WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ) 戦績:26戦全勝24KO |
挑戦者 | ロジャース・ムタガ(タンザニア) 戦績:41戦26勝18KO12敗2分1無効試合 |
試合内容
プエルトリコ出身の「小さな強打者」、ファン・マヌエル・ロペスがタンザニア出身の挑戦者、ロジャース・ムタガを迎えて5度目の防衛戦を行います。WBO世界スーパーバンタム級チャンピオンのファン・マヌエル・ロペスは、2008年6月、ダニエル・ポンセ・デ・レオンから1ラウンドKO勝ちで世界タイトルを奪取し、その後4度の防衛戦ですべてKO勝ちを収めているサウスポーのハードパンチャー。5度目の防衛戦も連続KO防衛を果たすことができるでしょうか?
試合は序盤から挑戦者のロジャース・ムタガが前へ出て勝負を仕掛ける予想外の展開。ガードを高く構えて距離を詰めると、右ストレート、左右のフックを強く打ち込み、ファン・マヌエル・ロペスを威嚇します。「強打者のロペス相手にムタガは勇敢なボクシングをするなあ」と挑戦者の戦いぶりに感心する管理人。ファン・マヌエル・ロペス相手に真っ向から飛び込んで勝負を挑んでいます。
一方のファン・マヌエル・ロペスは前へ出てくるロジャース・ムタガの入り際に合わせて、右フックのカウンターを打ち込む作戦。チャンピオンは落ち着いた立ち上がりで、挑戦者を上手くいなしながら戦っていますね。序盤からファン・マヌエル・ロペスの強烈な右フックがロジャース・ムタガのテンプルをとらえる場面が目立ちますが、タフな挑戦者はひるむことなく前進を続けます。
「打ち続けるロペスが疲れるか、ムタガが耐え切れなくなるかの我慢比べになりそうだぞ」と戦況を見守る管理人。すると、3ラウンドに入り、これまでコンパクトなボクシングをしてきたファン・マヌエル・ロペスが少しずつパンチを振り回し始めます。ファン・マヌエル・ロペスは力いっぱいパンチを打ち込み、ロジャース・ムタガの突進を止めようという作戦のようです。
5ラウンドには、開始直後から前へ出てくるロジャース・ムタガに対して、ファン・マヌエル・ロペスがカウンターの左ストレートを顔面に打ち込みます。倒れてもおかしくない威力ですが、ロジャース・ムタガはタフですね。前進を止めることなく、ファン・マヌエル・ロペスの懐へ飛び込もうとします。
すると、1分すぎ、ファン・マヌエル・ロペスがロジャース・ムタガの突進に合わせて右フックをテンプルへ打ち込み、ダウンを奪います。それほど威力のあるパンチではありませんでしたが、抜群のタイミングですね。突進してくる相手に有効なサウスポー特有の右フックで、力ではなく技で奪ったダウンです。
「このダウンで一気にロペスのペースになるかな?」と思ったのですが、ここからロジャース・ムタガが反撃開始。ファン・マヌエル・ロペスに相打ちのパンチを打ち込みながら、少しずつダメージを与え始めます。「ロペス相手に相打ちだよ!めちゃめちゃ勇気のある作戦だな」と挑戦者の勇敢さとタフさに舌を巻く管理人。9割以上のKO率を誇るファン・マヌエル・ロペス相手に、ロジャース・ムタガが信じられない作戦を実行しています。
8ラウンドには、業を煮やしたファン・マヌエル・ロペスが勝負に出ます。ガードを下げて攻撃重視のスタイルでKOを狙いに行きますが、ロジャース・ムタガはパンチを強く振りながら応戦。ラウンド中盤にはファン・マヌエル・ロペスの強烈な左ストレートがロジャース・ムタガのアゴをとらえますが、ロジャース・ムタガが何とか我慢し、ラウンド間際には、強烈な右フックをファン・マヌエル・ロペスのアゴに打ち込み反撃します。ダメージはファン・マヌエル・ロペスのほうが深いかもしれません。
9ラウンドに入ると、ファン・マヌエル・ロペスが先ほどのパンチのダメージと打ち疲れで急に失速。これほど失速したファン・マヌエル・ロペスを観るのは初めてです。「ありゃ?もしかしてムタガにもチャンスがあるんじゃない?」と予想外の展開に驚く管理人。お互いのダメージ、疲れ具合を観ると、どちらが倒れてもおかしくない状態です。