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4年越しのリマッチ(再戦)!ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオ

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

チャンピオン ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
戦績:52戦48勝35KO3敗1分
挑戦者 マニー・パッキャオ(フィリピン)
戦績:50戦45勝34KO3敗2分

ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオの再戦の試合内容

ファン・マヌエル・マルケスマニー・パッキャオが初めて激突したのは2004年。WBA・IBF世界フェザー級チャンピオンに君臨するファン・マヌエル・マルケスにマニー・パッキャオが挑戦し、もしマニー・パッキャオが勝てばアジア出身ボクサーとして初の3階級制覇を達成する大一番でした。

試合はマニー・パッキャオが1ラウンドに3度のダウンを奪いながら、驚異的な粘りをみせたファン・マヌエル・マルケスが中盤から終盤にかけて猛追し、12ラウンド激闘の末、引き分け。

マルコ・アントニオ・バレラエリック・モラレス、オスカー・ラリオスなどの人気と実力を兼ね備えたメキシカンを次々と打ち倒し、「メキシカンキラー」の称号を手にするマニー・パッキャオが唯一勝てなかった相手がファン・マヌエル・マルケスなんです。

初対戦から4年の月日を経て、ファン・マヌエル・マルケスとマニー・パッキャオが再び拳を交えます。階級こそフェザー級からスーパーフェザー級に変わりましたが、初対決同様、チャンピオンがファン・マヌエル・マルケス、挑戦者がマニー・パッキャオという構図は変わりません。

そして、もしマニー・パッキャオが勝てば、アジア出身ボクサーとして初の3階級制覇を達成する歴史的なタイトルマッチであることも当時と変わりません。不思議な因縁を持つファン・マヌエル・マルケスとマニー・パッキャオのリマッチは序盤から両者のプライドが激しくぶつかり合います。

前回の対決でファン・マヌエル・マルケスが3度もダウンを奪われた注目の1ラウンド。今回のリマッチも両者が積極的にパンチを交換し合う緊張感溢れる立ち上がりとなります。初戦と少し違う点があるとすれば、ファン・マヌエル・マルケスのパンチが前回よりヒットしていることです。その証拠にファン・マヌエル・マルケスが2ラウンドの終わりに打ち込んだコンビネーションパンチは、マニー・パッキャオの意識を一瞬奪うほどの威力でした。

試合が大きく動いたのは3ラウンド。終了間際、ファン・マヌエル・マルケスがマニー・パッキャオのパンチを左によけて、左フックを打とうとしたところ、マニー・パッキャオのカウンターの左フックが炸裂。そのまま後ろに倒れるファン・マヌエル・マルケス。管理人が言葉を失うほどの強烈なダウンで「このまま試合が終わってしまうかも」と思いましたが、ファン・マヌエル・マルケスが何とか立ち上がります。

一気に勝負に出るマニー・パッキャオに対し、真っ向から打ち合ってピンチを脱出しようとするファン・マヌエル・マルケス。ロープに詰められて連打を浴びるファン・マヌエル・マルケスですが、パンチを打ち返し、瀕死の状態にも関わらず、マニー・パッキャオにダメージを与えて3ラウンドを持ちこたえます。

4ラウンドにマニー・パッキャオが勝負をかけると思っていたのですが、マニー・パッキャオもダメージがあったのでしょう。深追いすることなく、ポイントを取ることに専念します。しかし、ここでマニー・パッキャオが勝負を仕掛けなかったことで、ファン・マヌエル・マルケスに回復の時間を与えてしまいます。

5ラウンド以降は両者が右目をカットする中、ファン・マヌエル・マルケスの伝家の宝刀であるカウンターが決まり、試合の流れはファン・マヌエル・マルケスへ傾きます。8ラウンドにはファン・マヌエル・マルケスの強烈な左ボディーブローがマニー・パッキャオを襲い、一瞬動きが止まります。

しかし、9ラウンドには死角から繰り出されたマニー・パッキャオのオーバーハンドレフトがファン・マヌエル・マルケスをとらえます。ファン・マヌエル・マルケスの腰が落ち、ラッシュをかけるマニー・パッキャオですが、決定打を打ち込むことはできず、試合は終盤へ。

ファン・マヌエル・マルケス、マニー・パッキャオとも最後まで相手を打ち倒そうとする気迫を前面に押し出すボクシングで、第2戦のほうが第1戦より白熱した試合展開と感じたのは管理人だけではないはずです。軽量級のスター同士が持てる力を出し切った本当に素晴らしいリマッチは、第1戦同様、12ラウンド激闘の末、3人のジャッジに勝敗が委ねられます。

結果は2-1のスプリットディシジョンで、マニー・パッキャオの勝利。この瞬間、マニー・パッキャオはアジア出身ボクサーとして初の3階級制覇を達成し、ボクシングの歴史に新たな1ページを書き加えました。

アジア出身のボクサーが世界を相手にここまで戦えるなんて素晴らしいの一言です。マニー・パッキャオの能力を考えると、さらに4階級制覇、5階級制覇と記録を伸ばしていくことは間違いないと思います。

ちなみに、管理人はマニー・パッキャオならライト級、スーパーライト級、ウェルター級を加えた6階級制覇を達成できると思います。今後、オスカー・デラホーヤが持つ6階級制覇の大記録を超えるボクサーがいるとしたら、そのボクサーはマニー・パッキャオしかいないでしょう。

階級を上げながら、現在の攻撃重視のボクシングから出入りのスピードを最大限に生かしたボクシングにシフトすることができれば、史上初の7階級制覇も夢じゃないと思います(でも、マニー・パッキャオ自身はタイトルにそれほどこだわっていない感じなので、実現はしないかもしれませんね)。

僅差の判定で負けたファン・マヌエル・マルケスも本当に素晴らしかったです。管理人の採点は115-112でファン・マヌエル・マルケスが勝っていました。そして、公式ジャッジの採点も割れていました。実際、判定を待っているマニー・パッキャオの表情を見ると、マニー・パッキャオ自身は負けを覚悟していたのではないかと思います。

今回のタイトルマッチは本当に難しい採点で、勝利の女神に見放されてしまったファン・マヌエル・マルケスですが、彼の評価が下がることは決してないはずです。なぜなら、ここ数年でこれほどマニー・パッキャオにダメージを与えたボクサーはファン・マヌエル・マルケス以外にいないのですから。

試合後リング上で行われたインタービューで、第3戦を否定したマニー・パッキャオですが、この判定勝利は間違いなく物議をかもすと思います。ライト級へ階級を上げて、4階級制覇に挑戦する前に、ファン・マヌエル・マルケスとの完全決着を期待するボクシングファンは管理人だけではないはずです。ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオの第3戦は実現するのか?世界中ボクシングファンが注目する「パックマン」の動向から今後も目が離せませんね。

ファン・マヌエル・マルケス対マニー・パッキャオの再戦の試合結果

試合結果 マニー・パッキャオが12ラウンド判定勝ちで、アジア出身ボクサーとして初の3階級制覇を達成。管理人の採点は115-112でファン・マヌエル・マルケスの勝ちでした。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 115-112 (マニー・パッキャオ)
  • 114-113 (マニー・パッキャオ)
  • 115-112 (ファン・マヌエル・マルケス)
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