーパーミドル級チャンピオンのミッケル・ケスラーと、WBO世界スーパーミドル級チャンピオンのジョー・カルザゲが3本のベルトをかけて激突する3団体統一世界スーパーミドル級タイトルマッチ。全勝チャンピオン同士が拳を交える究極の統一戦です。
WBA・WBC世界スーパーミドル級チャンピオンのミッケル・ケスラーは、攻防兼備のスタイリッシュなボクサー。左ジャブから右ストレートのワンツーを得意とする正統派ボクシングで、2004年11月にWBAタイトルを獲得、2006年10月にはWBCチャンピオンのマルクス・バイエルに3ラウンドKO勝ちを収め、WBCタイトルを吸収し、満を持して今回のビッグマッチに挑みます。
一方、WBO世界スーパーミドル級チャンピオンのジョー・カルザゲは、1997年10月にWBOタイトルを獲得後、これまで20度の防衛に成功しているスピード豊かなサウスポー。母国、イギリスにミッケル・ケスラーを迎えて、「スーパーミドル級最強」を証明できるでしょうか?
試合は序盤からお互いのプライドと技術がぶつかり合う一進一退の攻防。1ラウンドこそ、ミッケル・ケスラー、ジョー・カルザゲとも、お互いの強打を警戒して、静かな立ち上がりでしたが、2ラウンドに入ると、ミッケル・ケスラーがジョー・カルザゲの右ジャブに合わせて、右ストレートを打ち始め、少しずつ試合に動きが生まれます。
3ラウンド開始直後には、ジョー・カルザゲが左ボディーを放ち、そのパンチをよけようとしたミッケル・ケスラーがジョー・カルザゲの右足に引っかかってスリップダウン。ダメージは全くありませんが、ジョー・カルザゲのファンで埋め尽くされた会場は一気にヒートアップ。ジョー・カルザゲはこれまで以上に左右に大きく動き、フットワークと手数で主導権を握ろうとします。
しかし、4ラウンドに入ると、前へ出て攻勢をかけるジョー・カルザゲに対して、ミッケル・ケスラーが打ち合って止める作戦に変更。ラウンド中盤には、右ストレートから左フックの返し、さらに右アッパーのカウンターでジョー・カルザゲの突進を止めます。「カルザゲのスピードにこれだけ適応したボクサーは始めて観たなあ。さすがはケスラー」と改めてデンマークが誇るチャンピオンの実力を実感します。
「敵地だけど、この調子ならケスラーにも勝つチャンスがあるんじゃない?」と興奮する管理人。ところが、ここからジョー・カルザゲが本領を発揮。5ラウンドになると、再び離れて戦い、ミッケル・ケスラーのペースを乱します。ジョー・カルザゲの突進を止めるため、ミッケル・ケスラーはいつも以上に力を込めてパンチを打っているのですが、それを知ってか、ジョー・カルザゲがアウトボクシングに切り替え、ミッケル・ケスラーのパンチが空を切る場面が目立ちます。
8ラウンド、「このままではダメだ」と感じたのか、ラウンド開始からミッケル・ケスラーが右ストレート、右アッパーを武器に自分から攻め込みますが、ラウンド中盤、ジョー・カルザゲがフットワークを使ってペースを取り戻し、手数で応戦。ラウンド終盤には、ジョー・カルザゲの右ボディーが炸裂。ミッケル・ケスラーの体が丸まるほどの威力です。勝負をかけたミッケル・ケスラーですが、逆にジョー・カルザゲの反撃を許す苦しい展開。
終盤、スタミナを失ったミッケル・ケスラーに対して、ジョー・カルザゲは持ち前の出入りのスピードを活かしたボクシングで完全に試合の主導権を奪い、結果は12ラウンド判定の末、WBO世界スーパーミドルチャンピオンのジョー・カルザゲがタイトル統一に成功しました。
ジョー・カルザゲのスピード、スタミナ、ボクシングの幅がミッケル・ケスラーを上回った試合でしたね。「スーパーミドル級最強決定戦」に勝利したジョー・カルザゲは、デビューからの連勝を44、WBOタイトルの防衛記録を21に伸ばしました。「カルザゲに勝てるとしたら、ケスラーだ」と思っていたので、一方的な試合内容にビックリしています。ミッケル・ケスラーが完敗を喫した今、ジョー・カルザゲに勝てるスーパーミドル級ボクサーはいないかも?
試合結果
試合結果 | ジョー・カルザゲが12ラウンド判定勝ちでタイトル統一に成功しました。一方のミッケル・ケスラーはプロ初黒星。管理人の採点は117-111でジョー・カルザゲの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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