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アルフレド・アングロ対カーミット・シントロンの挑戦者決定戦

WBC世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦

ランキング1位 アルフレド・アングロ(メキシコ)
戦績:15戦全勝12KO
元IBF世界
ウェルター級チャンピオン
カーミット・シントロン(プエルトリコ)
戦績:33戦30勝27KO2敗1分

試合内容

オスカー・デラホーヤのゴールデンボーイ・プロモーションが大きな期待を寄せる全勝ホープ、アルフレド・アングロが、元IBF世界ウェルター級チャンピオンのカーミット・シントロとWBC世界スーパーウェルター級タイトルの挑戦権をかけて激突します。アルフレド・アングロの勢いのあるボクシングが、元世界チャンピオンのカーミット・シントロン相手ににどれだけ通用するのか?楽しみですね。

試合が始まると同時にアルフレド・アングロがガードを固めながら距離を詰めて打ち合いに持っていこうとします。一方のカーミット・シントロンは左ジャブで距離を取ってアルフレド・アングロの戦力を確認しながら戦っています。試合前は「シントロンが打ち合いに応じるかも」と予想していたのですが、タフなアルフレド・アングロ相手に序盤から打ち合うと、パンチをもらうだけでなく、スタミナを奪われる可能性があるので、リスクが高いと判断したようです。

アテネオリンピックにメキシコ代表のミドル級ボクサーとして出場したアルフレド・アングロは、アマチュア出身のボクサーとは思えないほど荒っぽい打ち合いを好むファイターで、カーミット・シントロンが2連敗しているアントニオ・マルガリートに似ているタイプなので、カーミット・シントロンはリーチの長さを活かして慎重に戦っていますね。

「シントロンが左ジャブとフットワークを使って距離を保ちながら上手く戦っているなあ。シントロンがこれだけフットワークを使う試合は初めてじゃない?アングロも必死に我慢して懐で勝負するチャンスを狙っているけど、このままだとジリ貧になっちゃうよ」というのが試合序盤の感想です。4ラウンド中盤には、アルフレド・アングロの左ジャブに合わせて、カーミット・シントロンが強烈な右のクロスカウンターを叩き込み、アルフレド・アングロの動きが一瞬止まります。

カーミット・シントロンが少しずつ距離を掴んできたようです。打ち合いたいアルフレド・アングロ相手に、カーミット・シントロンはヒット・アンド・アウェイを駆使して試合を支配していますね。ただ、カーミット・シントロンはスタミナに不安があるので、アルフレド・アングロが我慢しながら距離を詰めてプレッシャーをかけ続けることができれば、後半おもしろくなりそうな展開です。

8ラウンドに入ると、カーミット・シントロンのスタミナが少し切れてきたのか、アルフレド・アングロが少しずつカーミット・シントロンの懐へ飛び込んで打ち合いに持ち込む場面が増えてきます。打たれながらも必死に我慢して接近戦に持ち込んだアルフレド・アングロですが、懐へ飛び込む前にカーミット・シントロンの強打をかなりもらっているので、いつもより反撃する力が残っていないようです。

「アングロ、すごい根性で耐えているんだけど、ダメージが大きくて反撃できないなあ。ダメージの少ないシントロンはクリンチやインターバルで少し休めば回復するけど、アングロは本当に苦しそうだよ」と両者のダメージを比較する管理人。アルフレド・アングロは最後まであきらめず、カーミット・シントロンを追い詰めますが、決定打を打ち込むことはできず、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。

結果は3人のジャッジすべてが116-112でカーミット・シントロンを支持。元世界チャンピオンのカーミット・シントロンが全勝のアルフレド・アングロを退け、セルヒオ・マルチネスが持つ世界タイトル挑戦権を獲得しました。カーミット・シントロンが予想以上にアウトボクシングに徹したため、アルフレド・アングロとカーミット・シントロンのボクシングの幅、ディフェンス技術の違いがモロに出ましたね。

アルフレド・アングロ対カーミット・シントロン戦が決まったとき、管理人は「ランキング1位なんで、待っていればいずれタイトル挑戦のチャンスが巡ってくるのに、アングロは厳しい道を選んだなあ。世界チャンピオンクラスのボクサーと戦うのは1年早い気がするけど、大丈夫かな?」とマッチメイクに疑問を感じましたが、蓋を開けてみると、アルフレド・アングロが予想以上に健闘し、将来性を感じる試合になりました。

アルフレド・アングロは器用なボクサーではないので、スピードのあるボクサーやカウンターの上手いボクサーと戦うと空回る可能性がありますが、相手のパンチをもらいながら懐へ飛び込むのではなく、もう少し体を振って相手のパンチをかわす技術を身につければ、ダメージを負うことなく攻撃できるので、「しつこいボクシング」がもっと活きてくると思います。

アルフレド・アングロに初黒星をつけたカーミット・シントロンは、この勝利で再びセルヒオ・マルチネスに挑戦する権利を手にしました。2009年2月に行われたセルヒオ・マルチネス対カーミット・シントロンの初戦は引き分けに終わり、2階級制覇を達成することができなかったカーミット・シントロン。めちゃくちゃ速いセルヒオ・マルチネス相手に、カーミット・シントロンが再戦でどんな戦いをするのか?興味深い試合になりそうです。

試合結果

試合結果 カーミット・シントロンが12ラウンド判定勝ちで挑戦権を獲得。管理人の採点は116-112でカーミット・シントロンの勝ちでした。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 116-112
  • 116-112
  • 116-112
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