ボクシングファン.net > タイトルマッチ観戦レビュー(2008年) > ドイツの英雄フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィンの再戦

ドイツの英雄フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィンの再戦

WBA世界ミドル級タイトルマッチ

チャンピオン フェリックス・シュトルム(ドイツ)
戦績:32戦29勝13KO2敗1分
挑戦者 ランディ・グリフィン(アメリカ)
戦績:28戦24勝12KO1敗3分

試合内容

ドイツの英雄、フェリックス・シュトルムがランキング1位のアメリカ人ボクサー、ランディ・グリフィンを迎えて3度目の防衛戦に挑みます。シュトルムとグリフィンは2007年10月に一度戦っているのですが、その時は三者三様のドローでチャンピオンのシュトルムがタイトルを防衛に成功しています。

今回のタイトルマッチも、前回同様、シュトルムのホーム、ドイツで行われます。シュトルムにとっては大観衆の前で存在感をアピールすることはもちろん、WBC・WBOチャンピオンのケリー・パブリック、IBFチャンピオンのアルツール・アブラハムとの将来的な統一戦へ向けて、内容が問われる防衛戦になりますね。シュトルムが粘り強いファイター、グリフィン相手にどんなボクシングをみせてくれるのか?注目の再戦は序盤から激しいペース争いとなりました。

いつもは静かな立ち上がりの多いチャンピオン、シュトルムですが、この試合は積極的に左ジャブから右ストレート、右フックを打ち込みます。対するグリフィンもシュトルムのガードの上から左右のフックを叩き込み応戦。初戦が引き分けだっただけに、シュトルム、グリフィンとも序盤から積極的に仕掛けて主導権を奪おうという作戦のようです。

序盤の3ラウンドは両者一歩も引かない激しい主導権争いが続いたのですが、4ラウンドに入ると、チャンピオンのシュトルムが得意の左ジャブを連打して距離を取るボクシングに切り替え、試合が少し落ち着きます。シュトルムの懐で戦いたいグリフィンにとって、シュトルムの左ジャブは厄介ですね。

「グリフィンはそんなに器用なボクサーじゃないし、このままだと一方的な展開になりそうだな」と思った6ラウンド、グリフィンが思い切った作戦に出ます。これまでの左ジャブを突いてシュトルムの懐に飛び込み、左右のフックを狙う作戦から、シュトルムの左ジャブに合わせて右ストレートのカウンターを打つ作戦に切り替えたのです。

この作戦変更が見事に的中。得意の左ジャブが出しづらくなったシュトルムはガードを固めてディフェンスに回る場面が増え、試合のペースは徐々にグリフィンへと傾きます。疲れの見え始めたシュトルムとは対照的に、グリフィンは手数を増やし序盤で失ったポイント取り返します。

そして、迎えた9ラウンド。終了間際にグリフィンの左フックがシュトルムのテンプルをとらえ、シュトルムの腰が一瞬落ちます。さらに、10ラウンド終了間際にも右ストレートを叩き込み、完全に試合を支配します。この時点で、序盤優勢だったチャンピオンのシュトルムのほうがグリフィンよりダメージが深そうです。

「シュトルムは打たれ強いボクサーじゃないので、軽くてもタイミングのいいパンチが入れば倒れるかも」と思っていると、11ラウンド開始直後からグリフィンが猛攻を仕掛けます。シュトルムをロープへ追い詰め、左右のフックを連打。普段なら鉄壁のガードを誇るシュトルムですが、ダメージの蓄積とスタミナ切れが影響し、ガードを破られる場面が目立ちます。

「シュトルム、ヤバいよ」と誰もが思ったでしょう。ところが、この試合一番の強烈なパンチを叩き込んだのはグリフィンではなく、シュトルムでした。「ガードでは防ぎきれない」と感じたのか、シュトルムが打ち合ってグリフィンを止める作戦に切り替えます。そして、1分過ぎ、前に出てくるグリフィンに対して、会心の右フック!さらに同じような右フックのカウンターを2度打ち込み、グリフィンの動きが止まります。

11ラウンドの終盤、12ラウンドはどちらが倒れてもおかしくない状態でした。シュトルム、グリフィンともにダメージが原因で体が動かないのですが、闘争本能とプライドが彼らを戦わせるのです。そして、12ラウンド終了のゴング。前回の対戦と同様に、決着は3人のジャッジに委ねられます。

結果は3-0でチャンピオン、シュトルムの勝利。地元ドイツで宿敵グリフィンを退け、3度目の防衛に成功します。初戦と同じく、かなりの接戦でしたね。管理人の判定は115-113でシュトルムの勝ちでしたが、競ったラウンドが多く、難しい採点でした。おそらく、シュトルムとグリフィンは何度戦っても同じような展開で接戦になるでしょう。それほど2人の実力は接近していると思います。

苦戦しがらも何とか勝利を収めたシュトルムですが、スタミナ不足と打たれ弱さがはっきりと見えた課題の多い試合でしたね。確かに左ジャブと鉄壁のガードは素晴らしいのですが、パブリック、またはアブラハムと統一戦をした場合、ガードだけで12ラウンド防ぎきるのは不可能に近いでしょう。パブリック、アブラハムともパンチの破壊力は凄まじいですし、何と言ってもタフなんですよね。

今後は、同じドイツを主戦場とするシュトルムとアブラハムが統一戦を行い、その勝者とパブリックがミドル級最強の座をかけて争う構図になると面白いのですが、いずれにしてもシュトルムにとっては厳しい試合になりそうです。シュトルムがパブリック、アブラハムに勝つ姿がどうしても想像できません。シュトルムがパブリック、アブラハムに勝つためにはどうすればいいのでしょうか?

試合結果

試合結果 フェリックス・シュトルムが3-0の判定勝ちでタイトル防衛に成功。管理人の判定は115-113でフェリックス・シュトルムの勝ちでした。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 118-110
  • 116-112
  • 116-113
ボクシングファン.net > タイトルマッチ観戦レビュー(2008年) > ドイツの英雄フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィンの再戦
特集!ミゲール・コット対サウル・アルバレス

新旧スター対決!ミゲール・コットの防衛か?サウル・アルバレスの2階級制覇か?

4階級制覇の実績を誇る「プエルトリコの英雄」ミゲール・コットと2階級制覇を目指す「メキシコの至宝」サウル・アルバレスがついに激突。絶大な人気を誇る新旧スーパースター対決です!

WBC世界スーパーフェザー級チャンピオンの三浦隆司選手も同じイベントに登場します。

テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
ニュース 両雄が計量をパス!ミゲール・コット対サウル・アルバレスの直前情報
ニュース 復活のミゲール・コットはサウル・アルバレスからタイトルを守れるか
ニュース 新旧交代なるか?サウル・アルバレスが語るミゲール・コット戦の作戦
ニュース ミゲール・コット対サウル・アルバレスの新旧対決は11月開催に決定
ニュース 大舞台で輝けるか?三浦隆司vsフランシスコ・バルガスの見どころ
注目のボクサー
伝説のチャンピオン
ボクサーの関連ニュース
ボクシングニュース
ボクシング観戦レビュー
歴史に残るボクシング名勝負
ボクシング情報