WBC世界スーパーミドル級挑戦者決定戦
元4団体統一世界 ミドル級チャンピオン |
ジャーメイン・テイラー(アメリカ) 戦績:30戦27勝17KO2敗1分 |
元IBF世界スーパー ミドル級チャンピオン |
ジェフ・レイシー(アメリカ) 戦績:26戦24勝17KO1敗1無判定 |
試合内容
元4団体統一世界ミドル級チャンピオンのジャーメイン・テイラーと、元IBF世界スーパーミドル級チャンピオンのジェフ・レイシーがWBC世界スーパーミドル級タイトルの挑戦権をかけて拳を交えます。シドニーオリンピック出場後、プロに転向し、世界チャンピオンになったボクサー同士のサバイバル戦です。
元4団体統一世界ミドル級チャンピオンのジャーメイン・テイラーは的確なカウンターパンチを持つボクサーファイター。2005年7月、当時の4団体統一世界ミドル級チャンピオン、バーナード・ホプキンスに12ラウンド判定勝ちし、一躍スターダムにのし上がりましたが、ケリー・パブリックに2連敗し、正念場を迎えています。
一方、元IBF世界スーパーミドル級チャンピオンのジェフ・レイシーは破壊力抜群のフックを武器に戦う生粋のファイター。2004年10月、無敗のまま世界タイトルを奪取しましたが、20006年3月、ジョー・カルザゲとの統一戦に敗れ、世界タイトル挑戦のチャンスをうかがっています。
「なぜこの2人がチャンピオンじゃないんだろうなあ?」と思うほどの実力、戦績を兼ね備えたジャーメイン・テイラーとジェフ・レイシー。シドニーオリンピック出場、無敗のまま世界タイトル奪取など、共通点の多いジャーメイン・テイラーとジェフ・レイシーですが、ボクシングスタイルは正反対です。生き残りをかけた挑戦者決定戦を制するのは、テクニックのジャーメイン・テイラーか?パワーのジェフ・レイシーか?試合は序盤からスリリングな展開になりました。
立ち上がりペースを握ったのはジャーメイン・テイラー。素早い左ジャブとタイミング抜群の右ストレートを武器に、突進力のあるジェフ・レイシーの出鼻を叩き、懐に入れません。ミドル級から階級を上げたジャーメイン・テイラーですが、スピードは健在ですね。特に左ジャブから右ストレートのワンツーが素晴らしいです。
3ラウンド終盤には、ジャーメイン・テイラーが右アッパーから左フック。ジェフ・レイシーをわずかにかすっただけのパンチですが、ジェフ・レイシーの足がカクカクしています。さらに、4ラウンド終盤には、ジャーメイン・テイラーが左ジャブから右ストレートの素早いワンツーをジェフ・レイシーのテンプルを直撃!ジャーメイン・テイラーのスピードとテクニックが、ジェフ・レイシーのパワーを完全に封じ込めていますね。
「このままテイラーのペースで進みそうだな」と思い始めた5ラウンド、ジェフ・レイシーが反撃。1分過ぎにジャーメイン・テイラーをロープへ追い詰め、強烈な右フックを叩き込みます!ジャーメイン・テイラーが尻餅をつき、「ダウンだ!」と思ったのですが、レフェリーの判断はスリップダウン。ダウンにならなかったのは不運でしたが、このパンチで緊張がほぐれたのか、持ち味の力強いフックを打ち始めます。
このまま一気にペースを奪いたいジェフ・レイシーですが、6ラウンドに入ると、ジャーメイン・テイラーがクリンチを上手く使いながら、ダメージの回復に努め、試合の主導権を渡しません。そして、7ラウンド中盤、ジェフ・レイシーが飛び込んできたところに、ジャーメイン・テイラーが強烈な右アッパーをあわせます。ジェフ・レイシーの顔が上を向くほどの凄まじいカウンターパンチです。
強烈なパンチに何とか耐えたジェフ・レイシーですが、ダメージが深く、明らかにスピードが鈍くなっています。ここからジャーメイン・テイラーが完全に試合の主導権を握り、回転の速い連打と的確なカウンターパンチで強打のジェフ・レイシーを圧倒。特にジェフ・レイシーが飛び込んでくる瞬間を狙う左右のアッパーが強烈です。
試合はこのまま終始ジャーメイン・テイラーのペースで進み、12ラウンド判定でジェフ・レイシーに快勝しました。最後はジェフ・レイシーの顔面が腫れ上がり、フラフラになるほど、一方的な展開でしたね。両者の相性の問題だと思いますが、「パンチはあるけど、比較的単調なボクシングをする」ジェフ・レイシーは、ジャーメイン・テイラーが一番得意とする相手なのかもしれません。
ジャーメイン・テイラーは階級を上げたことが、すごくプラスに作用している感じです。ときどき、スタミナやタフネスに不安をのぞかせるジャーメイン・テイラーですが、全く不安を感じさせない内容でした。もしかすると、減量苦があったのかもしれませんね。今までと変わらないテクニック、スピードを持ちながら、パワーアップしたジャーメイン・テイラー。2階級制覇が濃厚ですね
試合結果
試合結果 | ジャーメイン・テイラーが12ラウンド判定勝ちで挑戦権獲得。管理人の採点は119-109でジャーメイン・テイラーの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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