WBA世界ミドル級タイトルマッチ

試合内容

日本の帝拳ジムに所属する佐藤幸治選手が、鉄壁のガードを持つWBA世界ミドル級チャンピオンのフェリックス・シュトルムに挑戦します。アジアのボクサーが挑戦することすら難しいミドル級で、全戦全勝の佐藤幸治選手がフェリックス・シュトルムの地元ドイツに乗り込んで、初の世界タイトル奪取なるか？注目が集まります。

試合は序盤からチャンピオン、フェリックス・シュトルムのペースで進みます。ガードを高く構えて、左ジャブを突くフェリックス・シュトルムに対して、佐藤幸治選手は左ジャブ、左フックを中心に応戦。「シュトルムが予想以上に前へ出ているよ。佐藤選手は右ストレートを打って、シュトルムの前進と左ジャブを止めたいなあ」というのが第一印象です。

2ラウンドに入ると、佐藤幸治選手が1ラウンド以上にパンチを集め、フェリックス・シュトルムがガード一辺倒になる場面が増えます。フェリックス・シュトルムは相手がパンチを打つ間は、ガードを固めてガッチリ守る攻防分離のボクサーなので、攻撃することでフェリックス・シュトルムの攻撃を封じる展開はいいですね。

ただ、気になるのは、佐藤幸治選手がフェリックス・シュトルムの左ジャブをまともにもらっていることです。ラウンドが進むにつれて、佐藤幸治選手の顔面、特に右半分の腫れが目立つようになります。3ラウンドに入ると、フェリックス・シュトルムがプレッシャーを強め、ラウンド終盤には、佐藤幸治選手をロープへ詰めて、右ストレートを打ち込みます。

「シュトルムのエンジンがかかってきたよ。このまま佐藤幸治選手が左ジャブをもらい続けると、ダメージが蓄積するんで、ダメージを抱える前、スタミナが切れる前に勝負に出たいなあ」と祈るような気持ちで佐藤幸治選手を応援する管理人。しかし、4ラウンド1分すぎには、フェリックス・シュトルムが左ジャブを上下に散らし、佐藤幸治選手のテンプルに強烈な右ストレートを打ち込みます。

佐藤幸治選手もパンチを出して応戦するのですが、フェリックス・シュトルムの鉄壁のガードを打ち破ることができません。「佐藤選手のほうが手数が多いんだけどなあ。悔しいなあ」と唇を噛み締める管理人。フェリックス・シュトルムは他団体のミドル級チャンピオン、ケリー・パブリックやアルツール・アブラハムに比べて守備を重視するため、地味な印象がありますが、ボクシング技術は超一級品ですね。

フェリックス・シュトルムの技術が佐藤幸治選手の強打を封じ込める展開が続き、迎えた7ラウンド。フェリックス・シュトルムが勝負に出ます。ラウンド開始から左ジャブを突きながら、ドンドン前へ出てプレッシャーを強め、ラウンド中盤には、強烈な左フックを佐藤幸治選手のテンプルへクリーンヒットさせます。一瞬、佐藤幸治選手の動きが止まるほどの強烈なパンチです。

さらに、ラウンド終盤には、左ジャブで佐藤幸治選手をロープへ詰めて、強烈な左ボディーブロー！フェリックス・シュトルムは、佐藤幸治選手の体が丸まったことを確認すると、最後は、左フックから右ストレートのコンビネーションを打ち込み、佐藤幸治選手の意識が一瞬飛んだところで、レフェリーが試合をストップ。フェリックス・シュトルムが佐藤幸治選手を7ラウンドTKO勝ちで退け、6度目の防衛に成功しました。

佐藤幸治選手は序盤から積極的にパンチを出して、フェリックス・シュトルムのガードを打ち破ろうと攻めていたのですが、最後までフェリックス・シュトルムの牙城を崩すことはできませんでした。残念な結果に終わってしまいましたが、佐藤幸治選手の戦う姿はとても勇敢でした。ダメージがかなりあると思いますので、ゆっくりと静養して、またリングに帰ってきてほしいです。

試合結果